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都による尖閣購入への圧力か、居座る漁政

東京都による尖閣諸島購入計画。そしてそのための国民からの寄付。4月27日に都が寄付のための講座を開設したが、その後5月1日までの5日間で7000万円以上集まったことが話題になっている。ここまで集まるのなら、やはり都ではなく都知事が独自に基金団体を設置して・・・と思わなくもないが。

東京都尖閣諸島寄附金について

平成24年4月27日
知事本局

 本日、東京都尖閣諸島寄附金口座を開設いたしますので、以下のとおり、お知らせします。


1 寄附金募集の趣旨

 この寄附金は、尖閣諸島の購入・活用のためにあてさせていただきます。


尖閣購入 都への寄付7600万円

東京都の石原知事が、尖閣諸島のうち、3つの島を購入する意思を表明して以降、都には購入のための寄付をしたいなどという意見が多く寄せられ、都は寄付を受けつけるための専用口座を先月27日に開設しました。
都によりますと、1日までの5日間の振り込み件数は合わせて5428件で、入金が確認された額は7600万7211円に上ることが分かりました。また、専用口座を開設して以降、寄付に関する問い合わせは、1日午前11時半までに197件寄せられているということです。

都の尖閣購入募金に7600万…「ありがたい」

 都は来年4月に埼玉県内の地権者と売買契約を結びたい意向で、今月1日に同諸島購入に向けた専従チームを発足させた。都の幹部は「わずか5日間でこれだけ集まるとは思わなかった。関心の高さがうかがえ、大変ありがたい」と話した。

東京都尖閣諸島寄附金 受付状況

これまでに東京都尖閣諸島寄附金の口座にお寄せいただいた寄附金です。

件数 総額
5,428 件 76,007,211 円

平成24年5月1日入金確認分まで

ゴールデンウィーク明けの7日にはさらに金額が増えていることだろう。


都知事の、一見突飛な計画は徐々に国民的な運動になりつつある。これがどのように転がっていくかはまだ分からない。だが、口ではおとなしかった中国も体は正直、圧力とも取れる行動を起こし始めた。

漁政による尖閣諸島周辺海域の遊弋である。

尖閣沖に2隻の中国監視船=「中国海域」と応答-海保

 2日午前9時ごろ、沖縄県尖閣諸島魚釣島西北西約30キロの日本の接続水域で、中国農業省漁政局所属の漁業監視船「漁政204」が南西向きに航行しているのを海上保安庁の巡視船が確認した。領海内に侵入しないよう無線で警告したところ、「中国の海域でパトロール中だ」と応答したという。同庁は外務省を通じ中国側に抗議した。

 同本部によると、同10時ごろ、別の中国監視船「漁政203」がほぼ同じ海域を航行しているのを、同庁の航空機が発見した。2隻は正午前までに相次いで接続水域を出た。

20120502023714869.jpg
日本の接続水域内を航行する中国漁業監視船「漁政204」
=2日午前9時40分ごろ、沖縄県・尖閣諸島の魚釣島西北西約34キロ(第11管区海上保安本部提供)


20120502023656788.jpg
日本の接続水域内を航行する中国漁業監視船「漁政203」
=2日午前9時57分ごろ、沖縄県・尖閣諸島の魚釣島北西約38キロ(第11管区海上保安本部提供)


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tag : 尖閣諸島 購入 石原都知事 中国 漁政

2012-05-04 : 尖閣諸島問題 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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都知事の尖閣諸島購入騒動の陰で放置される海保法改正案

現在、尖閣諸島問題が騒がしい。
それも尖閣諸島周辺ではなく、ワシントンや東京で、だ。

大きく報道され誰もがすでに耳にしている「東京都による尖閣諸島購入計画」のことである。

発端は1週間ほど前、ワシントンでヘリテージ財団が開催した講演会で飛び出した。

東京都が尖閣諸島購入へ ワシントンで石原知事が明言 「日本人が日本の国土を守る」

ワシントン=石元悠生】東京都の石原慎太郎知事は16日午後(日本時間17日未明)、ワシントン市内のシンクタンクで講演し、「日本人が日本の国土を守るため、東京都が尖閣諸島を購入することにした」と述べ、尖閣諸島の魚釣島、北小島、南小島を個人所有する地権者と交渉を開始したことを明らかにした。

 石原知事は「日本の国土を守るために島を取得するのに何か文句ありますか。ないでしょう。やることを着実にやらないと政治は信頼を失う。まさか東京が尖閣諸島を買うことで米国が反対することはないでしょう」と話した。

 石原知事は会見後、「尖閣諸島の周辺は豊穣(ほうじょう)な漁場で、自然エネルギーの開発でも大きな可能性がある。世界遺産に登録された小笠原のような豊かな自然も世界的に貴重なもの。都がこれまで培ってきたノウハウも生かしながら、この島々を舞台としてさまざまな施策を展開すべく、購入に向けて検討に入る」とするコメントを出した。


この発言に対し、日本国内は騒然となった。国民の間では大方が賛成意見とされているが、新聞では「都が購入」という点に対し違和感や疑問を持つ社説が多かった。

 この社説についてはかなりの数に登るので別のエントリで纏めるつもりだが、個人的な意見を言わせてもらえばこれら(産経を除く)社説の懸念は分からなくもない。

 まず、都が買うべきかどうかという問題。

 別に東京都が他の自治体の土地を購入することに問題はない。たとえば東京や大阪には各地方自治体の事務所やアンテナショップが数多く存在する。また、いくつかの新聞記事で指摘されているように東京都が他県の土地を購入し施設を設置している例もあるという。

石原知事の尖閣購入に高いハードル、理由・測量…

 尖閣諸島の購入には都議会の議決が必要で、都民の納得する取得理由も求められる。都は現在、山梨県内の水源林(計1万3810ヘクタール)や千葉県松戸市の都立八柱霊園(105ヘクタール)などを保有。千葉や神奈川、静岡県内には福祉や教育に関連する施設の土地を持っているが、都民サービスに直結する物件ばかりだ。


 だが、それらは近隣の自治体であり都民への住民サービスに直結している施設である。

 いくら都の財政状況が他の自治体と比べてずば抜けていいとしても、首都直下地震やエネルギー問題が懸念されいくらでも予算が必要な中で、都民へのサービスに直結するとは考えにくい尖閣諸島の購入が都民からの税金で進められるべきだろうか?

 そういった意味では猪瀬副知事がTVで言及した寄付・基金案(その後、募金講座が開設された)は当然ともいえる。

尖閣諸島買収費3~5億円「都民や全国から寄付」(猪瀬副知事)

・・・がこれにも疑問がある。この募金は都の負担や軽くし都議会での承認を得やすくする目的もあると思われるが、逆にそれで資金が集まるのであれば最初から都でやらずに国民運動の基金組織を作ればいいということになる。

「尖閣購入」で寄付口座開設=全国から賛同募る-都

東京都の石原慎太郎知事は27日の記者会見で、沖縄県・尖閣諸島の購入費に充てる目的で、都の名義の口座を同日付で開設し、全国から寄付を募ると発表した。「尖閣購入」に賛同する国民に協力を呼び掛けることで、税金投入額を減らし、都民の理解を得やすくする狙いがあるとみられる。
 石原氏は、自身が「尖閣購入」を表明して以降、寄付の申し出が多数あるとした上で、「こうした志を受け止めるため口座を開設する」と説明。口座名は「東京都尖閣諸島寄付金」で、金融機関からの振り込みなどで受け付ける。

都民以外からも寄付受け付け…尖閣購入

 東京都は27日、「尖閣諸島寄付金」の受付口座を開設した。

 都民以外からの寄付も受け付ける。都は募金について「尖閣諸島の購入・活用のためにあてる」としている。振込先は、みずほ銀行東京都庁出張所「普通預金1053860」。口座名義は「東京都尖閣諸島寄付金」。振込手数料が発生した際は、寄付を行う本人の負担となる。


 この募金による資金調達が足りず購入予算の議会承認が必要となるも、失敗した場合、中国は日本国内の土地売買であるにもかかわらず、そうした経緯を無視して「日本の実効支配の正当性が崩れた」と喧伝する危険性もある。

 実際、中国政府は沖ノ鳥島周辺海域の大陸棚延長が(一部を除いて)大陸棚限界委員会で認められたにもかかわらず、日本の主張は根拠がなく国際的にも認められていないと自国の主張に沿った解釈で非難している。

沖ノ鳥島:日本の大陸棚基点発表に中国側が異議

中国外務省の劉為民報道局参事官は28日夜、日本最南端の沖ノ鳥島8件が大陸棚の基点として国連に認められたと日本政府が発表したことについて、「国際的に主流の見方は日本側の主張を支持していない」と異議を唱える談話を発表した。

 劉参事官は「国連の大陸棚限界委員会は結果をまだ公表しておらず、日本側の発表が何を根拠にしているのか分からない」と指摘。沖ノ鳥島8件は岩にすぎないとする中国側の立場に変わりがないことを強調し、「国際法に基づけば排他的経済水域(EEZ)や大陸棚の基点とはならない」と主張した。

この沖ノ鳥島問題は海上保安庁による海洋権益確保や東京都の離島管理、そして中国の海洋進出とも深く関わっているので、後述するとともに別エントリでも説明する。

 都知事は、今回の購入について東京都の離島管理の実績を強調する。都が沖ノ鳥島や小笠原諸島などで実績があることを上げる。

漁業開発「都民で検討」 尖閣諸島買い取り

尖閣諸島(沖縄県石垣市)の買い取りを表明した石原知事は17日(日本時間18日)、滞在先の米ワシントンで記者団の取材に応じ、同諸島で漁業資源の開発に乗り出す考えを示した。「何をやるか、都民で考えたらいい」と語り、都議会に対しては「話題になれば説明する」とした。 石原知事は、同諸島の利用法について「魚礁を作り、漁業開発をしたらいい」と主張。沖ノ鳥島(小笠原村)で漁業資源開発を行っているこれまでの都の取り組みが参考になるとした。

尖閣早期購入を要請、石垣市長が石原知事と会談

 東京都の石原慎太郎知事が沖縄県石垣市の尖閣諸島の購入を表明したことを受け、同市の中山義隆市長が23日、都庁で石原知事と会談し、早期の購入を要請した。石原知事は地権者と価格交渉を急ぐとともに、同市に都の専門職員を派遣し、世界自然遺産の小笠原諸島などで都が培ってきた自然保護のノウハウを提供していく考えを伝えた。

 実際、そうした都の離島周辺海域での漁業振興や島で繁殖する羊の駆除を行ってきている。確かに外部から持ち込まれた羊の繁殖は独自の閉鎖性体系を持つ離島にとって致命的で、魚釣島でも海上保安官が上陸する際に小銃を持ち込んで駆除を検討したこともあるという。一方で、東京都が沖ノ鳥島などで行ってきた漁業振興策と言えば漁業調査船による水産調査と当該海域に出漁する漁船への燃料補助程度だ。

小笠原から見た北方領土:/5止 遠い漁場 燃料代かけEEZ維持

 「国土面積より広いEEZを失っていいのか」。菊池滋夫・東京都漁業組合連合会長(84)らが石原慎太郎・東京都知事に訴え、05年から小笠原島漁協所属の1隻がこの海域で経済活動を始めた。

 10年度は17・6トンを水揚げした。うち約82%が魚価の高いキハダマグロ。漁場が遠いため燃料代はかさむが、11年度の都からの補助は用船代なども含めて7469万円。「本来であれば国がやってしかるべき事業だが、まずは知事が動いた」。都農林水産部の担当者は説明する。

記事にあるとおり、この燃料補助は「国がやるべきこと」を先行して都が行ったという意味で、尖閣諸島購入にも通じるものがある。

だが、実際には燃料補助を受けた小笠原の漁船よりも、サンゴ密漁を目的とした中国や台湾の漁船のほうが盛んなのではないかと思えるほどだが、都はこうした離島や海域の権益保護のために新たに外洋航海に耐えうる高速漁業取締船の建造を行ってきたわけではない。

また、燃料補助を尖閣諸島で行うとしても東京都の漁業者よりも先島諸島の漁業者を対象にしたほうが効率的だが、この場合も都の予算をそうした目的で使っていいのかという問題が残る。

 尖閣諸島周辺は水産資源が豊富で海底資源もあることから、石原知事は利用方法の一つに「漁業資源の開発」を挙げた。しかし、尖閣諸島は東京から約1900キロ離れ、東京の漁業者が漁場として利用するには遠すぎる。「自然遺産、文化遺産としての保護」を理由にする案もあるが、これも都政との関連は見えにくい。



 既に尖閣諸島周辺の漁業支援は水産庁が外国漁船被害救済事業として行っている。



今年度中 数回調査へ/尖閣海域

 水産庁は13日、宮古島漁業協同組合(小禄貴英組合長)で、北緯度以南にある尖閣諸島を含む海域の漁場調査に向け説明会を開いた。今年度中に、伊良部漁業協同組合(友利義文組合長)所属の漁船などをチャーターし、数回に分けて調査する。同庁資源管理部沿岸沖合課指導係の高橋英也さんは「調査には、新規漁場開拓もある」と強調し、今後の調査に期待を込めた。

 同庁は、今年度「外国漁船の操業による漁具破損などの被害の救済による漁業経営の安定」を政策目標に掲げ、外国漁船被害救済事業で2億円の予算を確保した。

 このうち宮古関係では、伊良部漁協に350万円、宮古島漁協に136万円の計486万円の助成金を計上した。

 伊良部の漁民らは、外国漁船の操業状況調査や外国取締船の行動調査、漁場調査を実施する。


尖閣沖調査操業、一本釣り700キロ超の水揚げ 外国漁船は見られず

 八重山漁協(上原亀一組合長)が水産庁の外国漁船被害救済事業を導入して尖閣周辺で行っている調査のための操業で、一本釣りの調査を行ってきた漁船3隻が1日午前、石垣漁港にアカマチ368.4キロを含む736.4キロを水揚げした。今回の調査では外国漁船の操業は確認されなかった。


もっとも、この「事業」には民間の漁船に対して外国の漁業監視船に接近して情報を収集させるという問題点もあったが・・・

関連エントリ:民主党の「特設監視艇」、漁船に中国船を監視させ海保には報告せず

※過去エントリでも掲載しているマニュアルは、後に水産庁ではなく実施主体である地元漁協が組合員向けに作成したものだと判明。

参議院議員片山さつき君提出「外国漁船被害等救済マニュアル」に関する質問に対する答弁書

 お尋ねの「外国漁船被害等救済事業マニュアル」は、漁業協同組合等に対する補助事業として平成二十二年度第一次補正予算に計上した外国漁船被害救済事業の実施主体の一つである伊良部漁業協同組合が、同事業として実施する外国漁船操業等調査のための組合員向けの文書として作成したものであり、同事業を所管する水産庁を含め、政府として、その存在を承知していなかったところである。同調査の実施に当たっては、漁業者の安全を確保し危険が及ばない方法で実施するよう、全ての事業実施主体に対して指導しており、御指摘の「フラッシュを焚いて写真撮影する」ことを政府として要請した事実はない。





 東京都がアピールする沖ノ鳥島での実績も事実とは異なる。沖ノ鳥島は東京都が維持費を負担できないため国土交通省の京浜河川事務所が中心となって保守管理しており、周辺海域は海上保安庁や水産庁がパトロールしている。海上保安庁の灯台設備や国土交通省の試験設備はあるものの、都が一時期アピールしていた経済活動は漁業を除き実現してはいない。

 先ほども書いたが沖ノ鳥島については別エントリで詳しく見ていく。

 ここでひとつ個人的に言わせてもらえば、都が尖閣諸島を購入するより前に、某架空戦記のように沖ノ鳥島施設を再整備し都職員を常駐させるべきだろう。

沖ノ鳥島爆破指令
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経済水域問題に頭を悩ます政府。話題作りのため沖ノ鳥島移住を命じられた都庁職員一家が、日本最南端の島をめぐる攻防に巻き込まれ……




また、今回の騒動で数多くみられる勘違いとして尖閣諸島が都の所有になることにより、警視庁によって警備される、というものがある。これも荒唐無稽なものだ。たとえば、自治体が東京や大阪に保有する事務所の警備ために自県の警察官を派遣しているだろうか?所有権と行政権はあくまで別個のものである。

たとえ行政権が東京都に移管されたとしても警視庁に尖閣諸島を警備する能力はない。一応、都内離島を管轄するために警視庁最大の警備艇「ふじ(視1)」と最大のヘリEH101「おおぞら一号」は長大な航続性能があるが、尖閣諸島の警備には到底無理だ(警視庁の貴重な戦力でもある)。

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警視庁警備艇「ふじ」(視1:湾岸署所属)後方は税関艇、上空は海保ヘリ
「ふじ」は海上保安庁観閲式・総合訓練の常連ゲストでもある

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警視庁航空隊EH101(AW101)「おおぞら1号」
EH101(現:AW101)の世界唯一の民間型である

 さらに、酷いものになると「都が所有することにより自衛隊の出動が可能になる」というものまである。いつから自衛隊は州兵ならぬ都軍やリアル石原軍団になったのだろうか。その根拠は都知事が災害派遣要請を出すことができる、ということらしい。しかし、現状でも沖縄県知事や第11管区海上保安本部長により災害派遣要請は出すことが可能である。いうまでもないことだが、武力侵攻に対し災害派遣で対応することなどありえない。尖閣諸島が私有地だろうと都有地だろうと、武力侵攻事態への対応、すなわち防衛出動は(法律上は)可能である。


 つまり、都が尖閣諸島を購入するからと言っても、過度な期待はできない。

 もっとも、周囲が期待しているのは実際の経済活動ではなく政治的な意味だろうし、本人も「国が出てくれば下がる」と述べている。国会議員時代から運輸相時代も含め尖閣諸島問題に関わっていることを考えれば、都政よりも長い関係とも言える。現在の政府から国有化の検討という言質をとれたのは最大の功績だろう。

「必要なら国購入も」官房長官が表明

 藤村修官房長官は17日午後の記者会見で、石原慎太郎東京都知事が沖縄県・尖閣諸島の購入に向け最終調整をしていると明らかにしたことを受け、必要な場合は国による購入もあり得るとの認識を示した。国境にある離島は国が管理すべきだが、領有権を主張する中国を刺激するのを避けたいため実効支配の強化に対策を十分にとっていなかった。政府も重い腰を上げざるをえない状況となった。




 一方で、こうした政治的注目により高まるリスクもある。

 日本政府は以前より尖閣諸島は明確に日本固有の領土であり、領土問題そのものが存在しないとしてきた。あくまで、中国や台湾の一方的な言いがかりである、と。しかし、今回の都知事の騒動が日本国内だけでなく海外からも注目されることにより、国際社会から「尖閣」=日中間の領土問題と認識される危険性がある。特に今回の最初の発言はワシントンで飛び出したためニュースはすぐさま各国に配信されることになった。これは中国にとっては有利な展開だ。

 今後、尖閣購入資金の募金は国民的な運動に発展する可能性もある。一方でそのように大きな運動となり国際メディアで報じられることは何も日本にとって有利になることばかりではないのだ。

 今回、中国政府が抑制的な反応なのはそうした側面があるのだろう。もちろん、南シナ海の火種を抱えた状態で二面作戦はとれないということもある(現在も海監とフィリピン海軍・PCG艦船がにらみ合いを続けている)。さらに、中国が冷静な態度で話し合いを求める姿勢を続ければ、領土問題で日本が一方的に強硬姿勢を貫いているという(中国の思惑通りの)印象を与えることも可能だ。日本にとっては、尖閣諸島が領有権問題と認識され話し合うべきだと求められた時点で、「負け」なのである。

 尖閣諸島が明確に日本の土地であるならば、淡々と私有され続け、売買も行われるべきなのだ。それこそ中国人や中国資本が尖閣諸島を購入したとしても日本の固有の領土であることに変わりはない。日本の不動産手続きを認めることはすなわち行政権と領有権を認めることになる。中国人の土地であろうと日本国内である以上、そこに行くには正規の入国手続きが必要だ。過去には、尖閣諸島を所有する地主に中国人投資家が購入を持ちかけた、等という話もあるが、実現していたらある意味面白いことになっていただろう。

 もっとも自民党はそうした売買や外国人私有を制限する法案を出してきている。

国境離島保全へ強制収用法=自民

 自民党は26日、沖縄県の尖閣諸島など国境の無人島を外国人が買い取るなどした場合、国が強制的に収用できるとした法案をまとめた。各党に協力を呼び掛け、今国会提出を目指す。
 法案では、国が国境の無人島を管理する必要があると判断した場合、買い取りや借り上げなどの措置を講じると規定。特に管理強化が必要な場合は、土地収用法に基づいて強制取得できるとした。また、国が島の管理に関する基本方針を策定し、島に標識を設置することも定めている。

既に、所有者のいない無人島は国有財産として海上保安庁の管理下にある。

離島23カ所を国有財産化 尖閣周辺は対象外 中国の反発になお弱腰

 政府が日本の排他的経済水域(EEZ)の基点となる離島23カ所を国有財産化していたことが6日、分かった。国有財産法に基づき昨年8月、南西諸島などに位置する離島を海上保安庁の「国有財産台帳」に登録した。

 民法では所有者のいない不動産は国庫に帰属すると定められている。政府は23カ所の島の不動産登記などを調べたが、いずれも所有者が存在せず、国庫に属していることが確認された。

 国有財産化にあたり、海上保安庁を管理者とし、海保が業務に用いる「公用財産」として登録。波による浸食や他国の侵害に海保が責任を負うことも鮮明にした。



今回、都が尖閣諸島を購入したあと所有権を放棄すれば、政府がわざわざ購入の意思表明などしなくとも国有財産法に基づき海保の「業務」に用いられる財産となったはずだ。2005年には、日本青年社が所有者の許可を得て魚釣島に設置した灯台が、所有権放棄により海保の設備となっている。この灯台こそ、都知事が外務省の横槍で海保作成の海図に記載できなかったと何度も口にしていた灯台であった。

尖閣諸島「魚釣島灯台」の管理開始

 平成17年2月、海上保安庁は、航路標識法に基づく所管航路標識として、「魚釣島灯台」の管理を開始しました。
 魚釣島灯台は、昭和63年に日本の政治団体が設置したものですが、これを所有していた漁業者から所有権放棄の意思が示されたため、民法の規定により、国庫帰属財産となりました。
 魚釣島灯台の取り扱いについては、長年、付近海域での漁ろう活動や船舶の航行安全に限定的とはいえ寄与している実績等を踏まえ、政府全体の判断として、その機能を引き続き維持することとなり、必要な知識、能力を有する海上保安庁が保守・管理を行うこととなりました。

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尖閣諸島灯台を国家に移譲!!

 そもそも尖閣諸島の灯台は海上保安庁の指導を受けて完成し、魚釣島漁場灯台の名称も海上保安庁が命名したのですが、私どもが再々提出した灯台の管理許可申請に対して政府は「対外的な問題が介在しているので暫く猶予期間が欲しい」「現在関係官庁と検討中、結論を延期したい」などの理由で今日まで許可申請は保留にされてきました。





 だが、尖閣諸島が今後、都の所有になり、さらには国有地となるとしても、重要な問題が放置されている。


 海上保安庁法改正案だ。

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tag : 尖閣諸島 購入 石原都知事

2012-05-04 : 尖閣諸島問題 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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4年前の悪夢再び、海監50が尖閣諸島領海へ侵入

海上保安庁測量船への妨害を繰り返し行ってきた海監がついに、尖閣諸島周辺にまで現れた。
そして、4年前の領海侵入事案をなぞるかのように、領海内へと入った。

中国監視船、尖閣で一時領海侵入 付近「巡視」公表

 第11管区海上保安本部(那覇)によると、16日午前6時ごろ、尖閣諸島・久場島から北東約40キロの日本の接続水域内で、中国船「海監50」「海監66」の2隻が南南西に向けて航行しているのを、同本部の巡視船が発見した。無線による警告に「中国の領土だ」と応答している。同本部によると中国船は一時、日本の領海内に侵入した。

 一方、中国国営の新華社通信によると、中国国家海洋局は16日、海洋監視船2隻が尖閣諸島近くの海域に同日早朝に到着し、巡視活動を始めたと発表した。尖閣付近での巡視をただちに公表するのは極めて異例。

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日本の接続水域内を航行する中国船「海監50」。奥は海保の巡視船
(16日午前、沖縄県・尖閣諸島久場島の東南東約27キロ)=第11管区海上保安本部提供・共同

その2隻は、新鋭監視船として合同パトロールでも宣伝されていた海監50および66だった。

関連エントリ:中国の尖閣「棚上げ」の裏で進む、海事機関の「尖閣海域常態化」

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「中国海監B-7115」ヘリコプター、「中国海監50号」、「中国海監66号」による編隊は
(2011年12月)16日、舟山から出発し、東中国海で初の海空合同巡視活動を実施しました。


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日本の接続水域内を航行する中国船「海監50」(上)と「海監66」=
16日午前7時40分、沖縄県・尖閣諸島久場島の東南東約27キロ(第11管区海上保安本部提供)

海監66はそれだけでなく海保測量船妨害も行っている。あの時の妨害は、単に測量の妨害というだけでなく海保の行動について「慣熟訓練」を行っていたのかもしれない。

関連エントリ:東シナ海波高し、地震計設置まで妨害する中国海監
日本側海域における海監の行動が本格化?繰り返し海保測量船を妨害

前回は9時間も海保に追われつつ居座ったが、今回は25分。

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前回(2008年)の領海侵犯事案。この時は9時間も領海内に居座っていた。

まるで、「領海内に侵入した」という事実だけが欲しいかのような態度。
さらには、現場海域に到着すると即座に任務を公表し大々的に報じるなど明らかに「仕組まれた」ものだった。

尖閣付近の巡視を開始…中国海洋局、異例の発表

中国国家海洋局は16日、同局所属の巡視船「海監50」と「海監66」の2隻が同日早朝に沖縄・尖閣諸島(中国名・釣魚島)付近の海域に到着し、巡視活動を開始したと発表した。

 同局によると、2隻は日本の海上保安庁の巡視船の追跡を受けているという。同局が尖閣付近での巡視活動を開始直後に明らかにすることは異例だ。

 同局は巡視活動について「釣魚島の主権問題についての中国政府の一貫した姿勢を示している」と主張。今後とも定期的に巡視活動を行い、日本をけん制する考えを示唆した。



また、海保は警告表示に電光掲示板(ライトメール)を以前より使用しているが、「漁政」と同様に「海監」もそれを導入したようだ。今回はご丁寧に日本語表示を行っていたという。

尖閣沖に中国船 「魚釣島などは中国領土」と電光表示

 巡視船が所属などを明らかにしたうえで、航行目的を無線で尋ねたところ、中国船は「巡航任務を行っている。魚釣島を含む、その他の島は中国の領土である」と回答。同じ趣旨を船上の電光表示板で中国語、英語、日本語で表示している。中国船が日本語で表示するのは珍しいという。

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中国船「海監」2隻、尖閣周辺の接続水域外へ

 16日午前、沖縄県石垣市の尖閣諸島周辺の接続水域(日本領海の外側22キロ)内を航行していた中国国家海洋局の所属船「海監50」と「海監66」の2隻は午後2時半頃、同水域外に出た。


その後、「白樺」ガス田(中国名:春暁)に他の海監とともに集結し合同訓練も行ったという。

日本領海侵犯の巡視船、今日はガス田「白樺」周辺で合同訓練

沖縄・尖閣諸島沖の日本の領海に16日に侵入した中国国家海洋局所属の巡視船「海監50」と
「海監66」の2隻は17日、東シナ海のガス田「白樺」(中国名・春暁)と「平湖」の周辺に移動して他の巡視船4隻と
合流し、巡視ヘリも加わった海空合同訓練を実施した。

 中国国営新華社通信が伝えた。

 日中関係筋によると、巡視船6隻が集結し、東シナ海のガス田周辺で演習を行うのは異例。



今回の「侵入」作戦はかなり練られたものだったのだろう。

海監50就役以降の、合同パトロール宣伝、海監と海軍との協力発表、海保測量船への妨害、日本側の命名への対抗措置、中国版「海保」構想の発表。これらが一連の作戦の下で実行されていたことがわかる。尖閣衝突事件以降、海保への対処や海洋権益のアピールを「漁政」に任せていた中国が、再び「海監」をその、メインプレーヤーへと返り咲かせようとしているのは明らかだった。

中国、世論にらみ強硬姿勢 尖閣付近領海に監視船

 中国の海洋監視船が尖閣諸島周辺を巡航するのは2008年12月以来。中国側が強硬姿勢を示した直接的な背景には、今年に入ってからの尖閣諸島周辺の無人島命名を巡る日中間の応酬がある。中国のインターネットでは「政府は日本の勝手な振る舞いを許すな」などの書き込みが相次いだ。

 海洋局は今回、監視活動の開始をすぐにホームページで公表。異例の対応は国内世論対策の一環とみられる。国営新華社も船上の電光掲示板に「我が隊は現在、釣魚島にいる」と映した海洋監視船の写真を公開した。

 中国が派遣した海洋監視船は「海監50」「海監66」でいずれも11年に就役した最新型だ。中でも海監50はヘリコプターを搭載でき、中国保有の海洋監視船でも最大級だ。

 これまでも尖閣諸島周辺では、中国農業省漁政局に所属する漁業監視船がたびたび航行。海上保安庁の巡視船が警告を発して追い返していた。ただ、今回は中国軍の影響力が及ぶとされる海洋局所属の海洋監視船。日本政府は警戒態勢を強め、首相官邸内の危機管理センターに連絡室を設置して情報収集に当たった。

 今回、海洋監視船は尖閣諸島周辺の日本の接続水域内を航行し、一時的に領海内にも入った。接続水域とは領海の外側約22キロの範囲を指す。国連海洋法条約上は公海ではあるが、領海内への侵入や領海内での法令違反の防止を目的とした措置を取ることができると規定されている。

 日中両政府は昨年12月に海上安全保障を巡る定期協議の開始で合意。玄葉光一郎外相は海洋分野の協力により「海洋関連機関同士の信頼醸成を進めている」と強調している。

 ただ、中国では海洋進出を積極化すべきだとの声がますます強まっている。中国軍の羅援少将は6日、日本経済新聞などの取材に対し、海洋権益保護のために軽武装で領海警備に当たる「海岸警備隊」を創設すべきだとの考えを表明した。

 今回の海洋監視船派遣には、こうした海岸警備隊創設を狙う勢力によるアピールの意図もありそうだ。

中国船の領海侵入 「戦略継続の意思表示」“筋書き通り”の展開か

 海保幹部によると、「海洋調査船は国家の何らかの意図が働いて行動しているのは間違いない。侵入は偶発的ではない」と指摘する。海監は、海底地形の測量や領海警備まで行い中国の海洋権益を守る立場であるため、昨年8月に同じく領海に侵入した漁業監視船とは意味合いが異なる。中国中央テレビが昼のトップニュースで伝えるなど、中国側の反応も早く、“筋書き通り”の展開との見方もある。一方、別の海保関係者は、「中国版海上保安庁」の創設構想が中国内で浮上する中、以前からある機関が組織防衛のアピールで行動したのではないかとの声も聞かれた。


背景には「中国版海上保安庁・沿岸警備隊」(海岸警衛隊)構想があるという。その主導権を握るために海監が海洋警備組織としての存在感をアピールしたというのだ。

そして、当然このような事態を日本側も予期しておかなければならなかった。

領海一時侵入、外務次官が中国大使に抗議

 佐々江賢一郎外務次官は16日、中国政府の船が沖縄県・尖閣諸島付近の日本領海に一時侵入した問題で、中国の程永華(チョンヨンフア)駐日大使を外務省に呼び、「非常に深刻で容認できない」と抗議した。

 大使は尖閣諸島を中国領とする中国政府の立場を説明した。


佐々江外務次官、中国大使に抗議=尖閣周辺の領海侵犯

 玄葉氏は今回の領海侵犯について「どうも意図的だと思われる。二度とそういうことがないように私の立場からも厳重に伝えていかなければならない」と述べた。


「定期巡視活動」と反論=尖閣周辺の領海侵犯-中国

中国外務省の劉為民報道局参事官は16日の定例記者会見で、沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)周辺で中国の海洋調査船が日本領海内に入ったとの日本側発表について、「正しくない」との認識を示し、「正常かつ定期的な巡視活動だ」と反論した。

しかし、いつも通りの抗議に終始し、中国側に軽くあしらわれている有様。

それだけではない。その数日後には、民主党の輿石幹事長率いる訪中団と鳩山元首相が別々に中国を訪問。習近平副主席と会談した。

輿石氏ら民主党訪中団が北京へ出発 習副主席と会談へ

 民主党の輿石東幹事長を団長とする同党訪中団は23日午前、日本航空機で羽田空港を出発した。午後に北京に到着。次期最高指導者に内定している習近平国家副主席と人民大会堂で会談し、日中国交正常化40年に合わせ日中党間交流の拡大などをテーマに話し合う。

 今回の民主党訪中団派遣は、平成18年に当時の小沢一郎代表に立ち上げた両党定期交流事業「日中交流協議機構」として行われ、輿石氏や樽床伸二幹事長代行、仙谷由人政調会長代行ら計10人の党幹部が参加している。25日に帰国する。へ

今回の件に触れるかと思いきや、それどころかガス田共同開発交渉再開について「お願い」したのだという。

ガス田共同開発の交渉再開要請 中国・習氏に民主幹事長

 民主党の輿石東幹事長は23日、中国を訪問し、北京の人民大会堂で習近平(シー・チンピン)国家副主席と約50分間会談した。輿石氏は、東シナ海のガス田の共同開発をめぐる条約締結交渉の早期再開や、原発事故後の日本産食品に対する輸入規制の緩和を要請したが、習氏は明確な回答をしなかった。

 日本側出席者によると、輿石氏はガス田交渉について「中断して1年半。尽力をお願いしたい」と早期開催を求めた。習氏は「事務レベルで引き続き協議し、条件づくりをしていかなければならない」と語った。


抗議どころか、わざわざ頭を下げに行ったのだ。訪問先でわざわざ険悪なムードにする必要はないとはいえ、これが民主党外交の現実である。

彼らが、中国に媚び諂っている一方で、海保と海監は文字通りにらみ合い戦っていた。
日本では全く報じられていない「戦い」の様子を、中国メディアは記事にしている。

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tag : 東シナ海 尖閣諸島 領海警備 ガス田 共同開発 海監 海上保安庁 巡視船

2012-05-04 : 未分類 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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日本側海域における海監の行動が本格化?繰り返し海保測量船を妨害

今回の海監はしつこい。

こう数日おきに現われては中止要求を繰り返すのは初めてのことだ。

海保調査に再び中止要求=中国政府船、日本のEEZで-沖縄

 28日午後7時45分ごろ、沖縄・久米島から北西約140キロの日本の排他的経済水域(EEZ)で、海洋調査を行っていた海上保安庁の測量船「昭洋」と「拓洋」に中国政府船「海監66」が接近し、調査の中止を要求した。中国側から同様の要求があったのは今月19日に続いて今年2回目で、通算4回目となった。

どうしても、海保による調査活動を辞めさせたい事情があるのだろう。

しかも、今回姿を現した海監の1隻は海保にとって屈辱的な存在でもある。

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 海上保安庁海洋調査課によると、海監66は約10分間、日本の測量船に無線で「あなたたちが調査しているのは中国の水域だ。調査を中止せよ」と繰り返し伝えた後、約800メートルまで接近した。別の中国政府船「海監46」も付近で確認された。

「海監46」は同51とともに2009年に尖閣諸島の領海内に侵入。海保巡視船が追跡した船である。

◆中国海洋調査船「海監46号、海監51号」による尖閣諸島領海内侵入事案(平成20年12月8日)(海上保安レポート2010年版)

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関連エントリ:領海侵犯した中国船はただの調査船ではない -中国の沿岸警備組織・海監総隊-



当時の日本メディアはこの2隻の「海監」を監視船ではなく「調査船」であると報じ(実際に海洋調査装備もあるが)、ほとんど脅威とは捉えていなかった。中国側が「監視船による法執行」と報じているにもかかわらずである。

それが今やこの状況だ。

巡視船で海監を追跡し退去を呼びかけていた海保が、今度は(測量船だが)追われる立場となった。

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tag : 海上保安庁 測量船 中国 海監 尖閣諸島 東シナ海 EEZ

2012-03-03 : 海上保安庁 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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海上保安庁に陸上警察権が付与される意味

海保の警察権強化へ 立ち入り検査せず退去命令

 沖縄県・尖閣諸島付近で2010年9月、海上保安庁の巡視船に中国漁船が衝突した事件などを受け、領海の海上警察権を強化する外国船舶航行法と海上保安庁法の改正案が14日、判明した。正当な理由なく領海で停泊、周回する外国船に対し、海上保安庁が立ち入り検査を省略して退去を命令できる権限を明記。違反者は懲役1年以下か罰金50万円以下とする。遠方の無人離島での不法侵入や破壊行為には、警察官に代わって海上保安官らに捜査権を与える規定も盛り込んだ。

 現行の外国船舶航行法は、天候悪化といった理由がないのに領海内で停泊、周回する行為を禁じているが、立ち入り検査で理由を確かめないと退去を命じられない。

 しかし荒天時や大量の船が押し寄せるようなケースでは立ち入り検査が困難なため、船の外観や乗組員の行動から違反と判断すれば、検査なしで停泊の中止などを勧告できる仕組みを新設。従わない船には退去を命じ、船長らには罰則を科す。

 海保による任意の「質問権」の対象は乗組員と乗客に限られているが、過激な環境保護団体による妨害行為、密輸事件の陸上での見張りなどを念頭に、船の所有者や借用人ら陸上の関係者からの事情聴取を可能にする。

 海保は内部規則も見直し、放水銃など新型機材の使用規則を定め、積極的に使用できる環境を整える。

近頃、「海上保安庁の警察権強化」という言葉が再び世間をにぎわせている。どうやら海上保安庁の改正案がいよいよ閣議決定を経て国会に提出されるらしい。この「強化」が検討されたのは言うまでもなく尖閣諸島での漁船衝突事故がきっかけだ。

海保法改正案を閣議決定

 政府は28日、海上保安官が海上だけでなく本土から遠い無人島など一部陸上でも捜査、逮捕権を行使できる規定などを盛り込んだ海上保安庁法改正案を閣議決定した。犯罪に対処する保安官の権限を見直し、沖縄・尖閣諸島など国境付近の離島における外国人の不法上陸などにも迅速に対応できるようにする。



この「警察権強化」問題については旧ブログ時代から取り扱っており、「権限強化」には程遠い実効性の薄さと問題点について指摘してきた。

関連エントリ:優れた戦略は銃撃を回避し紛争を防ぐ
具体性のない海上保安庁法見直し議論
知らないのは時事なのか馬渕大臣なのか・・・。
鳴り物入りではじまった「海上警察権見直し」の正体
目新しさの無い「領海警備」「海上警察権」の強化

すなわち、検査なしでの退去命令は海上警察権の強化どころか放棄にも繋がりかねないし、陸上での捜査権は既存の庁法でも可能な部分が大きかった。

そうしたこともあってか、海上保安庁が行った「海上警察権のあり方について(中間とりまとめ)」では、事案発生前の「退去命令」よりも事案発生後の「停船のための強制手段」のほうが重点的に検討されていた。

関連エントリ:問題となっているのは「武器の使用」ではなく「体当たり」での停船措置か?
(海保巡視船に装備されたLRADについて):とある海保の超音波砲

また、将来を見据えた体制整備として装備の強化がうたわれていた。・・・が、現在建造中の「しきしま」級増強のみならず、それに準じた新型の整備やジェット機の増強など、今までの海保の整備状況から考えると現実感・実現性の極めて乏しい内容だった。いわば、政治主導ではじまった「海上警察権の見直し」への海保の姿勢がよく現われているといえた。

関連エントリ:新「しきしま」級に続き、準「しきしま」級・新型ジェット機増強へ

ところが先月末より、再び「海保の警察権強化」という言葉がニュースをにぎわせたのである。その内容は、海上保安官が陸上での犯罪に対応して逮捕が可能となるという海上保安庁法改正案だった。

離島でも海保に逮捕権=不法上陸に対応-国交省

 海上保安官に与えられている現在の海上警察権は、陸上での犯罪行為には適用されない。そのため、2004年に尖閣諸島に中国人活動家が不法上陸した事件では、警察官がヘリコプターで現場に到着するまで海上保安官は活動家を逮捕できない事態が発生するなど、離島での警察権行使が課題となっていた。
 改正案では、遠方の離島で外国人による不法上陸などの犯罪行為があった場合、海上保安官が警察官と同様に容疑者を捜査したり逮捕したりできる規定を新設する。

これについて日本国内では期待する人たちがいる一方、中国では警戒する声が聞かれる。

日本が『海上保安庁法』改正でわが国に攻勢(1)=中国

中国外交学院の周永生教授は、尖閣諸島とその周辺の島に名称を付けるなど、このような行為はいずれも日本が尖閣諸島の占領を進めていることを示すと語った。中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。以下は同記事より。

 日中関係史学会の高海寛常務理事は、「日本は現在、一歩前進するごとに砦を設けている状態といえる。まず尖閣諸島とその周辺の島に名称を付け、今回は法を改正し、その目的は中国との争いでもっと有利になることだ」と述べた。

 あるオブザーバーは、日本が法改正を進めるもっと大きな目的は、日本国民の感情を落ち着かせることだと見ている。

 一方、周永生教授は、「日本は常に法律を政策の原則としており、政策を変更する前に法律をまず改正する」と、上述の見方に反対した。

ただ、中国内でも国民感情対策という冷めた見方はあるようだ。



・・・ところで
「日本は常に法律を政策の原則としており、政策を変更する前に法律をまず改正する」
とあるが、これって法治国家ならあたり前のことじゃないの?

わざわざそんなことまで説明しなきゃならんとは、さすが中国。



しかし、大方は日本が「棚上げ」という政策から強硬姿勢へと大きく変更したと考えている。

日本が『海上保安庁法』改正でわが国に攻勢(2)=中国

 高海寛氏も、このような法改正にはやはり本質的な意味があり、日本の海上保安庁は今後、島に上陸して捜査や逮捕する際に「法に則った行為だ」と主張するだろうとした上で、「中国は日本のこのような行動を軽く見てはいけない。日本が尖閣諸島問題において行動を頻繁に起こしても中国が報復措置をとらなければ、既成事実が作られ、日本の都合のよい方向に持っていかれる」と強調した。

 日本メディアの20日の報道によると、海上保安庁の測量船が19日午後に尖閣諸島の周辺海域で海洋調査をしていたところ、中国の海洋監視船から警告を受け、調査を停止するよう要求された。中国外交部は直ちに反応を示し、中国の東シナ海問題における立場を再度表明した。

 日本の船舶による尖閣諸島周辺での活動に対し、中国外交部はこれまで何度も態度を表明し、「尖閣諸島および周辺の諸島は古くから中国固有の領土であり、中国は争う余地のない主権を有している。日本政府が尖閣諸島周辺で行ういかなる措置も違法で無効である」と主張してきた。

 周永生教授は、「尖閣諸島問題における日本の強硬な行動に対し、中国は手加減してはいけない」と強調した。

記事では、中国の専門家二人がそれぞれに「報復」と「手加減しない対応」を強く求めている。まるで日本が軍事侵攻でもしそうなほどの勢いだ。中国側が「懲罰戦争」でもしなければ収まりがつかなくなるのだろうか。



ちなみに、中国網日本語版の元記事では参考写真が間違っている。

釣魚島も対象 日本が『海上保安庁法』改正で中国に攻勢

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資料写真:海上保安庁の測量船「昭洋」


この写真の測量船はHL05「海洋」(総トン数:550トン)である。九州南西海域工作船事件では同船のサイドスキャンソナーが海底に沈む工作船を発見、また、日本海測量問題の時には同型船「天洋」とともに韓国海洋警察庁との衝突が予想される海域での強行測量に備えていたこともある。

しかし、今回中国側の妨害に屈せず測量を行ったのはこの船ではない。というか資料写真ではなく海監機が上空から「昭洋」を捉えた写真が公表されているのだからそれを使えばいいはずだ。

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関連エントリ:東シナ海波高し、地震計設置まで妨害する中国海監





では今回の海上保安庁法改正、特に海上保安官への陸上警察権(捜査権限)付与は、中国側が危惧し警戒するほどに大きなものなのだろうか?


そうであるともいえるし、そうでないともいえる。


海上保安庁・海上保安官の権限は今までに比べてそこまで大きくなるわけではないのだ。

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tag : 海上保安庁 尖閣諸島 中国 陸上警察権 測量船 国境警備隊 入国管理局

2012-03-03 : 海上保安庁 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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