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都による尖閣購入への圧力か、居座る漁政

東京都による尖閣諸島購入計画。そしてそのための国民からの寄付。4月27日に都が寄付のための講座を開設したが、その後5月1日までの5日間で7000万円以上集まったことが話題になっている。ここまで集まるのなら、やはり都ではなく都知事が独自に基金団体を設置して・・・と思わなくもないが。

東京都尖閣諸島寄附金について

平成24年4月27日
知事本局

 本日、東京都尖閣諸島寄附金口座を開設いたしますので、以下のとおり、お知らせします。


1 寄附金募集の趣旨

 この寄附金は、尖閣諸島の購入・活用のためにあてさせていただきます。


尖閣購入 都への寄付7600万円

東京都の石原知事が、尖閣諸島のうち、3つの島を購入する意思を表明して以降、都には購入のための寄付をしたいなどという意見が多く寄せられ、都は寄付を受けつけるための専用口座を先月27日に開設しました。
都によりますと、1日までの5日間の振り込み件数は合わせて5428件で、入金が確認された額は7600万7211円に上ることが分かりました。また、専用口座を開設して以降、寄付に関する問い合わせは、1日午前11時半までに197件寄せられているということです。

都の尖閣購入募金に7600万…「ありがたい」

 都は来年4月に埼玉県内の地権者と売買契約を結びたい意向で、今月1日に同諸島購入に向けた専従チームを発足させた。都の幹部は「わずか5日間でこれだけ集まるとは思わなかった。関心の高さがうかがえ、大変ありがたい」と話した。

東京都尖閣諸島寄附金 受付状況

これまでに東京都尖閣諸島寄附金の口座にお寄せいただいた寄附金です。

件数 総額
5,428 件 76,007,211 円

平成24年5月1日入金確認分まで

ゴールデンウィーク明けの7日にはさらに金額が増えていることだろう。


都知事の、一見突飛な計画は徐々に国民的な運動になりつつある。これがどのように転がっていくかはまだ分からない。だが、口ではおとなしかった中国も体は正直、圧力とも取れる行動を起こし始めた。

漁政による尖閣諸島周辺海域の遊弋である。

尖閣沖に2隻の中国監視船=「中国海域」と応答-海保

 2日午前9時ごろ、沖縄県尖閣諸島魚釣島西北西約30キロの日本の接続水域で、中国農業省漁政局所属の漁業監視船「漁政204」が南西向きに航行しているのを海上保安庁の巡視船が確認した。領海内に侵入しないよう無線で警告したところ、「中国の海域でパトロール中だ」と応答したという。同庁は外務省を通じ中国側に抗議した。

 同本部によると、同10時ごろ、別の中国監視船「漁政203」がほぼ同じ海域を航行しているのを、同庁の航空機が発見した。2隻は正午前までに相次いで接続水域を出た。

20120502023714869.jpg
日本の接続水域内を航行する中国漁業監視船「漁政204」
=2日午前9時40分ごろ、沖縄県・尖閣諸島の魚釣島西北西約34キロ(第11管区海上保安本部提供)


20120502023656788.jpg
日本の接続水域内を航行する中国漁業監視船「漁政203」
=2日午前9時57分ごろ、沖縄県・尖閣諸島の魚釣島北西約38キロ(第11管区海上保安本部提供)


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tag : 尖閣諸島 購入 石原都知事 中国 漁政

2012-05-04 : 尖閣諸島問題 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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都知事の尖閣諸島購入騒動の陰で放置される海保法改正案

現在、尖閣諸島問題が騒がしい。
それも尖閣諸島周辺ではなく、ワシントンや東京で、だ。

大きく報道され誰もがすでに耳にしている「東京都による尖閣諸島購入計画」のことである。

発端は1週間ほど前、ワシントンでヘリテージ財団が開催した講演会で飛び出した。

東京都が尖閣諸島購入へ ワシントンで石原知事が明言 「日本人が日本の国土を守る」

ワシントン=石元悠生】東京都の石原慎太郎知事は16日午後(日本時間17日未明)、ワシントン市内のシンクタンクで講演し、「日本人が日本の国土を守るため、東京都が尖閣諸島を購入することにした」と述べ、尖閣諸島の魚釣島、北小島、南小島を個人所有する地権者と交渉を開始したことを明らかにした。

 石原知事は「日本の国土を守るために島を取得するのに何か文句ありますか。ないでしょう。やることを着実にやらないと政治は信頼を失う。まさか東京が尖閣諸島を買うことで米国が反対することはないでしょう」と話した。

 石原知事は会見後、「尖閣諸島の周辺は豊穣(ほうじょう)な漁場で、自然エネルギーの開発でも大きな可能性がある。世界遺産に登録された小笠原のような豊かな自然も世界的に貴重なもの。都がこれまで培ってきたノウハウも生かしながら、この島々を舞台としてさまざまな施策を展開すべく、購入に向けて検討に入る」とするコメントを出した。


この発言に対し、日本国内は騒然となった。国民の間では大方が賛成意見とされているが、新聞では「都が購入」という点に対し違和感や疑問を持つ社説が多かった。

 この社説についてはかなりの数に登るので別のエントリで纏めるつもりだが、個人的な意見を言わせてもらえばこれら(産経を除く)社説の懸念は分からなくもない。

 まず、都が買うべきかどうかという問題。

 別に東京都が他の自治体の土地を購入することに問題はない。たとえば東京や大阪には各地方自治体の事務所やアンテナショップが数多く存在する。また、いくつかの新聞記事で指摘されているように東京都が他県の土地を購入し施設を設置している例もあるという。

石原知事の尖閣購入に高いハードル、理由・測量…

 尖閣諸島の購入には都議会の議決が必要で、都民の納得する取得理由も求められる。都は現在、山梨県内の水源林(計1万3810ヘクタール)や千葉県松戸市の都立八柱霊園(105ヘクタール)などを保有。千葉や神奈川、静岡県内には福祉や教育に関連する施設の土地を持っているが、都民サービスに直結する物件ばかりだ。


 だが、それらは近隣の自治体であり都民への住民サービスに直結している施設である。

 いくら都の財政状況が他の自治体と比べてずば抜けていいとしても、首都直下地震やエネルギー問題が懸念されいくらでも予算が必要な中で、都民へのサービスに直結するとは考えにくい尖閣諸島の購入が都民からの税金で進められるべきだろうか?

 そういった意味では猪瀬副知事がTVで言及した寄付・基金案(その後、募金講座が開設された)は当然ともいえる。

尖閣諸島買収費3~5億円「都民や全国から寄付」(猪瀬副知事)

・・・がこれにも疑問がある。この募金は都の負担や軽くし都議会での承認を得やすくする目的もあると思われるが、逆にそれで資金が集まるのであれば最初から都でやらずに国民運動の基金組織を作ればいいということになる。

「尖閣購入」で寄付口座開設=全国から賛同募る-都

東京都の石原慎太郎知事は27日の記者会見で、沖縄県・尖閣諸島の購入費に充てる目的で、都の名義の口座を同日付で開設し、全国から寄付を募ると発表した。「尖閣購入」に賛同する国民に協力を呼び掛けることで、税金投入額を減らし、都民の理解を得やすくする狙いがあるとみられる。
 石原氏は、自身が「尖閣購入」を表明して以降、寄付の申し出が多数あるとした上で、「こうした志を受け止めるため口座を開設する」と説明。口座名は「東京都尖閣諸島寄付金」で、金融機関からの振り込みなどで受け付ける。

都民以外からも寄付受け付け…尖閣購入

 東京都は27日、「尖閣諸島寄付金」の受付口座を開設した。

 都民以外からの寄付も受け付ける。都は募金について「尖閣諸島の購入・活用のためにあてる」としている。振込先は、みずほ銀行東京都庁出張所「普通預金1053860」。口座名義は「東京都尖閣諸島寄付金」。振込手数料が発生した際は、寄付を行う本人の負担となる。


 この募金による資金調達が足りず購入予算の議会承認が必要となるも、失敗した場合、中国は日本国内の土地売買であるにもかかわらず、そうした経緯を無視して「日本の実効支配の正当性が崩れた」と喧伝する危険性もある。

 実際、中国政府は沖ノ鳥島周辺海域の大陸棚延長が(一部を除いて)大陸棚限界委員会で認められたにもかかわらず、日本の主張は根拠がなく国際的にも認められていないと自国の主張に沿った解釈で非難している。

沖ノ鳥島:日本の大陸棚基点発表に中国側が異議

中国外務省の劉為民報道局参事官は28日夜、日本最南端の沖ノ鳥島8件が大陸棚の基点として国連に認められたと日本政府が発表したことについて、「国際的に主流の見方は日本側の主張を支持していない」と異議を唱える談話を発表した。

 劉参事官は「国連の大陸棚限界委員会は結果をまだ公表しておらず、日本側の発表が何を根拠にしているのか分からない」と指摘。沖ノ鳥島8件は岩にすぎないとする中国側の立場に変わりがないことを強調し、「国際法に基づけば排他的経済水域(EEZ)や大陸棚の基点とはならない」と主張した。

この沖ノ鳥島問題は海上保安庁による海洋権益確保や東京都の離島管理、そして中国の海洋進出とも深く関わっているので、後述するとともに別エントリでも説明する。

 都知事は、今回の購入について東京都の離島管理の実績を強調する。都が沖ノ鳥島や小笠原諸島などで実績があることを上げる。

漁業開発「都民で検討」 尖閣諸島買い取り

尖閣諸島(沖縄県石垣市)の買い取りを表明した石原知事は17日(日本時間18日)、滞在先の米ワシントンで記者団の取材に応じ、同諸島で漁業資源の開発に乗り出す考えを示した。「何をやるか、都民で考えたらいい」と語り、都議会に対しては「話題になれば説明する」とした。 石原知事は、同諸島の利用法について「魚礁を作り、漁業開発をしたらいい」と主張。沖ノ鳥島(小笠原村)で漁業資源開発を行っているこれまでの都の取り組みが参考になるとした。

尖閣早期購入を要請、石垣市長が石原知事と会談

 東京都の石原慎太郎知事が沖縄県石垣市の尖閣諸島の購入を表明したことを受け、同市の中山義隆市長が23日、都庁で石原知事と会談し、早期の購入を要請した。石原知事は地権者と価格交渉を急ぐとともに、同市に都の専門職員を派遣し、世界自然遺産の小笠原諸島などで都が培ってきた自然保護のノウハウを提供していく考えを伝えた。

 実際、そうした都の離島周辺海域での漁業振興や島で繁殖する羊の駆除を行ってきている。確かに外部から持ち込まれた羊の繁殖は独自の閉鎖性体系を持つ離島にとって致命的で、魚釣島でも海上保安官が上陸する際に小銃を持ち込んで駆除を検討したこともあるという。一方で、東京都が沖ノ鳥島などで行ってきた漁業振興策と言えば漁業調査船による水産調査と当該海域に出漁する漁船への燃料補助程度だ。

小笠原から見た北方領土:/5止 遠い漁場 燃料代かけEEZ維持

 「国土面積より広いEEZを失っていいのか」。菊池滋夫・東京都漁業組合連合会長(84)らが石原慎太郎・東京都知事に訴え、05年から小笠原島漁協所属の1隻がこの海域で経済活動を始めた。

 10年度は17・6トンを水揚げした。うち約82%が魚価の高いキハダマグロ。漁場が遠いため燃料代はかさむが、11年度の都からの補助は用船代なども含めて7469万円。「本来であれば国がやってしかるべき事業だが、まずは知事が動いた」。都農林水産部の担当者は説明する。

記事にあるとおり、この燃料補助は「国がやるべきこと」を先行して都が行ったという意味で、尖閣諸島購入にも通じるものがある。

だが、実際には燃料補助を受けた小笠原の漁船よりも、サンゴ密漁を目的とした中国や台湾の漁船のほうが盛んなのではないかと思えるほどだが、都はこうした離島や海域の権益保護のために新たに外洋航海に耐えうる高速漁業取締船の建造を行ってきたわけではない。

また、燃料補助を尖閣諸島で行うとしても東京都の漁業者よりも先島諸島の漁業者を対象にしたほうが効率的だが、この場合も都の予算をそうした目的で使っていいのかという問題が残る。

 尖閣諸島周辺は水産資源が豊富で海底資源もあることから、石原知事は利用方法の一つに「漁業資源の開発」を挙げた。しかし、尖閣諸島は東京から約1900キロ離れ、東京の漁業者が漁場として利用するには遠すぎる。「自然遺産、文化遺産としての保護」を理由にする案もあるが、これも都政との関連は見えにくい。



 既に尖閣諸島周辺の漁業支援は水産庁が外国漁船被害救済事業として行っている。



今年度中 数回調査へ/尖閣海域

 水産庁は13日、宮古島漁業協同組合(小禄貴英組合長)で、北緯度以南にある尖閣諸島を含む海域の漁場調査に向け説明会を開いた。今年度中に、伊良部漁業協同組合(友利義文組合長)所属の漁船などをチャーターし、数回に分けて調査する。同庁資源管理部沿岸沖合課指導係の高橋英也さんは「調査には、新規漁場開拓もある」と強調し、今後の調査に期待を込めた。

 同庁は、今年度「外国漁船の操業による漁具破損などの被害の救済による漁業経営の安定」を政策目標に掲げ、外国漁船被害救済事業で2億円の予算を確保した。

 このうち宮古関係では、伊良部漁協に350万円、宮古島漁協に136万円の計486万円の助成金を計上した。

 伊良部の漁民らは、外国漁船の操業状況調査や外国取締船の行動調査、漁場調査を実施する。


尖閣沖調査操業、一本釣り700キロ超の水揚げ 外国漁船は見られず

 八重山漁協(上原亀一組合長)が水産庁の外国漁船被害救済事業を導入して尖閣周辺で行っている調査のための操業で、一本釣りの調査を行ってきた漁船3隻が1日午前、石垣漁港にアカマチ368.4キロを含む736.4キロを水揚げした。今回の調査では外国漁船の操業は確認されなかった。


もっとも、この「事業」には民間の漁船に対して外国の漁業監視船に接近して情報を収集させるという問題点もあったが・・・

関連エントリ:民主党の「特設監視艇」、漁船に中国船を監視させ海保には報告せず

※過去エントリでも掲載しているマニュアルは、後に水産庁ではなく実施主体である地元漁協が組合員向けに作成したものだと判明。

参議院議員片山さつき君提出「外国漁船被害等救済マニュアル」に関する質問に対する答弁書

 お尋ねの「外国漁船被害等救済事業マニュアル」は、漁業協同組合等に対する補助事業として平成二十二年度第一次補正予算に計上した外国漁船被害救済事業の実施主体の一つである伊良部漁業協同組合が、同事業として実施する外国漁船操業等調査のための組合員向けの文書として作成したものであり、同事業を所管する水産庁を含め、政府として、その存在を承知していなかったところである。同調査の実施に当たっては、漁業者の安全を確保し危険が及ばない方法で実施するよう、全ての事業実施主体に対して指導しており、御指摘の「フラッシュを焚いて写真撮影する」ことを政府として要請した事実はない。





 東京都がアピールする沖ノ鳥島での実績も事実とは異なる。沖ノ鳥島は東京都が維持費を負担できないため国土交通省の京浜河川事務所が中心となって保守管理しており、周辺海域は海上保安庁や水産庁がパトロールしている。海上保安庁の灯台設備や国土交通省の試験設備はあるものの、都が一時期アピールしていた経済活動は漁業を除き実現してはいない。

 先ほども書いたが沖ノ鳥島については別エントリで詳しく見ていく。

 ここでひとつ個人的に言わせてもらえば、都が尖閣諸島を購入するより前に、某架空戦記のように沖ノ鳥島施設を再整備し都職員を常駐させるべきだろう。

沖ノ鳥島爆破指令
500900.jpg

経済水域問題に頭を悩ます政府。話題作りのため沖ノ鳥島移住を命じられた都庁職員一家が、日本最南端の島をめぐる攻防に巻き込まれ……




また、今回の騒動で数多くみられる勘違いとして尖閣諸島が都の所有になることにより、警視庁によって警備される、というものがある。これも荒唐無稽なものだ。たとえば、自治体が東京や大阪に保有する事務所の警備ために自県の警察官を派遣しているだろうか?所有権と行政権はあくまで別個のものである。

たとえ行政権が東京都に移管されたとしても警視庁に尖閣諸島を警備する能力はない。一応、都内離島を管轄するために警視庁最大の警備艇「ふじ(視1)」と最大のヘリEH101「おおぞら一号」は長大な航続性能があるが、尖閣諸島の警備には到底無理だ(警視庁の貴重な戦力でもある)。

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警視庁警備艇「ふじ」(視1:湾岸署所属)後方は税関艇、上空は海保ヘリ
「ふじ」は海上保安庁観閲式・総合訓練の常連ゲストでもある

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警視庁航空隊EH101(AW101)「おおぞら1号」
EH101(現:AW101)の世界唯一の民間型である

 さらに、酷いものになると「都が所有することにより自衛隊の出動が可能になる」というものまである。いつから自衛隊は州兵ならぬ都軍やリアル石原軍団になったのだろうか。その根拠は都知事が災害派遣要請を出すことができる、ということらしい。しかし、現状でも沖縄県知事や第11管区海上保安本部長により災害派遣要請は出すことが可能である。いうまでもないことだが、武力侵攻に対し災害派遣で対応することなどありえない。尖閣諸島が私有地だろうと都有地だろうと、武力侵攻事態への対応、すなわち防衛出動は(法律上は)可能である。


 つまり、都が尖閣諸島を購入するからと言っても、過度な期待はできない。

 もっとも、周囲が期待しているのは実際の経済活動ではなく政治的な意味だろうし、本人も「国が出てくれば下がる」と述べている。国会議員時代から運輸相時代も含め尖閣諸島問題に関わっていることを考えれば、都政よりも長い関係とも言える。現在の政府から国有化の検討という言質をとれたのは最大の功績だろう。

「必要なら国購入も」官房長官が表明

 藤村修官房長官は17日午後の記者会見で、石原慎太郎東京都知事が沖縄県・尖閣諸島の購入に向け最終調整をしていると明らかにしたことを受け、必要な場合は国による購入もあり得るとの認識を示した。国境にある離島は国が管理すべきだが、領有権を主張する中国を刺激するのを避けたいため実効支配の強化に対策を十分にとっていなかった。政府も重い腰を上げざるをえない状況となった。




 一方で、こうした政治的注目により高まるリスクもある。

 日本政府は以前より尖閣諸島は明確に日本固有の領土であり、領土問題そのものが存在しないとしてきた。あくまで、中国や台湾の一方的な言いがかりである、と。しかし、今回の都知事の騒動が日本国内だけでなく海外からも注目されることにより、国際社会から「尖閣」=日中間の領土問題と認識される危険性がある。特に今回の最初の発言はワシントンで飛び出したためニュースはすぐさま各国に配信されることになった。これは中国にとっては有利な展開だ。

 今後、尖閣購入資金の募金は国民的な運動に発展する可能性もある。一方でそのように大きな運動となり国際メディアで報じられることは何も日本にとって有利になることばかりではないのだ。

 今回、中国政府が抑制的な反応なのはそうした側面があるのだろう。もちろん、南シナ海の火種を抱えた状態で二面作戦はとれないということもある(現在も海監とフィリピン海軍・PCG艦船がにらみ合いを続けている)。さらに、中国が冷静な態度で話し合いを求める姿勢を続ければ、領土問題で日本が一方的に強硬姿勢を貫いているという(中国の思惑通りの)印象を与えることも可能だ。日本にとっては、尖閣諸島が領有権問題と認識され話し合うべきだと求められた時点で、「負け」なのである。

 尖閣諸島が明確に日本の土地であるならば、淡々と私有され続け、売買も行われるべきなのだ。それこそ中国人や中国資本が尖閣諸島を購入したとしても日本の固有の領土であることに変わりはない。日本の不動産手続きを認めることはすなわち行政権と領有権を認めることになる。中国人の土地であろうと日本国内である以上、そこに行くには正規の入国手続きが必要だ。過去には、尖閣諸島を所有する地主に中国人投資家が購入を持ちかけた、等という話もあるが、実現していたらある意味面白いことになっていただろう。

 もっとも自民党はそうした売買や外国人私有を制限する法案を出してきている。

国境離島保全へ強制収用法=自民

 自民党は26日、沖縄県の尖閣諸島など国境の無人島を外国人が買い取るなどした場合、国が強制的に収用できるとした法案をまとめた。各党に協力を呼び掛け、今国会提出を目指す。
 法案では、国が国境の無人島を管理する必要があると判断した場合、買い取りや借り上げなどの措置を講じると規定。特に管理強化が必要な場合は、土地収用法に基づいて強制取得できるとした。また、国が島の管理に関する基本方針を策定し、島に標識を設置することも定めている。

既に、所有者のいない無人島は国有財産として海上保安庁の管理下にある。

離島23カ所を国有財産化 尖閣周辺は対象外 中国の反発になお弱腰

 政府が日本の排他的経済水域(EEZ)の基点となる離島23カ所を国有財産化していたことが6日、分かった。国有財産法に基づき昨年8月、南西諸島などに位置する離島を海上保安庁の「国有財産台帳」に登録した。

 民法では所有者のいない不動産は国庫に帰属すると定められている。政府は23カ所の島の不動産登記などを調べたが、いずれも所有者が存在せず、国庫に属していることが確認された。

 国有財産化にあたり、海上保安庁を管理者とし、海保が業務に用いる「公用財産」として登録。波による浸食や他国の侵害に海保が責任を負うことも鮮明にした。



今回、都が尖閣諸島を購入したあと所有権を放棄すれば、政府がわざわざ購入の意思表明などしなくとも国有財産法に基づき海保の「業務」に用いられる財産となったはずだ。2005年には、日本青年社が所有者の許可を得て魚釣島に設置した灯台が、所有権放棄により海保の設備となっている。この灯台こそ、都知事が外務省の横槍で海保作成の海図に記載できなかったと何度も口にしていた灯台であった。

尖閣諸島「魚釣島灯台」の管理開始

 平成17年2月、海上保安庁は、航路標識法に基づく所管航路標識として、「魚釣島灯台」の管理を開始しました。
 魚釣島灯台は、昭和63年に日本の政治団体が設置したものですが、これを所有していた漁業者から所有権放棄の意思が示されたため、民法の規定により、国庫帰属財産となりました。
 魚釣島灯台の取り扱いについては、長年、付近海域での漁ろう活動や船舶の航行安全に限定的とはいえ寄与している実績等を踏まえ、政府全体の判断として、その機能を引き続き維持することとなり、必要な知識、能力を有する海上保安庁が保守・管理を行うこととなりました。

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尖閣諸島灯台を国家に移譲!!

 そもそも尖閣諸島の灯台は海上保安庁の指導を受けて完成し、魚釣島漁場灯台の名称も海上保安庁が命名したのですが、私どもが再々提出した灯台の管理許可申請に対して政府は「対外的な問題が介在しているので暫く猶予期間が欲しい」「現在関係官庁と検討中、結論を延期したい」などの理由で今日まで許可申請は保留にされてきました。





 だが、尖閣諸島が今後、都の所有になり、さらには国有地となるとしても、重要な問題が放置されている。


 海上保安庁法改正案だ。

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tag : 尖閣諸島 購入 石原都知事

2012-05-04 : 尖閣諸島問題 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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国家海洋局が日本の無人島の中国名を発表、海保調査にも警告

総合海洋政策本部の働きを久々に見た気がする・・・

政府、無名の39離島に命名 海洋資源確保で

 政府は3日までに、日本の排他的経済水域(EEZ)の基準となる島のうち、無名だった39の無人島の名称を決定した。海洋資源確保などの観点からEEZの重要性が高まっていることを踏まえた措置。地図や海図に明記する方針だ。

 内閣官房総合海洋政策本部の発表によると、命名されたのは沖縄県石垣市の北西小島など39島。このうち北西小島など4島は、2010年9月に中国漁船衝突事件が起きた沖縄県・尖閣諸島周辺にある。

ついに正式な名称のなかった無人島に名前が付けられることとなった。日本語の呼称が存在することによって海上保安庁海洋情報部が作成する海図にもその名前が記載され、対外的にもEEZの基点としても説明しやすくなる。

排他的経済水域(EEZ)外縁を根拠付ける離島の地図・海図に記載する名称の決定について

 排他的経済水域の外縁を根拠付ける離島について、保全・管理を適切に行うとともに、国民の理解に資するため、それら離島に付されている名称を確認し、名称が不明確な場合には関係機関協議の上、名称を決定し付す。あわせて地図・海図等に明示し、統一した名称の活用を図る。

mujintho.jpg

この動きに対して、中国は早速対抗措置を取った。中国名の発表である。

中国、尖閣一帯71の島に中国語名 日本の動きに対抗

 中国国家海洋局と民政省は3日、東シナ海の尖閣諸島(中国名・釣魚島)と周辺の計71の島々について、中国語の公式名称をつけたと発表した。日本政府が尖閣諸島周辺の無人島に名前を付けたことに強く対抗するものだ。

 国家海洋局の公式サイトは「我が国の海域の島々で名称を標準化した」とし、71の島々の名称の一覧表を掲載した。「標準化」は俗称などを統一したり、無名の島に新たに命名したことを指すとみられる。


国家海洋局 民政部受权公布我国钓鱼岛及其部分附属岛屿标准名称

これは「海島保護法」に基づく処置だという。同法は無人島を政府に帰属させ統一的に管理することを目的とした法律で、南シナ海や東シナ海での領有権確保を念頭に置いたものだとされてきた。日本側はこの中国の国内法成立を警戒して、遅ればせながら無人島の管理を強化することとなったわけだが、今回の動きに限って言えば中国が後を追う形となったわけである。

 もっとも日本の無人島命名は尖閣諸島周辺に限った話ではなかったのだが、中国側が尖閣諸島周辺を標的として対抗してきたことは彼らの狙いがなんなのかを如実に示したといえる。しかも、日本側が日本各地の39個の島であるのに対し、中国側は尖閣諸島周辺のみにもかかわらず71個だ。おそらく、明らかに島には見えないようなものまで命名しているのだろう。ひょっとしたら島の実在すら危うい。

 先月より、日本の無人島命名に反対する意思表示として、議員要職経験者が代表を務める日中友好団体との会談をキャンセルするなどしてきたが、さらに具体的な対抗策を打ち出してきたわけである。

無人島命名で会談応じず 中国主席、日中7団体と

 中国の胡錦濤国家主席が、沖縄県・尖閣諸島周辺を含む無名の無人島の名称を確定させるとの日本政府の方針への不満を理由に、17日に予定していた日中友好7団体代表団との会談には応じられないと団体側に通告したことが10日、分かった。複数の日中関係筋が明らかにした。

 直前の会談キャンセルは外交上、極めて異例。中国側は共産党序列4位の賈慶林全国政治協商会議主席が代わりに会談に応じるという。

 7団体は「日中友好協会」(会長・加藤紘一自民党元幹事長)、「日本国際貿易促進協会」(会長・河野洋平前衆院議長)や「日中友好会館」(会長・江田五月元参院議長)など。

友好関係が危ういからこそ話し合うべきなのだが、日本が中国側の要求に従わない限り会う必要すらないということなのだろう。


ちなみに、この件では台湾からも抗議の申し入れがあった。

尖閣諸島の無人島命名で抗議 台湾

台湾の外交部(外務省に相当)は2日夜、沖縄県・尖閣諸島周辺を含む無名の無人島に命名するとの日本政府の方針について、馮寄台駐日代表(駐日大使)が同日、日本側の対台湾交流窓口機関、交流協会の畠中篤理事長に対し、厳正に抗議した、と発表した。「(日台の)関係に影響を及ぼさないよう自制を求めた」としている。




そして中国はさらに強硬な姿勢を示してきた。

いわば海上保安庁に対する「宣戦布告」「最後通牒」とも言える発表である。

中国「東シナ海の監視強化」 日本の調査に警告

 中国国営新華社通信によると、中国国家海洋局当局者は2日、「日本の違法な調査活動を阻止するため、東シナ海の監視を強化する」との方針を明らかにした。

 当局者は「日本側の行為は中国の主権を侵害しており、国連海洋法条約と中国の関連法に違反する」と主張。「中国政府の許可なく日本が一方的に調査することを認めない」と強調。日本が調査活動を止めなければ、「結果に対する責任を負うことになるだろう」と警告した。


「調査活動の阻止」「監視強化」はすなわち、南シナ海でベトナムに行ったように船艇での「文字通り」の衝突を匂わせるものだ。もしくは、米海軍測定艦インペッカブルの時の様に漁船を利用して包囲妨害するとでもいうのだろうか。

自己中心的独自解釈やダブルスタンダードの総本山でありながら「国連海洋法条約に違反する」とはよく言えたものだ。おまけに、日本は「結果に対する責任を負うことになる」とご丁寧に脅し文句まで付け加えている。まるで、南北会談で韓国を脅す北朝鮮代表のような口ぶりである。

表面だけを見てみれば海監と海上保安庁は一触即発の状態だ。だが、現在の日本政府・民主党野田政権はそのような万が一の事態に備えているのだろうか?特に戦略もなく、予定されていた政策をベルトコンベヤに乗せているだけではないだろうか?

もう「想定外だった」では許されない。 このエントリーをはてなブックマークに追加

tag : 海上保安庁 海洋情報部 測量船 中国 国家海洋局 海監 EEZ

2012-03-03 : 尖閣諸島問題 : コメント : 3 : トラックバック : 0
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嘘と隠蔽と言いがかりが溢れる「友好と平和の海」

先日、東シナ海に炎が立ち上っていることが確認された。火災ではない。いわゆる「ガスフレア」である。

東シナ海ガス田「樫」から炎…中国が単独開発

 政府が中国政府と共同開発の協議対象にしている東シナ海のガス田「樫(かし)」(中国名・天外天)で、中国が単独開発を続けていることが3日、読売機から確認された。

 採掘施設には中国の国旗が掲げられ、パイプの先端から炎が常時数メートル噴き出しているのが見えている。

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上空から炎が確認された天然ガス田「樫」(中国名・天外天)の採掘現場
(東シナ海の日中中間線付近で、読売機から)=源幸正倫撮影


東シナ海のガス田で炎確認 中国側施設、既成事実化進む

 東シナ海に中国が設けた天然ガス田「樫(かし)」(中国名・天外天)の採掘施設で炎が上がっているのが1日、朝日新聞社機から確認された。日本が中国との排他的経済水域(EEZ)の境界とする「日中中間線」近くの中国側。日本の抗議にもかかわらず、中国による独自開発が進んでいる模様だ。

 鹿児島県・奄美大島から西に約430キロ。朝日新聞社機から見た樫は、海面に突き出たアーム状の先端部分から炎が噴き出し黒煙が上がっていた。樫の北側に位置する別の採掘施設に向かう途中、船体に「海洋石油683」と書かれた作業船の姿が確認された。

 藤村修官房長官は1日の記者会見で、一方的な開発は認められないとして、改めて中国側に抗議したことを明らかにした。

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アーム状の先端部分から炎を上げる天然ガス田「樫」
=1日、鹿児島県・奄美大島の西約430キロ、朝日新聞社機から、堀英治撮影

もっとも、中国がこれらガス田の開発を続けていることは公然の事実となっていた。「樫(天外天)」のガスフレアは2005年に既に海自P-3Cが確認していた。常時噴出しているということはその後、準備段階から本格生産段階に移行したということなのだろう。

「天外天」の煙突から炎 海自が空撮写真を公開(2005/9/19)

中国が東シナ海で開発中のガス田「天外天」について、海上自衛隊は20日、P3C哨戒機が19日に撮影した写真を公開した。掘削施設の煙突から「フレア」と呼ばれる炎が出ており、 日本側が生産開始を確認したとする根拠になったとみられる。 中国が付近でほかに開発中のガス田は「春暁」などがあるが、春暁でも掘削用のパイプが埋め込まれているのが確認されており、生産準備が始まっているとみられる。

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中国は、尖閣諸島衝突事件の前後にも「白樺(春暁)」の施設に掘削装置の搬入を行っていた。

ガス田にドリルパイプ 中国が掘削開始か 経産省見方

 東シナ海のガス田「白樺(しらかば)」(中国名・春暁)の施設に中国側が持ち込んだ機材について、経済産業省は24日、朝日新聞の取材に、掘削工具を海底に誘導するパイプの可能性が高いと明らかにした。同省は中国が掘削を開始しているとの見方を強めている。

 同省幹部によると、海面からの高さが30~40メートルある白樺の掘削用施設で、最高部(やぐら)の下方に掘削用の「ドリルパイプ」と呼ばれる機材のようなものが複数本、運び込まれ、立てかけられているのが確認された。ドリルパイプは長さが約10メートル。パイプ同士を連結させて、先端にはドリルなどの掘削用工具を取り付ける。これを海底へ届かせる。持ち込まれたのは、最近1カ月以内だという。

また、採掘を担当している企業幹部もその後、生産段階にあることを認めている。

中国、東シナ海ガス田は「生産段階」 企業幹部が認める

 CNOOC監査機関責任者であり、北京で開会中の全国人民代表大会(国会に相当)の代表である宋恩来・CNOOC南海西部公司党委員会元書記が、朝日新聞などに語った。

 宋氏は「春暁ガス田を我々はすでに開発し、生産をした。現在、すでに石油が出ている」とし、生産・掘削段階にあることを確認。「(日本との)争いの地域内であり、我々は協力することはできる。しかし、このガス田は自分たちの領土内にある。(日本は)今でも頻繁に邪魔をするが、我々は境界線上ですでに開始した。我々は作業を行った」と語った。

中国側は、共同開発の交渉が進もうが関係が悪化しようが自分たちのスケジュールに沿って着々と開発を進行させるということなのだろう。日本はこの事実に対して抗議するようだが、これには日本にも責任がある。

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Wikipediaより

中国にとって見れば、本来彼らが主張している沖縄トラフまで含めた大陸棚延長部分より内側、日本が主張する日中中間線の中国側において開発しているのであって、探査も資金投入もしていなかった日本との共同開発はそもそも考える必要はないのである。

日本が自分側の資源を守りたいと思うのなら、中国より先に手をつけるべきだったし、遅くとも中国が動き始めてからもはじめるべきだった。日本側も開発を進めていれば中国のほうから共同開発の申し出もあったかもしれないし、共同開発が無理だったとしても独自に資源を確保することが出来た。すくなくとも中国は日中中間線について(認めていないにもかかわらず)「配慮」しているのである。日本が日本側の海域において開発することを積極的に阻止したいのならば中間線を無視して開発できたはずである。

抗議や申し入れだけでは何の意味もない。相手からの譲歩など得られない。

東シナ海ガス田 中国が単独開発か

NHKは、今月26日、東シナ海の「日中中間線」付近にあるガス田「樫」を航空機で上空から撮影しました。中国が築いた採掘施設の先端からは、炎が吹き出しうっすらと黒い煙が上がっていることが分かります。また、映像を詳しく見ると、一部の区画では、作業員とみられる人の姿も確認できます。「樫」を含む海域について、日本政府は、平成20年6月、中国と共同開発に向けて協議を行うと発表しました。しかし、翌年の平成21年1月になって、「樫」の周辺の海面が茶色く濁るなど中国側が単独で開発を続けている疑いがあることが表面化しました。日本政府が「両国の合意を軽んずる行為だ」として抗議したのに対し、中国側は「開発作業を行うのは、中国固有の権利の行使だ」などと反論していました。今回、「樫」の施設から炎が出ているのが確認されたことについて、長年、技術者として石油・天然ガスの開発に携わってきた猪間明俊さんは「生産段階にあるのかどうか分からないが、炎や煙を見ると、採掘施設で採れた天然ガスを燃やしているとみられ、中国側が単独で開発を続けている可能性がある」と指摘しています。

藤村官房長官は、午後の記者会見で、「政府としては、一方的な開発は認められないという立場で、常に抗議や申し入れをしてきたところだ。日中両国が、東シナ海を平和と友好の海にすべく、具体的な協力を進めていこうという状況にあって、申し入れを行わなければならない事態が生じることは遺憾だ。NHKの取材が事実であれば、改めて抗議や申し入れをしなければならない」と述べました。

現代中国論が専門の横浜市立大学の矢吹晋名誉教授は「中国側のねらいは、資源の確保に加えて、中間線付近の海域に構造物を造って海軍がそれを守ることで、この海域の実効支配を拡大していくことにあるとみられる。日本としては、これを機会に、中国の真意を確かめるため対話を早急に再開する必要がある」と話しています。

これらのガス田施設を直接的に海軍が守るかといえば、それは疑問だ。

実際、海軍艦艇がガス田の周囲を航行している姿は度々目撃されているが、実際的にこれらの施設を守っているのは海監総隊のほうだろう。

尖閣諸島衝突事件の直後には、海上保安庁の動きを警戒して海監総隊の監視船が10隻以上もガス田周囲に集結するという今までにない事態がおきた。

尖閣諸島、ガス田周辺に中国調査船続々…10隻以上が示威活動(産経新聞 2010年9月28日)

尖閣諸島周辺での中国漁船衝突事件で、中国人船長が釈放された25日以降、中国の海洋調査船が、尖閣諸島や東シナ海のガス田開発地域周辺に集結していることが27日、分かった。

政府関係者によると、調査船は計10隻以上にのぼっている。海洋権益確保に向けた示威活動とみられる。日本の排他的経済水域(EEZ)内への侵入が懸念されることから、海上自衛隊の哨戒機などが警戒活動を強化している。

政府高官によると、中国の海洋調査船は26日ごろから東シナ海に集結しているという。今のところ日本のEEZ内には侵入していないものの、この高官は「これだけの数の調査船を同時に出してきたのは前代未聞だ」と指摘した。

ガス田周辺では約10隻の海洋調査船が確認された。海洋調査船は、掘削用のドリルのような機材を運び込んだことが確認された「白樺(しらかば)」(中国名・春暁)を含め、東シナ海にある4つのガス田すべての近くを航行しているという。

これらは調査船ではなく法執行権限を持つ監視船である。おそらく、海監51による海上保安庁測量船妨害が失敗に終わり、尖閣諸島の警備が強化されていることに呼応したものだろう。

さらに、海監総隊はこれらガス田のヘリポートを事実上の海上拠点として使用し、海監ヘリを展開させていた。護衛艦に度々接近した海監ヘリはここから飛び立っていたのだ。

そして、ついにこのガス田を管轄する東海総隊にヘリ搭載型監視船「海監50」が配備され運用が開始されたが、真っ先に向かった先はガス田「白樺」(春暁)周辺海域だった。

中国海軍は既に東シナ海・ガス田などより先、第一列島線の向こう側、外洋に向けて展開している。

中国海軍の艦艇4隻、宮古島付近の海域通過

 防衛省統合幕僚監部は3日、沖縄県・宮古島付近の海域で、太平洋に向かって進む中国海軍のフリゲート艦4隻を確認したと発表した。

 通過した海域は公海上だが、中国海軍はここ数年、同海域を通過し太平洋上で訓練を行うことを常態化させており、海自で監視を強化している。同省によると、同日午前9時頃、2隻が宮古島の北東約110キロの海域で、別の2隻が同島の北北東約130キロの地点で確認された。

中国海軍艦艇の動向について(統合幕僚監部)

2月3日(金)午前9時頃、海上自衛隊第5航空群「P-3C」(那覇)が、宮古島の北東約110kmの海域を東シナ海から太平洋に向けて南東進する中国海軍ジャンカイⅡ級フリゲート1隻及びジャンウェイⅡ級フリゲート1隻を確認した。

また、同時刻、宮古島の北北東約130kmの海域を東シナ海から太平洋に向けて南東進する中国海軍ジャンウェイⅠ級フリゲート1隻及びジャンウェイⅡ級フリゲート1隻を確認した。

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もちろんこの航行自体は、公海自由の原則に沿ったもので問題はない。軍艦である以上、排他的経済水域であっても公海と同様、通航することが出来る。

定例訓練、航行権あり=中国国防省

中国国防省報道官は3日、中国海軍の艦艇が沖縄本島と宮古島の間の海域を通過したことについて「艦艇は2月上旬、西太平洋海域に赴いて訓練を実施するが、年間計画で決まったものだ」とする談話を発表した。
 その上で「中国側は関連海域で航行の自由などの合法的な権利を有しており、国際法やしきたりにも合致している」と指摘した。

中国艦が宮古島付近通過 「国際法違反なし」官房長官

 藤村修官房長官は3日の記者会見で、中国海軍の艦艇4隻が同日、東シナ海から太平洋に向けて沖縄県宮古島付近を通過したと明らかにした。そのうえで「日本の領海に入ったことや国際法違反はない」と述べ、問題はないとの認識を示した。

中国海軍にとっての外洋行動の練度維持や示威行動であるとともに、日本にとっては彼らの展開能力や性能をうかがい知ることの出来る機会でもある。

もっともこの国ではその「機会」を生かすのも難しいかもしれない。

仙谷氏 中国漁船衝突事件の対応「すべて正しかった」と豪語

 民主党の仙谷由人政調会長代行は22日、大阪市内のホテルで講演し、平成22年9月の尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件で、中国人船長を釈放したことや事件時の撮影映像を非公開とした対応について、「私はいまだに、あの時のやり方、やったこと、すべて正しかったと思っている」と述べた。

 仙谷氏はまた「外交関係、司法制度、海上警察権の行使、行政情報の公開のあり方、いずれの立場からも今の時点で批判をきちっとする人はいない。誰か本格的な論争を臨んでくるのがおれば『さあ来い』と思っている」とも述べた。

そりゃ、海上保安庁が逮捕したという事実、証拠物は公開できないという考え、検察が不起訴とした判断、個別に見れば、正しいのかもしれない。しかし、そられについて政治は何も責任を負わなかった。ただ、ひたすら海保と検察という「現場」に押し付けただけである。それを「全て正しい」「さあ来い」などとよく言えたものだ。そういうことは政治的判断・指揮権発動で「レアアースと邦人の安全」のために釈放させ、証拠物であっても「国民のために」公開してから言うべきものだ。少なくとも映像非公開の結果、不必要な映像流出事件を招き、海上保安庁から大量の処分者を出してしまった。また、未だに尖閣諸島には度々、「漁政」が現われ領海侵犯まで行い海上保安庁は緊張を強いられている。

批判も無視すれば存在しないのだろう。

もっとも、今になって批判しても無意味だということも民主党は自ら明らかにしている。

小沢氏、中国漁船衝突事件の政府対応を批判

 民主党の小沢一郎元代表は2日、国会内で開いた自らが会長を務める勉強会「新しい政策研究会」であいさつし、平成22年9月の尖閣諸島沖中国漁船衝突事件で逮捕した中国人船長を「検察判断」で釈放した当時の政府対応について「本当に政府の政治のあり方か」と批判した。また領海侵犯船の対応について「普通の国家なら拿捕(だほ)か、どうしても言うことを聞かなければ撃沈という話につながるが、そういう発想がまったくない」とも述べた。

いまさら「野戦軍司令官」が何を言う。もう1年以上経過している。なぜ当時、政府や民主党で強く言わなかったのか。それが政権与党の政治のあり方か。

では、野党はきちんとこの問題を追及できているのかといえば、そんなことは全くなかったりする。野党といっても民主党の前に政権を担っていた自民党のことである。彼らの責任も重い。

1月31日 衆議院予算委員会 町村信孝氏(自民) 1

よもや私は武力では来ないと思います。しかし今、識者が心配してるのは、何百という漁船が来て、民間の、本当は民間かどうか分からないけれど、一応民間を装った人があの尖閣に何百人上陸した時に、日本の法制で対処できないんですよ。

私どもは、たとえば当然警告をする、警告射撃をする。しかし、民間の船に対してそれを撃沈するという武力行使、実力行使はできないんですよ。

従って、私たちは領海警備法というものが必要だ、こういう主張をしているのでありますが、防衛省は平成13年11月の自衛隊法改正でもう十分だと、こう言っているんです。

防衛大臣、今私が申し上げたような事態が起こった時、どう対処されますか?


田中防衛大臣 ただ今提案をされると予定されております領海警備法につきましては、提案をされましたら真剣に検討を致したいと思います。

現在のところ、領土・領海の治安の維持につきましては、ご存知の通り、警察や海上保安庁が第一義的な対応の責任を有しているところでございます。これからご指摘のあるような事案がございましたら、警察あるいは海上保安庁との連携を取って自衛隊の訓練をいたしておるところでございますので、ま、自衛隊は警察機関では対処が不可能な場合等につきましては、治安出動や海上警備行動を発令して事態に対処をするという状況でございます。

町村 あの、大臣、提案があればというより僕は内閣として責任を持ってもらいたいということを言っているんです。それは警察やら海保は、特に自衛隊が出てきちゃいけないという例の権限争いが起きているんです。だけれども、それを乗り越えて、まさに政治判断で、大臣、これは新法を作らないと対処できないことは、もう法律的にはっきりしているんですから。

この言い回しでは、領海警備法とやらができれば、何百という民間船に対して自衛隊が撃沈できるようになると主張しているようにしか思えない。当然ながらそんなことは無理だ。

しかも、自衛隊が領海警備できないのは海保の権限争いのせいだという。どこまでふざけたことを言うのか。尖閣諸島では権限争いどころか海保巡視船と海自P-3Cが連絡を取り合って日夜警戒を行っているではないか。

そもそも自衛隊が領海(領域)警備をすれば万事解決するというのは幻想に過ぎない。もし法律が成立したとしても、運用上装備上解決しなければならない新たな問題は多数出てくる。

尖閣諸島問題や領海問題をここまで放置してきたのは、それこそ自民党政権に大きな責任があるのに、良くぞここまでいえたものだ。われわれには責任はない。民主党の対応と海保の権限に問題があるというだろう。



さて、中国が対立の海にしているのは東シナ海だけではない。尖閣諸島での中国漁船の違法操業が、日中間の摩擦のきっかけとなったように、黄海でも同様の違法操業が火種となっている。

そして共通しているのは、中国のほうがあくまでも被害者だと主張しているところだ。

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tag : 海上保安庁 中国 領海警備 EEZ 東シナ海 ガス田 共同開発 尖閣諸島 韓国 海洋警察庁

2012-02-05 : 尖閣諸島問題 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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中国の尖閣「棚上げ」の裏で進む、海事機関の「尖閣海域常態化」

昨年末、ある外交文書が公開された。そこに記されていたのは日中国交正常化の裏で行われていた尖閣諸島棚上げ「合意」についてだった。

周恩来首相 尖閣の議題避ける(NHK 2011年12月22日)

1972年の日中国交正常化交渉の際の当時の田中総理大臣と、中国の周恩来首相との会談で、田中総理大臣が尖閣諸島の領有権の問題を提起したのに対し、周恩来首相は「今回は話したくない」と述べ、議題にすることを避けたことが、22日に公開された外交文書で分かりました。専門家は「中国は事実上、尖閣諸島を放棄したとみなされてもやむを得ない」と指摘しています。

9月25日から4日間にわたって行われた田中総理大臣と周恩来首相の会談記録によりますと、田中総理大臣は、交渉3日目、突如「尖閣諸島についてどう思うか」と切り出しました。これに対し、周恩来首相は「尖閣諸島問題については、今回は話したくない。今、これを話すのはよくない。石油が出るから、これが問題になった。石油が出なければ、台湾もアメリカも問題にしない」と述べ、別の話題に転じ、議題にすることを避けました。一連の会談を通じて、尖閣諸島に関するやり取りは、この部分だけで、会談のあと、日中両政府は、国交正常化の共同声明に調印します。


【外交文書公開】要旨(3)尖閣諸島領有権問題棚上げ

 (昭和48年4月、董必武国家副主席の小川平四郎駐中国大使への発言。極秘)

 中国と日本の間には陸地での国境の問題はない。台湾の問題もあり、(尖閣諸島の)魚釣島の問題もあるが、魚釣島問題については今後道理をもって話し合えばよい。

 (47年9月27日、田中角栄首相と周恩来首相の第3回首脳会談。極秘)

 田中氏 尖閣諸島についてどう思うか。私のところに、いろいろ言ってくる人がいる。

 周氏 尖閣諸島問題については今回は話したくない。今これを話すのはよくない。石油が出るから、これが問題になった。石油が出なければ台湾も米国も問題にしない。

だが、こうした「棚上げ」発言とは裏腹にその数年後には中国の武装漁船団が尖閣諸島に大挙出現し、海上保安庁巡視船と一触即発の状態にまでなった。

関連エントリ:中国の武装海上民兵は過去に尖閣諸島に来ている・その1その2その3

その後、このときの騒動を「なかったこと」にするかのように日中国交正常化が行われる。
そして最近似たようなことが起きた。

野田首相、日中友好演出に躍起 首脳会談で尖閣触れず

 首相も友好ムード演出に必死となり、会談で、沖縄県・尖閣諸島の領有権を主張するどころか、東シナ海での中国海軍の権益拡大など安全保障上の懸案には一切触れなかった。

 「海についてはいろいろなことがこれまであったが、多層的・重層的に対話して解決するチャンネルを作るという意味で成果があった」

 首相は25日夜、同行記者団にこう自賛した。

 確かに外務省次官級をトップとする海洋当局間の海洋協議、日中海上捜索・救助(SAR)協定締結合意など両国の海洋協力に関する枠組みづくりには前進があったともいえる。

首脳会談では懸案の尖閣諸島には一切触れず、友好ムードの演出に腐心し、海洋問題については外務省次官以下実務レベルに丸投げしたのだ。

クローズアップ2011:日中首脳会談 具体策なき連携 対北朝鮮「拉致」の壁

◇海上危機管理は端緒

 来年の指導部の交代を控え、日本との関係を「中国にとって敏感な問題であり、大きなリスク」(中国政府関係者)ととらえる中国は、「中国の発展は日本のチャンスだ」と繰り返し強調する野田首相の年内訪中を成功させ、日中関係を安定軌道に回復させることを重視。東シナ海の海洋問題をめぐる対話の枠組み「日中高級事務レベル海洋協議」について、秋以降協議を加速させ、合意に結びつけた。

 清華大学現代国際関係研究院の劉江永副院長は毎日新聞に対し「想定外の緊急事態が頻繁に起きては両国の国民感情は良くならないとの認識は昨年の釣魚島(尖閣諸島)の事件以前からあった。(今回の野田首相訪中で)友好機運に弾みがつくことで、海上危機管理の問題の進展が期待できる」と語る。

 枠組みは、外交当局の次官級でつくる年1回の「共同指導委員会会議」をトップに、外交当局の局次長級が主催して関係省庁が参加する「全体会議」を設ける。日本から外務省▽水産庁▽海上保安庁--など、中国から外務省▽農業省▽国家海洋局--などが参加。そのうえでテーマごとにワーキンググループ(WG)会議を設け、関係省庁が協議。全体会議とWG会議は年2回を想定している。

 ただ、今回は定期的な関係者による協議の枠組み設置にとどまった。日中関係筋は「日本は総括的な組織がほしいのだろうが、中国は各省が別々に動いており、総括的な組織は難しい」と解説する。WG会議のテーマも何を話し合いのテーブルに載せられるかは定まっていない。

 また、東シナ海のガス田共同開発をめぐる条約締結交渉の再開など、すでに日中間で協議の枠組みがあるものはテーブルには載らない見通しだ。ガス田をめぐっては、今回の首脳会談でも再開を求める日本側と、再開に慎重な中国側が平行線をたどったままだ。海の問題一つとってもまだスタートラインに立ったにすぎない。

本当に日中間の海上危機管理メカニズムが実効的なものになるのかは疑問を呈さざるを得ない。

海上危機管理で協議機関設置へ協力 玄葉外相訪中

 玄葉光一郎外相は23日、中国を訪問し、温家宝首相や楊(よう)潔(けっ)●(=簾の广を厂に、兼を虎に)(ち)外相と会談した。両外相は海上での不測の事態に備える「危機管理メカニズム」の構築に関し、協議機関設置に向けて協力することで一致した。日中韓3カ国の投資協定に関し年内にも実質合意を目指すことを確認した。玄葉氏は東京電力福島第1原発事故を受けた日本産食品の輸入規制の一層の緩和を要請。楊外相は「安全確保を前提に真剣に検討したい」と応じた。一方で、中国海軍の艦艇6隻が22日から23日未明にかけ沖縄本島と宮古島の間の海域を通過するなど、中国側の硬軟織り交ぜた対日戦略をうかがわせた。 

なにせ、以前から設置されていた海上保安庁と国家海洋局の「不測の事態に備えた連絡メカニズム」が全く機能していないのだ。

海上保安庁と中国国家海洋局の話し合いについて

1.海上保安庁と中国国家海洋局の話し合いは、7月20日(金曜日)、東京において開催された。この話し合いには、我が国から古澤ゆり海上保安庁国際・危機管理官及び秋葉剛男外務省アジア大洋州局中国課長をはじめとする海上保安庁及び外務省の関係者が、中国から陳越(ちん・えつ)国家海洋局国際合作司副司長をはじめとする国家海洋局及び外交部の関係者がそれぞれ参加した。

2.この話し合いは、これまでの東シナ海等に関する日中協議において、東シナ海における不測の事態に備えた連絡メカニズムについて、各々のカウンターパートを照合しつつ政府全体の連絡体制を充実させる第一歩として、海上保安庁と中国国家海洋局との間で話し合いを行っていくこととなったことを踏まえて行われたものである。今次話し合いにおいては、互いの所掌事務等についての説明等を行うことで、相互の理解を深めることができた。

関連エントリ:「海保依存」と「海保不在」の海洋安全保障

そこに新たな危機管理メカニズムを作るといっても、到底役に立つものになるとは思えない。EEZ調査の事前通報制度もその代表格だ。

また日中SAR協定自体は以前より早期締結が望まれていたものだ。二国間SAR協定は冷戦中の日ソ間でも存在し、その海域の救難活動での協力をよりしやすくするものだが、海上保安庁が将来的には縮小され中国の海洋機関が増強されつつある現状では、海域を「中国の海」とする危険性も孕んでいる。

関連エントリ:デマと妄想の海で孤立する海上保安庁

だが日本にはそうしたオーシャンガバナンスの低下に対する危機感は乏しい。
領海警備強化とは名ばかりで、責任と負担を現場に押し付けているだけに過ぎない。

海上保安庁、領海警備強化へ(東京都)‎(NNN リンク切れ)

海上保安庁は現在、日本の領海警備を強化するための法改正に向けた取り組みを進めている。しかし、沖縄・尖閣諸島沖で領土主権を主張する漁業監視船の対応などについては課題が残されている。 10年に尖閣諸島沖で起きた中国漁船衝突事件をきっかけに、海上保安庁では、現場での判断が難しく、明確でなかった、外国漁船や不審船などに対する海上での警察権のあり方について見直しを行ってきた。

 海上保安庁によると、今までは、日本の領海内に侵入した外国の不審船などに対しては、立ち入り検査を行い、事実確認することが必要とされていたが、海がしけている場合などは現場での対応が難しい実情があった。これを、勧告に従わない船には立ち入り検査を行わずに退去命令を出せるようにする。また、尖閣諸島などの離島の「陸上」で起きた犯罪に対しては、海上保安官には司法警察権がないため、捜査ができなかったが、警察官がたどり着くまでの間、一時的に捜査活動ができるように海上保安庁法を改めるという。これらの法改正案は、1月から始まる通常国会で提出される。

 しかし、課題として残るのは、外国の漁業監視船や海洋調査船などの公船についての対応。11年8月には、尖閣諸島・久場島沖の日本の領海内に「魚釣島周辺は中国固有の領土である」と主張する中国の漁業監視船2隻が侵入する事案が発生した。公船については、国際海洋法条約などでは、「動く他国の領土」として治外法権が認められているため、立ち入り検査など強制的な対応は取れないのが現状となっている。本当の意味での領海警備を強化するためには、海上保安庁は「政府全体での議論や外交努力が必要だ」としている。


海保の警察権強化 不審船に検査なしで退去命令‎(日経電子版 リンク切れ)

政府は2010年の尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件などを踏まえ、海上保安官の警察権を強化する。不審船への立ち入り検査を経ずに退去命令を出せるようにする。無人島に不審者が上陸した場合、警察官に代わって捜査もできる。今月下旬に召集する通常国会に海上保安庁法と外国船舶航行法の改正案を提出し、成立をめざす。

海保によって退去命令が出された不審船がその後深刻な事態を引き起こした場合、検査しなかった責任を取らされるのは言うまでもなく海保自身だ。陸上捜査権も権限強化といえば聞こえがいいが、陸に上がっても対応は全て海保に投げるということである。「本当の意味で領海警備を強化するための、政府全体での議論や外交努力」が行われているだろうか?

尖閣諸島の権益保護に政策的に取り組んでいるのは、政府よりもむしろ、いや当然とも言っていいが地元自治体のほうである。

魚に「尖閣ブランド」石垣市、地域商標申請へ

 石垣市は尖閣諸島海域で漁獲された魚類の冠に「尖閣」とつける地域団体商標の登録申請を準備していることが29日までに分かった。2011年度一般会計の12月補正予算で、魚介類ブランド化事業補助金として20万円を確保、八重山漁協(上原亀一組合長)に申請にかかる費用を全額補助する。特許庁への申請から商標の管理までを八漁協にしてもらう計画だ。

 市は、尖閣周辺で漁獲される魚に「尖閣マグロ」などと付け、ブランド化したい考え。どのような魚を対象とするか、「尖閣」がどの海域を指すのか、といった具体的な計画については今後詰めていく。

感謝状2点文化財指定へ 中華民国が贈る、尖閣列島遭難救護で

 石垣市教育委員会(石垣朝子委員長、4人)の12月定例会が26日午後、市教委2階ホールで開かれ、1920(大正9)年当時に中華民国駐長崎領事が石垣村長らに贈った尖閣列島遭難救護の感謝状を市文化財に指定することを決めた。

 指定されるのは「豊川善佐宛尖閣列島遭難救護の感謝状」「玉代勢孫伴宛尖閣列島遭難救護の感謝状」の2点。市教委から諮問を受けた市文化財審議会が答申し、この日の定例会で承認された。

「尖閣開拓の日」石垣で200人式典

石垣市は14日、同日の「尖閣諸島開拓の日」に合わせて式典と記念シンポジウムを市民会館で開いた。昨年に続き2回目で市民約200人が参加。式典では中山義隆市長が「尖閣マグロなどのブランド化事業をはじめ好漁場の利活用、観光遊覧などの事業展開を創造したい」と述べ、市の行政区域である同諸島への上陸に向けて国へ要請を継続すると宣言した。

 シンポでは研究者ら6人が同諸島を含めた東シナ海の漁場や海底資源などの活用法で論議。東海大学海洋学部の山田吉彦教授は「中国は南シナ海重点政策をとり始めている。今は東シナ海を利用する好機」と提言した。

石垣市:海洋計画策定に着手 尖閣周辺の活用視野

石垣市は13日、「石垣市海洋基本計画(仮称)」の策定に向けた委員会の初会合を開いた。同計画で尖閣諸島周辺海域も含めた海や川の利活用、保全の指針を定めるほか、台湾や中国など周辺諸国との関係性について市の考え方を示す予定だ。

 海洋資源や海底資源の開発、地理的優位性を生かした国際交流、漁業振興など地域経済振興の在り方、サンゴ礁や生態系、沿岸域の保全、海洋における安全確保などについて方針を定める。計画期間は2013~17年度までの5年間。12年度中に計画を策定する。


そして、年明け早々地元の市議会議員が再び尖閣諸島に上陸した。

尖閣諸島に石垣市議ら上陸、巡視船が確認

 3日午前9時半頃、沖縄県石垣市の尖閣諸島・魚釣島に、同市議ら4人が上陸したのを海上保安庁の巡視船が確認した。4人は漁船を使って島に接近し、約1時間半滞在した後、石垣島方面に戻った。島を管理する国の許可を得ずに上陸しており、軽犯罪法に抵触する可能性もある。

 第11管区海上保安本部(那覇市)などによると、上陸したのは仲間均、仲嶺忠師両市議ら。2日夜、漁船に乗り込んで石垣島を出発し、3日朝、約170キロ北西の魚釣島付近に到着。上陸直前、周辺を監視している巡視船の立ち入り検査を受けた際には「釣りに行く。島には上陸しない」と答えたが、手こぎボートに乗り換えて上陸したという。

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尖閣諸島に石垣市議ら4人上陸 海保の立ち入り検査後

 11管によると、海上保安庁職員が安全確認のため漁船に立ち入り検査した後、市議らは「上陸はしない。釣りをする」と話して、ゴムボートに乗り換えて島の南西端から上陸したという。石垣市は尖閣諸島の行政管轄権を持つが、国は同諸島への上陸を禁止している。市議らは2日午後10時40分ごろ、魚釣島から約170キロ離れた石垣港を漁船で出発、3日午前9時ごろ同島付近に到着したという。


日本の領土に上陸できないのはおかしいという心情は分からなくもない。しかし、これは海保の検査を受けた上での「だまし討ち」のような形で行われた。そのときの様子を偶然、同時期に同海域で釣りに来ていた「チャンネル桜」の水島氏らが映像に納めている。


映像からも分かるとおり、海保の検査を受けている裏で隙を見てゴムボートで上陸し始め、さらにはダイバーを潜らせておくことで海保GB(RHIB)が阻止できないようにしている(船外機でダイバーを傷つける危険があるためRHIBが接近できない)。「釣り」で我慢していた水島氏が声を荒らげるのも分からなくはない(もっとも「チャンネル桜」で流されている主張全てに賛同するわけではないが・・・)。

また、現行の方針では軽犯罪法に抵触するため韓国メディアにおいては「不法」上陸として報じられている。

日本の市議会議員4人が尖閣諸島に不法上陸‎

読売新聞電子版など日本メディアは3日、沖縄県石垣市の仲間均市議会議員ら4人がこの日午前に尖閣諸島のうち最も大きい魚釣島に上陸した。彼らは2日午後10時40分ごろに魚釣島から約170キロメートル離れた石垣港を出発した。彼らは上陸から1時間で島を離れた。石垣市議会の「尖閣諸島を守る会」の会員の仲間議員らは尖閣漁船衝突事件が発生した2010年9月に市議会で「尖閣諸島視察を認める法案」を可決させた。同年12月に日本政府の許可を得ずに尖閣諸島の南小島に上陸した。

日本政府は尖閣諸島が行政区域上は石垣市に属すると主張しながらも島への上陸は禁止している。警察は国の許可なく上陸した仲間議員らを軽犯罪法違反容疑で取り調べる方針だ。



中国:沖縄県石垣市議らの魚釣島上陸で日本側に正式に抗議-外務省

中国は、沖縄県の石垣市議会議員らが尖閣諸島の魚釣島に上陸したことに関し正式に日本側に抗議した。中国外務省の洪磊報道官が述べた。

日本政府の方針が日本人の上陸を「犯罪行為」とし、それを海外で宣伝させている・・・。

日本政府には責任を持って尖閣諸島問題に対処するつもりはないのだろう。
その態度が如実に現われた対照的な出来事がある。尖閣諸島への議員視察と北方四島への大臣視察の違いである。

衆院議員2人 尖閣諸島を海上視察

尖閣諸島を海上から視察したのは、民主党の向山好一氏と自民党の新藤義孝氏で、20日夜遅く、石垣市議会議員らとともに、沖縄県の石垣島の漁港を民間の漁船で出発しました。そして、21日午前6時ごろ、尖閣諸島近くの海域に到着し、魚釣島などの様子をおよそ5時間にわたって海上から視察しました。視察を終えたあと、両氏は記者会見しました。この中で新藤氏は、「周辺に良好な漁場があるにも関わらず、島を無人のまま使っていないうえ、国が上陸させないということが問題だ。尖閣諸島周辺で操業する漁船が利用できる港などを整備すべきだ」と述べました。また向山氏は、尖閣諸島の多くの島を個人が所有し、国が借り上げていることに触れ、「尖閣諸島はわが国の国境を守るのに重要な土地なので、国有化を進めていかなければならない」と述べました。両氏によりますと、国会議員が、尖閣諸島を海上から視察するのは平成9年以来15年ぶりだということです。

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尖閣諸島を海上視察

今回の尖閣諸島の海上視察は、「頑張れ日本!全国行動委員会」が計画したもので、「日本の領土を守るため行動する議員連盟」に所属する、自民党の新藤義孝氏 、民主党の向山好一氏と共に参加いたしました。

我々の出航と共に、石垣海上保安部の巡視艇『なつづき』が、我々の船と帆走し、監視を行っていましたが、空には海上保安庁の航空機や海上自衛隊の哨戒機が、低空飛行で尖閣諸島周辺をパトロールしており、我が国政府の確固たる実効支配を確認出来ました。

※「実効支配」とは軍隊や反政府組織によってその地域が実質的に支配されているものの外国政府などの国家承認が得られていない状態のことであって、「日本固有の領土」である尖閣諸島に対しては使うべきではない。

自民・新藤氏、「尖閣諸島」有人化の必要性強調 党会合で視察報告

沖縄県・尖閣諸島周辺を海上視察した自民党の新藤義孝衆院議員は26日、党の「領土に関する特命委員会」(石破茂委員長)で、視察内容を報告した。新藤氏は「周辺に豊富な漁場があるのに使われていない」と有人化の必要性を強調。周辺で操業する漁船のための避難港や気象台など公共施設の整備を行うよう訴えた。

超党派の議員といえばなにやらご立派にも聞こえるが、視察に使ったのは民間の漁船である。以前も、尖閣諸島の上空視察で議員が海保機を使いたがっていたが結局民間機になったという経緯があった。もちろん海保が忙しくて視察などに付き合ってられないということもあるだろう。しかし、政府としての視察を公式に行うことによって事を荒立てるようなことは避けないという方針があるのは想像に難くない。

 一方、玄葉外務大臣による北方領土の視察には海上保安庁の巡視船が使われた。

玄葉外相:北方領土を視察 問題解決に意欲示す

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根室海上保安部の巡視船「かりば」から双眼鏡で国後島を視察する玄葉光一郎外相
=北海道の根室海峡で2012年1月14日(代表撮影)

玄葉外務大臣の根室管内訪問(概要)

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もちろん、与党議員が参加したとはいえ議員個人による視察と外務大臣による公式視察では大きな違いがある。だが、その違いこそが尖閣諸島問題において日本が及び腰になっている何よりの現われである。返還を望む島民には申し訳ないが現状では北方領土問題の解決は極めて困難だ。いくら国際法上の正当性を主張しても、一度手放してしまった、そうせざるを得なかった領土の平和的返還は難しい。この問題に対して日本の立場は弱い。しかし、外務大臣が(そして以前には首相も)度々視察を行っている。

一方、日本が優位にあったはずの尖閣諸島においては、上陸を認めず大臣が近づくことさえない。もちろん完全に優位性が維持されているのなら事を荒立てなくてもいいだろう。しかし、確実に、日本は、そして現場の海上保安庁は追い込まれてきている。


仲間議員が上陸していた前後、大陸でも尖閣諸島を目指していた一団があった。いわゆる保釣活動家たちである。

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tag : 海上保安庁 中国 海監 領海警備 EEZ 尖閣諸島 中国海事局 UAV 東シナ海 調査船

2012-01-30 : 尖閣諸島問題 : コメント : 1 : トラックバック : 0
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