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海巡01がLRAD搭載。中国海事局も海洋権益確保へ

今日、ついに日中間の海洋危機管理メカニズム構築を目指した「日中高級事務レベル海洋協議」が開催される。

日中海洋協議、16日に初会合 不測の事態に備え

 日中両政府は16日、東シナ海などでの不測の事態に備え、日ごろから意見交換する枠組みとなる「日中高級事務レベル海洋協議」の初会合を中国浙江省杭州で開く。事故発生時の対応や海難救助について話し合う。

 先の日中首脳会談が見送られるなど両国間でぎくしゃくした事態が相次ぐなかでの開催。中国外務省の洪磊副報道局長は15日の記者会見で「両国の海洋当局が円滑に意思疎通できるプラットフォームになることを希望する」と語った。

「不測の事態」「事故対応」「海難救助」とオブラートに包まれた言い回しをしているが、要は「衝突時」の対応と連絡体制の確立である。この「衝突」は尖閣諸島沖の漁船衝突のような文字通りの「衝突」だけを指しているのではない。両国が一番懸念しているのは、あの漁船衝突のような双方にとって予期していなかった事態が緊張関係を生み出し、双方の海上警備機関が睨みあい、行き違いによって「武力衝突」のような状況に陥ることだろう。

 日中間で初めての枠組みとして報じられているが、連絡体制そのものは以前にも試みられている。しかし、そのいずれもが事前通報制度のように形骸化しているのが現実だ。

海上保安庁と中国国家海洋局の話し合いについて

平成19年7月20日

この話し合いは、これまでの東シナ海等に関する日中協議において、東シナ海における不測の事態に備えた連絡メカニズムについて、各々のカウンターパートを照合しつつ政府全体の連絡体制を充実させる第一歩として、海上保安庁と中国国家海洋局との間で話し合いを行っていくこととなったことを踏まえて行われたものである。今次話し合いにおいては、互いの所掌事務等についての説明等を行うことで、相互の理解を深めることができた。

関連エントリ:中国海監総隊と東南アジア各国海軍の増強レース
中国の尖閣「棚上げ」の裏で進む、海事機関の「尖閣海域常態化」

 今回のメカニズムの構築自体は中国からの提案もあって実現したのだが、いざ始まってみると案の定中国側は乗り気ではなかったようだ。

「海」めぐる信頼構築へ=関係緊張の中、尖閣も議論か-16日に初協議・日中

 日中関係筋は「中国はひっそりやりたい意向だ」と語り、中国側は主権問題での譲歩に反発する国内世論にも神経をとがらせており、海洋協議自体の継続を危ぶむ見方もある。
 同協議は2010年の中国漁船衝突事件で両国関係が悪化したことを受け、昨年12月の日中首脳会談の際に創設で合意。今月13日の野田首相と温家宝首相との会談でも「海洋関係機関間の信頼醸成に期待する」ことを確認した。
 同全体協議は局次長級で年2回開催される予定。日本側は山野内勘二外務省アジア大洋州局参事官、中国側は易先良外務省国境・海洋事務局副局長ら双方の海洋関係機関幹部らが出席する。


さらに中国側は国内メディアで出席者や内容などを一切報道しないつもりのようだ。

日中、不測の事態に備え初の「海洋協議」

 日本側は、外務省の山之内勘二アジア大洋州局参事官を中心に防衛省や、海上保安庁などの担当者が出席した。中国側も外務省、国防省、国家海洋局などから担当者が出席したとみられるが、中国側は出席者や協議内容など「非公開」として警戒感ものぞかせた。


日本側は「話し合い」「信頼醸成」と考えているのだろうが、中国にとってはそうではない。これは「戦い」であり、協議以前から「開戦」していたようだ。

尖閣諸島巡り日中首脳が応酬

中国が領有権を主張している沖縄の尖閣諸島について、東京都の石原知事が購入する意向を表明してから初めての日中首脳会談が行われ、温家宝首相は、中国の核心的利益と重大な関心事項を尊重するよう求め、日本側をけん制しました。
これに対し、野田総理大臣は尖閣諸島周辺での中国の海洋活動を批判し、日中間で応酬となりました。

この「確信的利益」という表現は「チベット」や「台湾」のように、「血を流してでも」譲れない権益を指している。つまり尖閣諸島を(警察力も含めた)武力を持って制圧すると示唆しているといってもいい。

温首相尖閣発言 「核心的利益」は穏やかでない(5月16日付・読売社説)

 「核心的利益」とは中国が絶対に譲歩できない国家主権や領土保全などに用いる言葉だ。これまで台湾やチベット、ウイグルなどに使ってきたが、近年は南シナ海にも使用しているとされる。

 中国政府は、この表現を尖閣諸島に公式に使った例はない。だが、今年1月、共産党機関紙「人民日報」が、初めて使用した。
 温首相の今回の発言は、「核心的利益」と「重大な関心事項」をひとくくりにすることで、尖閣諸島が「核心的利益」とも読み取れるように意図したものだろう。
 尖閣諸島に関し、東京都の石原慎太郎知事の買い取り構想や日本政府による無人島命名に、中国国内で反発が広がった。そのことが念頭にあるようだ。

 海洋権益の拡大を図る中国政府が、従来以上に領有権を主張する方針を鮮明にしたと言える。

だが、実際は「重大な関心事項」と纏めたことによって、表現をぼかしていると見ることもできる。

「核心的利益」めぐり食い違い

 「核心的利益」とは、どんな代償を払っても守らなければならない決心を示すときに使われる中国の外交用語。武力行使も躊躇(ちゅうちょ)しないという意味がこめられている。チベットや台湾、新疆の独立問題を言及するときに使われてきた。

 ただ、中国には尖閣諸島を「核心的利益」と断定できない事情がある。日本が実効支配している尖閣諸島でこの言葉を使いながら、何も行動を起こさなければ「核心的な利益」の持つ迫力が弱まり、台湾やチベット問題の重要性を軽減してしまう恐れがあるからだ。


これは国内的なバランスをとるためなのかもしれないし、国民感情が必要以上に加熱し、より過激な行動を求めたり、ひいてはそれを実行しない政府に批判が向いたりするのを警戒しているのかもしれない。一方で、権力移行期の不安定な時期に国内を引き締めるために、強硬な行動に出る危険性も否定できない。


 どちらにせよ、中国は「信頼醸成」の協議を行う一方で、海洋権益確保のための実力を整備しつつある。

中国、来年36隻の海洋監視船を完成

10日付けの中国英字紙チャイナ・デーリー電子版によると、中国海監総隊の関係責任者は9日、取材に答え、2010年に建造を決めた36隻の海洋監視船が2013年に竣工する見込みで、中国の海洋権益を守る力が大幅に高まると強調した。



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tag : 海上保安庁 中国 巡視船 EEZ 領海警備 中国海事局

2012-05-16 : 各国沿岸警備隊 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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一年と2ヶ月が過ぎた被災地における海保の活動

日本を襲ったあの災害から既に1年と二カ月が経過した。被災地から離れた地に住む人々の関心は薄れ、もっぱら原発・電力問題や放射能汚染問題ばかりがメディアを賑わせている。

だが、現地では今もあきらめずに捜索を続ける人々がいた。警察と海保である。

震災不明者を一斉捜索 宮古署と海保合同で

 宮古署と宮古海上保安署などは9日、合同で震災の行方不明者の一斉捜索を行った。震災発生から1年2カ月となる11日を前に、参加者は宮古、山田両市町の海上と陸上で遺品や遺骨を捜した。
 捜索場所は陸上が同市重茂地区と同町船越地区、海上が宮古湾、同市重茂地区、船越湾。同町船越では、地元の交番所員ら計10人が海岸沿いの岸壁や沢周辺を調査したり、とび口を使って砂の中や山林を捜した。

 同日は同市重茂の砂浜や山林で骨のようなもの十数本が見つかった。人のものと分かればDNA鑑定する。

  宮古署管内では1日現在、250人が行方不明となっており、昨年9月15日に同町で発見されて以来、遺体は見つかってない。



震災不明者を宮城沿岸で集中捜索 海上保安部

 東日本大震災発生から1年2カ月となった11日、宮城海上保安部は宮城県内の沿岸で、行方不明者を約110人態勢で集中捜索した。警察庁によると、県内の行方不明者は9日現在で1581人。
 捜索には巡視船などが出動。浅瀬ではゴムボートを使うほか、ソナーで海底に車などが沈んでいないか確認した。
 石巻市十八成浜では巡視船まつしまの乗組員35人がゴムボート2隻と警備救難艇1隻で湾内を捜索。気仙沼湾などでも実施され、飛行機やヘリコプターで空からも捜した。〔共同〕


震災不明者を集中捜索 宮城沿岸、110人態勢

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ゴムボートで行方不明者を捜索する宮城海上保安部の職員
=11日午前、宮城県石巻市十八成浜


震災から1年2か月、宮城で不明者集中捜索

 11日の集中捜索は、石巻や気仙沼など県内6つの海域で110人が参加して行われた。このうち石巻市十八成浜では、海中探査用のソナーをつけたゴムボートに隊員が乗り込み、漁港付近の海中を調べた。

 8日に県が公表した死者は関連死も含めて1万162人、行方不明者は1581人となっていて、宮城海上保安部は今後も毎月11日に集中捜索を行うことにしている。(05/11 23:36)


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巡視船「まつしま」は「あの日」洋上にて津波に遭遇し、その時に撮影された映像は世界中を駆け巡った。上記写真に写っているRHIB/GB(PL126-M3)と動画の高速警備救難艇(PL126-M1)は巡視船「まつしま」搭載艇である。動画ではRHIB/GBに搭載されたソーナーの様子がよくわかる(座席の本体表示部と船首のセンサー部)。ソーナーは、以前当ブログで掲載したHDSのようだ。

関連エントリ:今年最後の大捜索、ソナーと水中ロボットROVも投入。しかし・・・

「しれとこ」型は順次更新されており残り少なくなってきた。同型に所属する「まつしま」も解役される日は近いだろう。震災不明者の捜索が最後の大仕事、奉公となるのではないだろうか。

大震災1年2か月 行方不明者の集中捜索

このうち釜石港では警察官と海上保安官あわせておよそ80人が出動式を行い、湾内には巡視船が出て、潜水士6人が深さ16メートルほどの海に向かいました。きょうは波が高く海中の視界も悪い中での捜索となりましたが潜水士たちは何とか不明者の手がかりを見つけようと潜水を繰り返しました。巡視船きたかみの宮本順之船長は「我々海上保安庁としては引き続き行方不明者をご家族の元へ早く戻したいと考え、一所懸命我々にできることを今後もずっと続けていきたい」と話していました。

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上記ニュース映像で写っているオレンジ色のボートは巡視船「くりこま」の潜水支援艇(PL06-M1)だ。同船は当直のみの停泊時に津波が襲来、そのまま流され座礁した。船底などの損傷は厳しかったが、長い修繕工事から復旧し今ではこうして捜索作業に当たっている。くりこま潜水班は本船が被災し運用不能となっても被災直後から捜索救援活動を実施していた。

巡視船「きたかみ」(PM02)は地震発生とともに緊急出港するも、釜石湾内で津波に遭遇。懸命の操船で切り抜けた。その時の緊迫した船内のやりとりも映像に残されている。同船も「まつしま」と船齢が近いため解役は、そう遠くない。

東日本大震災:釜石、大槌湾内で行方不明者を集中捜索

 釜石港で全員が海上を向いて犠牲者に黙とうをささげた後、湾内の沿岸部や河川などを陸と海から捜索した。釜石海保は巡視艇を出し、宮城海保から出向の潜水士チームも加わった。釜石市の公共ふ頭近くの海底を捜索した潜水士の小野寺真人さん(26)は「視界は約1メートルと良好とはいえないが、行方不明者をなんとか見つけ、お帰ししたいという気持ちです」と話した。捜索で、運転席がつぶれた状態の車を発見、車検証を引き上げた。

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岩手県警釜石署と釜石海上保安部により、実施された東日本大震災・行方不明者の合同集中捜索を前に、
海上に向けて黙とうをする捜索員ら=岩手県釜石市港町の釜石港官庁専用桟橋で2012年5月11日、高尾具成撮影



海保と警察の捜索活動は、震災から1年を機に各地で順次実施されている。先月、報じられている捜索活動の一部だけで以下の通りだ。

海保、県警合同で懸命の捜索 震災月命日に

釜石海上保安部と県警は東日本大震災の月命日の11日、陸前高田市などで行方不明者の集中捜索を行った。震災から1年1カ月、県内では今なお1225人が行方不明(11日現在、県警まとめ)。被災者は帰らぬ家族を切実な思いで待ち続ける。職員らは「不明者がいる限り、震災当初と変わらぬ思い」と懸命に活動したが、この日は新たな発見に至らなかった。

 海保は巡視船など4隻、35人態勢で活動。陸前高田市の広田湾ではソナーで海底を探り、車や家屋らしき物体の場所を記録しながら捜索を続けた。

 釜石海保警備救難課の阿部富二専門官は「一人でも多くを家族の元に帰したい」と思いを込めた。

 県警は宮古署42人、大船渡署35人態勢で、同市と大船渡市、宮古市、山田町で海沿いの陸地を中心に、小さな岩やがれきの裏などを丁寧に調べた。一方井文彦宮古署長は出動式で「被災者の気持ちに応えるよう、懸命に取り組んでほしい」と激励した。

 今月上旬の低気圧通過で海が荒れたことから、新たな発見も期待されたが、同日は見つからなかった。


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【写真=ソナーを使い、海底を捜索する釜石海上保安部職員
=11日、陸前高田市・広田湾】


東日本大震災:行方不明者の一斉捜索行う--南相馬・小高区 /福島

毎日新聞 2012年04月24日 地方版

 県警は23日、警戒区域解除後、初めて南相馬市小高区で、福島海上保安部も加わり、行方不明者の一斉捜索を行った。

 捜索範囲は津波被害を受けた新地町からいわき市までの沿岸部。満潮と干潮の差が大きい大潮期間中を狙い、干潮時間帯(午前11時前後)に約120人を動員した。


1年ぶり、大沢漁港周辺の海中捜索 気仙沼・唐桑

 宮城県気仙沼海上保安署などは24日、東日本大震災の行方不明者捜索の一環として、気仙沼市唐桑町の大沢漁港周辺で約1年ぶりとなる海中捜索をした。
 近くの小原木地区で6人が行方不明になっているという情報を元に、宮城海上保安部所属の巡視船「くりこま」のダイバー6人が潜水した。水温5度の海中を何度も潜り手掛かりを求めたが、この日は不明者は見つからなかった。
 潜水班長の藤田伸樹さん(37)は「まだ見つかっていない人は多くいる。物が見つかれば身元の判明にもつながるので、できる限り捜したい」と話した。25日も大沢漁港で捜索する。

2012年04月25日水曜日

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港内を捜索する宮城海上保安部のダイバーら

1年を越す月日が経っても、被災し大切な人を失った人々には何の節目にもなりはしない。しかし、そうした月日を捜索に当っていた海保にとっては一年は一つの契機となった。事実上の捜索体制の縮小である。

震災不明者捜索、全国の海保巡視船派遣は終了へ

 海上保安庁は21日、東北沿岸部で実施している東日本大震災の行方不明者捜索について、全国各地からの巡視船艇などの派遣を今月中に打ち切り、4月以降は宮城県塩釜市の第2管区海上保安本部が単独で継続すると発表した。

 海保は震災発生以降、最大で1日あたり巡視船艇54隻、航空機19機を投入して東北沿岸の1024か所を捜索。これまでに395人の遺体を収容し、うち52人を潜水捜索で発見した。今後は、2管本部の巡視船艇20隻、航空機5機程度で捜索を続けるという。

 派遣終了は、東北沿岸の全港湾で捜索を行ったことや、尖閣諸島周辺の領海警備などに船艇を振り分ける必要があることから決まった。鈴木久泰同庁長官は21日の定例記者会見で、「まだ多くの行方不明者がおり、震災対応の柱として、今後も捜索を続けていきたい」と話した。

(2012年3月21日20時17分 読売新聞)

米軍、自衛隊、消防援助隊、警察広緊隊が順次任務終了、撤収する中、全国からの派遣を長らく維持し続けた海保もようやくその体制を終了した。他の機関に比べ人員規模が小さい海保にとっては驚異的な派遣期間だったといえる。これは津波という沿岸部における大規模な災害で行方不明者の大部分が海にさらわれたと考えられている点や、地元を管轄する第二管区海上保安本部自身が深刻な被害を受け本来になうべき通常の任務を維持できなくなってしまっていたことなどが挙げられる。実際、行方不明者の捜索活動だけではなく、哨戒活動や洋上救急待機などの業務も派遣巡視船は行っていた。一方で、他の管区での任務が減ることはない。そのため潜水士や指定船の不足のほか、特に尖閣諸島などの哨戒警備活動でも支障が懸念されていた。派遣され捜索に当っている潜水士や乗員などの海上保安官には継続したいという真情も合ったかもしれない。

しかし、事実上の体制縮小である反面、これは二管が復旧しつつあるという兆しでもある。




本来、震災から1年ということで2ヶ月前にはこうしたエントリを作成してアップしておくべきだったのだが、年度末であったため叶わなかった。そこで、遅ればせながら3月までに報じられた被災地での海保の活動と、震災から10ヶ月目に準備していたエントリ内容をここに掲載する。

3・11東日本大震災から1年 あの日、あの時から-

その日、なついは定期整備中で、坂本さんは非番だった。同僚の送別会のため、待ち合わせ場所となった小名浜の庁舎に自転車で向かう途中、突如、歩道の植え込みに放り出された。一瞬、何事が起きたか理解できなかった。顔をあげると道路がうねり、電柱や建物が大きく揺れている。近くのカラオケ店から女性が飛び出し、恐怖におびえ泣き出した。
最悪の事態を考え、急いで巡視船へ。息を切らして船に着くと、近くの庁舎から避難を呼び掛ける声が聞こえた。「津波が来てる。退避しろ!」。急いで庁舎に駆け上った。
 長く苦しい闘いが幕を開けた。人命救助に乗り出そうとするが、沿岸は漂流物や海底に異状物があるために船が近寄れず、事前に陸上から踏査をしなければならない。坂本さんは志願した。地元出身で地の利がある、ぜひやらせてほしい――。
想像を絶する光景が広がる中、がれきの山をかき分ける。先に到着した自衛隊が、泥にまみれ息を引き取った犠牲者の顔を優しくふき取る。壮絶な現場。多くの遺体と向き合った。そして東京電力福島第一原子力発電所事故。目に見えない恐怖と闘いながら、1週間、2週間、そして1カ月と現地を踏査し、仲間に貴重な情報を伝え続けた。海保の活動の裏には、坂本さんたちの努力があった。




東日本大震災から11カ月 不明者いまだ3300人

 東日本大震災は11日で発生から11カ月。連日氷点下に冷え込む被災地で、警察や海保などは懸命な捜索活動を続けているが、10日時点で行方不明者は、岩手、宮城、福島など6県でなお3305人に上る。

震災11か月 不明者捜索続く

捜索に先だって、津波で警察官が殉職した陸前高田市の交番の跡で黙とうし、このあと警察官が砂浜や河口付近の茂みなど、目の行き届きにくいところに手がかりになるものがないか捜していました。
また、海上保安部は巡視艇や小型のボートを出して、海上からの捜索にあたり、午後からはダイバーが水中に潜って捜索を行うことにしています。
岩手県警察本部によりますと、県内では10日現在で1316人の行方が分かっていません。



岩手沿岸で行方不明者を合同捜索 県警と釜石海保

 捜索には鹿児島と横浜から応援に来ている巡視船2隻が出動し、海保の潜水士や大船渡署の警察官ら約90人が参加。警察官は陸前高田市から大船渡市にかけ海岸線を中心に徒歩で不明者を捜し、潜水士らは沈んだ車両など海中を中心に捜索したが、遺体は見つからなかった。

 釜石海保によると、震災の発生から1月末までに、延べ608回の潜水活動を実施。全国からの応援を含む延べ3702人の潜水士らが活動し、130人の行方不明者を発見した。

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 海中を捜索する海上保安庁の潜水士=11日午後、岩手県大船渡市

震災2遺体発見 大船渡と釜石で

 大船渡市と釜石市で9日にかけ、東日本大震災の行方不明者とみられる遺体2体が相次いで見つかった。県警が身元の特定を急ぐ。

 釜石海上保安部によると、大船渡市の大船渡港で8日午後、海上保安庁潜水士が海底に沈んでいた車の中に遺体を発見。9日午後に車を引き揚げ、遺体を大船渡署に引き渡した。

 車は大船渡魚市場の北約140メートルの、水深約2メートルの海底に沈んでいた。遺体は後部座席に横になった状態だった。成人とみられるが性別は見分けがつかず、着衣はぼろぼろの状態だった。10日以降に司法解剖を行う。



【震災】今も3200人不明 大川小周辺で大規模捜索

 捜索は、警察や海上保安部など合わせて200人態勢で行われています。宮城・岩手・福島の被災3県では、現在も3200人余りが行方不明です。児童の7割が犠牲となった大川小学校の近くでは、約100人がせき止めた川の底に堆積した泥をかき分けるなどして捜索にあたっています。捜索態勢は半年を節目に縮小していて、20日の捜索は大川小の保護者の要望を受けて実現しました。


東日本大震災:岩手・釜石市の要請で4機関一斉捜索

 東日本大震災1年を前に20日、岩手県釜石市で行方不明者の一斉捜索が始まった。「一人でも多く家族の元に」と市が海保、港湾事務所、警察、消防に要請し、初めて4者による150人体制の合同捜索となった。29日まで続けられる。

 同市港町であった開始式で野田武則市長は「行方がわからない人も多くいる。家族の期待に応えたい」と述べ、海保の潜水士が水温3度の海中に潜った。同市では現在も159人の行方が分からない。



釜石港中心に集中捜索

東日本大震災発生1年を前に、釜石海上保安部は20日、釜石市内で行方不明者の集中捜索を始めた。

 海保職員らが同市港町の公共埠頭(ふとう)で黙とうした後、ダイバー7人が釜石港の魚市場周辺の海中を捜索。同港は漁船や貨物船の往来が多いため、海保はこれまで市内のほかの港や海岸での捜索を優先していた。捜索は今月末まで、釜石港を中心に行われる予定。

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釜石港内で行方不明者の捜索をする海上保安官ら(20日)

「3.11」を前に 釜石で行方不明者の一斉捜索

 一斉捜索は釜石海上保安部、釜石署、国土交通省釜石港湾事務所、釜石大槌地区消防本部、釜石市の5機関、計約150人態勢で行う。釜石港公共埠頭(ふとう)であった開始式で、野田武則市長は「市の行方不明者は、いまだ159人に上る。家族の期待に応えてほしい」とあいさつした。
 初日は、これまで捜索していない釜石港公共埠頭北側の海底を中心に実施。釜石海保と応援の横浜海保の巡視船など4隻とヘリコプターが出動し、潜水士7人が海に潜った。横浜海保の潜水士坂上悠さん(25)は「一人でも多く家族の元に返せるよう、一生懸命頑張る」と話した。


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行方不明者を捜索する潜水士ら=20日午前9時45分ごろ、釜石港

写真に写されている高速警備救難艇は巡視船「いず」(PL31)搭載のものだ。おそらく震災発生一年を前に海保としては総力を挙げて捜索活動を行ったのだろう。「いず」は3管所属の災害対応型巡視船であると同時に、最大の救難強化指定船でもある。

こうした捜索活動の結果、ふたたび遺体発見に至った。

震災犠牲者か、海底に遺体 大槌・船越湾

 23日午後2時40分ごろ、大槌町の船越湾の水深約13メートルの海底で、海保の潜水士が遺体を発見し、釜石署に引き渡した。同署は東日本大震災の行方不明者の可能性もあるとみて身元の特定を急ぐ。

もちろんこうした活動を行ったのは「いず」だけではない。下の記事からは鳥羽海保の「いすず」が派遣されていたことが分かる。

【釜石】不明者発見へ懸命に 一斉捜索が終了

 東日本大震災発生から丸1年を迎えるに当たって大規模に行われた釜石市の行方不明者一斉捜索は29日で終了した。「絶対にあきらめない」と海保潜水士らが身を切るような寒さの中、海へ潜り続けたが、20日からの期間中は大きな成果は上がらなかった。今後も通常態勢で手掛かりを捜す。

 鳥羽海上保安部(三重県鳥羽市)に所属する巡視船「いすず」の潜水士8人は、釜石港北側の岸壁付近で約300メートルに及ぶ範囲で捜索。8人は船上で位置などを確認した後ゴムボートに乗り込み、勢いよく海中へ飛び込んだ。

 水温2・4度の海中を深さ15メートル近くまで潜った小木曽健潜水士(33)は「とたんや家財道具などのがれきが見えた。一人でも多くの方を見つけられるよう、しっかりと捜索を進めていく」と力を込めた。

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【写真=捜索前に入水方法や潜水位置について確認し合う巡視船いすずの潜水士=釜石市・釜石港】

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tag : 海上保安庁 巡視船 高速警備救難艇 東日本大震災 海洋情報部

2012-05-11 : 東日本大震災 : コメント : 2 : トラックバック : 0
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海上保安庁のS-76D巡視船搭載計画・韓国海洋警察がS-92導入

2月に海保の航空勢力にかかわる重大なニュースが発表された。S-76Dの発注である。

海上保安庁、シコルスキーS-76Dを4機を発注

シコルスキーと三菱商事は2012年2月14日、シンガポール・エアショーで日本の海上保安庁から4機のS-76Dを受注したことを発表しました。これらは先の大津波で破壊された機体の代替機とみられています。

海上保安庁ではこれまでも数機のS-76を使用してきましたが、今回発注したのはシリーズ最新型のS-76Dです。S-76DはエンジンをパワフルなP&Wカナダ製のPW210Sに換装し、全複合材製のローターブレードや、フランスのタレス社による統合されたグラスコクピットとオートパイロット、アクティブ制振装置、自己診断装置などを標準で装備しています。また、オプションでローターブレードの防氷装置も用意され、これにより全天候飛行能力も獲得します。

Japan Coast Guard Selects S-76D™ Helicopter for Search and Rescue Helicopter Program

February 14, 2012
SINGAPORE AIR SHOW, Singapore - Sikorsky Aircraft Corporation, a subsidiary of United Technologies Corp. (NYSE:UTX), and Mitsubishi Corporation have announced a contract with the Japan Coast Guard (JCG) for four S-76D™ helicopters, which will replace several JCG helicopters that were damaged in the tsunami of 2011.
The Japan Coast Guard has flown various legacy models of the Sikorsky S-76® helicopter for many years.

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最初に挙げた記事にあるように、東日本大震災での被災損失機の代替と見る向きもあるようだが、事実はそうではないだろう。というのも既に、被災損失分については既に補充が始まっているからだ(関連するヘリ配置転換については別のエントリで纏める)。

S-76Dになるというのは以前のエントリで推測したとおりだった。いや、それ以前にS-76Dが次期ヘリコプターとして選定されたという話があった。

関連エントリ:海上保安庁が災害対応強化型巡視船艇を建造、新型ヘリも導入へ

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海上保安庁はAW139を継続して調達中だ。ここでさらに新型ヘリを導入するとなれば異なる目的があると考えるのが筋だろう。AW139は海保の統一機種として採用されたが、実際にはPLH(ヘリ搭載型巡視船)に搭載された機体はない。海保は陸上基地機としてのAW139と巡視船搭載機としてのS-76Dの二本立てで航空勢力整備を図るということなのだろう。

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海上保安庁が4機を発注したS-76D

一方で、4機とその後の導入が進むと考えても、現行のPLH搭載機ベル212をすべて更新するには足りないし間に合わない。そのため、海保は既存の陸上配備機ベル412のPLH搭載を計画しているという。

1機搭載型PLHの後期建造型である「りゅうきゅう」「だいせん」についてはヘリ甲板・格納庫ともにベル412とS-76Cの搭載が考慮されていた。「りゅうきゅう」が11管区に配備される際にはベル412を搭載していたとされるが、実際には運用されず航空基地へのフェリーを行っただけだった。


※当エントリについて某所より連絡がありましたので一部記述を変更しています。

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tag : 海上保安庁 巡視船 PLH ベル 412 シコルスキー 韓国 海洋警察庁

2012-05-07 : 海上保安庁 : トラックバック : 0
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4年前の悪夢再び、海監50が尖閣諸島領海へ侵入

海上保安庁測量船への妨害を繰り返し行ってきた海監がついに、尖閣諸島周辺にまで現れた。
そして、4年前の領海侵入事案をなぞるかのように、領海内へと入った。

中国監視船、尖閣で一時領海侵入 付近「巡視」公表

 第11管区海上保安本部(那覇)によると、16日午前6時ごろ、尖閣諸島・久場島から北東約40キロの日本の接続水域内で、中国船「海監50」「海監66」の2隻が南南西に向けて航行しているのを、同本部の巡視船が発見した。無線による警告に「中国の領土だ」と応答している。同本部によると中国船は一時、日本の領海内に侵入した。

 一方、中国国営の新華社通信によると、中国国家海洋局は16日、海洋監視船2隻が尖閣諸島近くの海域に同日早朝に到着し、巡視活動を始めたと発表した。尖閣付近での巡視をただちに公表するのは極めて異例。

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日本の接続水域内を航行する中国船「海監50」。奥は海保の巡視船
(16日午前、沖縄県・尖閣諸島久場島の東南東約27キロ)=第11管区海上保安本部提供・共同

その2隻は、新鋭監視船として合同パトロールでも宣伝されていた海監50および66だった。

関連エントリ:中国の尖閣「棚上げ」の裏で進む、海事機関の「尖閣海域常態化」

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「中国海監B-7115」ヘリコプター、「中国海監50号」、「中国海監66号」による編隊は
(2011年12月)16日、舟山から出発し、東中国海で初の海空合同巡視活動を実施しました。


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日本の接続水域内を航行する中国船「海監50」(上)と「海監66」=
16日午前7時40分、沖縄県・尖閣諸島久場島の東南東約27キロ(第11管区海上保安本部提供)

海監66はそれだけでなく海保測量船妨害も行っている。あの時の妨害は、単に測量の妨害というだけでなく海保の行動について「慣熟訓練」を行っていたのかもしれない。

関連エントリ:東シナ海波高し、地震計設置まで妨害する中国海監
日本側海域における海監の行動が本格化?繰り返し海保測量船を妨害

前回は9時間も海保に追われつつ居座ったが、今回は25分。

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前回(2008年)の領海侵犯事案。この時は9時間も領海内に居座っていた。

まるで、「領海内に侵入した」という事実だけが欲しいかのような態度。
さらには、現場海域に到着すると即座に任務を公表し大々的に報じるなど明らかに「仕組まれた」ものだった。

尖閣付近の巡視を開始…中国海洋局、異例の発表

中国国家海洋局は16日、同局所属の巡視船「海監50」と「海監66」の2隻が同日早朝に沖縄・尖閣諸島(中国名・釣魚島)付近の海域に到着し、巡視活動を開始したと発表した。

 同局によると、2隻は日本の海上保安庁の巡視船の追跡を受けているという。同局が尖閣付近での巡視活動を開始直後に明らかにすることは異例だ。

 同局は巡視活動について「釣魚島の主権問題についての中国政府の一貫した姿勢を示している」と主張。今後とも定期的に巡視活動を行い、日本をけん制する考えを示唆した。



また、海保は警告表示に電光掲示板(ライトメール)を以前より使用しているが、「漁政」と同様に「海監」もそれを導入したようだ。今回はご丁寧に日本語表示を行っていたという。

尖閣沖に中国船 「魚釣島などは中国領土」と電光表示

 巡視船が所属などを明らかにしたうえで、航行目的を無線で尋ねたところ、中国船は「巡航任務を行っている。魚釣島を含む、その他の島は中国の領土である」と回答。同じ趣旨を船上の電光表示板で中国語、英語、日本語で表示している。中国船が日本語で表示するのは珍しいという。

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中国船「海監」2隻、尖閣周辺の接続水域外へ

 16日午前、沖縄県石垣市の尖閣諸島周辺の接続水域(日本領海の外側22キロ)内を航行していた中国国家海洋局の所属船「海監50」と「海監66」の2隻は午後2時半頃、同水域外に出た。


その後、「白樺」ガス田(中国名:春暁)に他の海監とともに集結し合同訓練も行ったという。

日本領海侵犯の巡視船、今日はガス田「白樺」周辺で合同訓練

沖縄・尖閣諸島沖の日本の領海に16日に侵入した中国国家海洋局所属の巡視船「海監50」と
「海監66」の2隻は17日、東シナ海のガス田「白樺」(中国名・春暁)と「平湖」の周辺に移動して他の巡視船4隻と
合流し、巡視ヘリも加わった海空合同訓練を実施した。

 中国国営新華社通信が伝えた。

 日中関係筋によると、巡視船6隻が集結し、東シナ海のガス田周辺で演習を行うのは異例。



今回の「侵入」作戦はかなり練られたものだったのだろう。

海監50就役以降の、合同パトロール宣伝、海監と海軍との協力発表、海保測量船への妨害、日本側の命名への対抗措置、中国版「海保」構想の発表。これらが一連の作戦の下で実行されていたことがわかる。尖閣衝突事件以降、海保への対処や海洋権益のアピールを「漁政」に任せていた中国が、再び「海監」をその、メインプレーヤーへと返り咲かせようとしているのは明らかだった。

中国、世論にらみ強硬姿勢 尖閣付近領海に監視船

 中国の海洋監視船が尖閣諸島周辺を巡航するのは2008年12月以来。中国側が強硬姿勢を示した直接的な背景には、今年に入ってからの尖閣諸島周辺の無人島命名を巡る日中間の応酬がある。中国のインターネットでは「政府は日本の勝手な振る舞いを許すな」などの書き込みが相次いだ。

 海洋局は今回、監視活動の開始をすぐにホームページで公表。異例の対応は国内世論対策の一環とみられる。国営新華社も船上の電光掲示板に「我が隊は現在、釣魚島にいる」と映した海洋監視船の写真を公開した。

 中国が派遣した海洋監視船は「海監50」「海監66」でいずれも11年に就役した最新型だ。中でも海監50はヘリコプターを搭載でき、中国保有の海洋監視船でも最大級だ。

 これまでも尖閣諸島周辺では、中国農業省漁政局に所属する漁業監視船がたびたび航行。海上保安庁の巡視船が警告を発して追い返していた。ただ、今回は中国軍の影響力が及ぶとされる海洋局所属の海洋監視船。日本政府は警戒態勢を強め、首相官邸内の危機管理センターに連絡室を設置して情報収集に当たった。

 今回、海洋監視船は尖閣諸島周辺の日本の接続水域内を航行し、一時的に領海内にも入った。接続水域とは領海の外側約22キロの範囲を指す。国連海洋法条約上は公海ではあるが、領海内への侵入や領海内での法令違反の防止を目的とした措置を取ることができると規定されている。

 日中両政府は昨年12月に海上安全保障を巡る定期協議の開始で合意。玄葉光一郎外相は海洋分野の協力により「海洋関連機関同士の信頼醸成を進めている」と強調している。

 ただ、中国では海洋進出を積極化すべきだとの声がますます強まっている。中国軍の羅援少将は6日、日本経済新聞などの取材に対し、海洋権益保護のために軽武装で領海警備に当たる「海岸警備隊」を創設すべきだとの考えを表明した。

 今回の海洋監視船派遣には、こうした海岸警備隊創設を狙う勢力によるアピールの意図もありそうだ。

中国船の領海侵入 「戦略継続の意思表示」“筋書き通り”の展開か

 海保幹部によると、「海洋調査船は国家の何らかの意図が働いて行動しているのは間違いない。侵入は偶発的ではない」と指摘する。海監は、海底地形の測量や領海警備まで行い中国の海洋権益を守る立場であるため、昨年8月に同じく領海に侵入した漁業監視船とは意味合いが異なる。中国中央テレビが昼のトップニュースで伝えるなど、中国側の反応も早く、“筋書き通り”の展開との見方もある。一方、別の海保関係者は、「中国版海上保安庁」の創設構想が中国内で浮上する中、以前からある機関が組織防衛のアピールで行動したのではないかとの声も聞かれた。


背景には「中国版海上保安庁・沿岸警備隊」(海岸警衛隊)構想があるという。その主導権を握るために海監が海洋警備組織としての存在感をアピールしたというのだ。

そして、当然このような事態を日本側も予期しておかなければならなかった。

領海一時侵入、外務次官が中国大使に抗議

 佐々江賢一郎外務次官は16日、中国政府の船が沖縄県・尖閣諸島付近の日本領海に一時侵入した問題で、中国の程永華(チョンヨンフア)駐日大使を外務省に呼び、「非常に深刻で容認できない」と抗議した。

 大使は尖閣諸島を中国領とする中国政府の立場を説明した。


佐々江外務次官、中国大使に抗議=尖閣周辺の領海侵犯

 玄葉氏は今回の領海侵犯について「どうも意図的だと思われる。二度とそういうことがないように私の立場からも厳重に伝えていかなければならない」と述べた。


「定期巡視活動」と反論=尖閣周辺の領海侵犯-中国

中国外務省の劉為民報道局参事官は16日の定例記者会見で、沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)周辺で中国の海洋調査船が日本領海内に入ったとの日本側発表について、「正しくない」との認識を示し、「正常かつ定期的な巡視活動だ」と反論した。

しかし、いつも通りの抗議に終始し、中国側に軽くあしらわれている有様。

それだけではない。その数日後には、民主党の輿石幹事長率いる訪中団と鳩山元首相が別々に中国を訪問。習近平副主席と会談した。

輿石氏ら民主党訪中団が北京へ出発 習副主席と会談へ

 民主党の輿石東幹事長を団長とする同党訪中団は23日午前、日本航空機で羽田空港を出発した。午後に北京に到着。次期最高指導者に内定している習近平国家副主席と人民大会堂で会談し、日中国交正常化40年に合わせ日中党間交流の拡大などをテーマに話し合う。

 今回の民主党訪中団派遣は、平成18年に当時の小沢一郎代表に立ち上げた両党定期交流事業「日中交流協議機構」として行われ、輿石氏や樽床伸二幹事長代行、仙谷由人政調会長代行ら計10人の党幹部が参加している。25日に帰国する。へ

今回の件に触れるかと思いきや、それどころかガス田共同開発交渉再開について「お願い」したのだという。

ガス田共同開発の交渉再開要請 中国・習氏に民主幹事長

 民主党の輿石東幹事長は23日、中国を訪問し、北京の人民大会堂で習近平(シー・チンピン)国家副主席と約50分間会談した。輿石氏は、東シナ海のガス田の共同開発をめぐる条約締結交渉の早期再開や、原発事故後の日本産食品に対する輸入規制の緩和を要請したが、習氏は明確な回答をしなかった。

 日本側出席者によると、輿石氏はガス田交渉について「中断して1年半。尽力をお願いしたい」と早期開催を求めた。習氏は「事務レベルで引き続き協議し、条件づくりをしていかなければならない」と語った。


抗議どころか、わざわざ頭を下げに行ったのだ。訪問先でわざわざ険悪なムードにする必要はないとはいえ、これが民主党外交の現実である。

彼らが、中国に媚び諂っている一方で、海保と海監は文字通りにらみ合い戦っていた。
日本では全く報じられていない「戦い」の様子を、中国メディアは記事にしている。

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tag : 東シナ海 尖閣諸島 領海警備 ガス田 共同開発 海監 海上保安庁 巡視船

2012-05-04 : 未分類 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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工作船沈没から10年、命令者も消えた

※以下のエントリは2011年12月24日用に準備していた内容に、一部加筆修正したもの。




海上保安庁のRFS20mm機関砲が火を噴き、工作船が海中に没してから10年になる。

不審船に船体射撃、沈没「北朝鮮工作船の可能性」

鹿児島県・奄美大島沖の東シナ海の日本の排他的経済水域内で、国籍不明の不審船を発見して追跡していた海上保安庁は、不審船が停船命令を無視して逃走したため、威嚇射撃後に船体へ向けて射撃、不審船は沈没した。不審船からは地対空ミサイルなどが回収され、後に北朝鮮の工作船と認定された。


その後、紆余曲折を経て工作船は引き上げられ、現在は横浜海上防災基地に併設された施設で展示公開されている。調査によって様々なことが分かった。

漁船に偽装しつつも高速船のような著しく鋭い船体。しかしその実態はカタログスペック(?とはかなり異なるものだったようだ。
北朝鮮工作船事件10年:高張力鋼で作られた「専用船」 競艇用ボートの原理で高速化

 海上保安大学校国際海洋政策研究所が、工作船の模型を製作した水槽実験では、波高2メートルでも10ノット(約19キロ)以下でしか走れない構造であることがわかった。工作船発見当時の波高5メートルでは航行困難な状態で、高速で逃走しなかったのはエンジントラブルよりも構造的な問題によるものが大きかったと確認された。

当時はエンジントラブルや被弾による速力低下といわれていたが、そもそもそんな速度は出なかったのである。

一方で海上保安庁は巡視船艇の高速化をその後も推進させていった。

北朝鮮工作船事件10年:事件教訓に高速型巡視船配備 金総書記死去受け情報収集をさらに強化

同庁では工作船が出現することを想定して、2007年度末までに正確な射撃が可能な武器や防弾などを強化した2000トン級と1000トン級の高速型巡視船を各3隻、高速特殊警備船6隻を配備している。また、これ以外にも各管区に高速型の巡視船や巡視艇を全国に配備することで、不審船や違反船舶の追尾、捕捉が容易になったほか、救難現場に素早く到着することができるようになった。「速い船であればさまざまなやり方で追尾できる。しかし、遅い船では追尾しても他国領海に入られてしまい捕まえることはできなくなる」と高速型巡視船の有用性を説く。

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2012-01-17 : 北朝鮮問題 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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