日本側海域における海監の行動が本格化?繰り返し海保測量船を妨害

今回の海監はしつこい。

こう数日おきに現われては中止要求を繰り返すのは初めてのことだ。

海保調査に再び中止要求=中国政府船、日本のEEZで-沖縄

 28日午後7時45分ごろ、沖縄・久米島から北西約140キロの日本の排他的経済水域(EEZ)で、海洋調査を行っていた海上保安庁の測量船「昭洋」と「拓洋」に中国政府船「海監66」が接近し、調査の中止を要求した。中国側から同様の要求があったのは今月19日に続いて今年2回目で、通算4回目となった。

どうしても、海保による調査活動を辞めさせたい事情があるのだろう。

しかも、今回姿を現した海監の1隻は海保にとって屈辱的な存在でもある。

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 海上保安庁海洋調査課によると、海監66は約10分間、日本の測量船に無線で「あなたたちが調査しているのは中国の水域だ。調査を中止せよ」と繰り返し伝えた後、約800メートルまで接近した。別の中国政府船「海監46」も付近で確認された。

「海監46」は同51とともに2009年に尖閣諸島の領海内に侵入。海保巡視船が追跡した船である。

◆中国海洋調査船「海監46号、海監51号」による尖閣諸島領海内侵入事案(平成20年12月8日)(海上保安レポート2010年版)

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関連エントリ:領海侵犯した中国船はただの調査船ではない -中国の沿岸警備組織・海監総隊-



当時の日本メディアはこの2隻の「海監」を監視船ではなく「調査船」であると報じ(実際に海洋調査装備もあるが)、ほとんど脅威とは捉えていなかった。中国側が「監視船による法執行」と報じているにもかかわらずである。

それが今やこの状況だ。

巡視船で海監を追跡し退去を呼びかけていた海保が、今度は(測量船だが)追われる立場となった。

中国「海監」、海保船に再三再四の調査中止要求

中国船は29日午前にも、調査中止を2度要求し、その後、同日正午過ぎに北西に針路を変えて測量船から離れていった。

 同庁によると、中国船2隻は2月28日夜、測量船に約800メートルまで近づき、無線で調査中止を要求した後、測量船から4~8キロの位置で並走を続けた。昭洋と拓洋は29日朝に周辺海域での調査を終え、海に沈めた調査機器を回収していたが、中国船2隻は同日午前9時40分頃に約550メートルまで再接近し、2度にわたり調査中止を求めてきたという。

海底地震計はリアルタイムでデータを送信しているわけではないので、地殻データの回収には地震計そのものの揚収が必要となる。その瞬間を狙った妨害活動といえるだろう。

 地殻データは大陸棚の構造を分析し科学分野だけでなく将来的には資源開発にも利用できる。どうしても東シナ海の資源を独占したい中国は、そうした情報を日本が得ることを阻止したいのだろう。共同開発などという考えが一片たりとも彼らの脳内に存在しないことが示されている。

 また、先日の日本側の報道では無人島命名への対抗措置とした記事があったが、おそらくはそれだけでなく海上保安庁の権限が強化されることへの警戒があるといえる。

 実を言うと今までにないほどに日中海上機関は緊迫しているはずなのだが、日本政府の対応はその緊迫感を微塵も感じさせないものだった。

中国船、海保調査に中止要求 官房長官「遺憾」

 藤村修官房長官は29日午前の記者会見で、東シナ海の日本の排他的経済水域(EEZ)で海洋調査をしていた海上保安庁の測量船2隻が、中国の公船から28日夜と29日午前の2度、調査中止を要求されたと明らかにした。海保の測量船は「我が国のEEZで正当な調査活動をしている」と回答し、調査を続けた。

 藤村長官は「正当な調査に対して中止要求を受けたことは誠に遺憾だ」と強調。「調査活動を継続し、外交ルートを通じて抗議した」と説明した。

型どおりの遺憾表明と外交ルートによる抗議の申し入れである。

 一方中国の反応は激しさを増していた。

海保調査に不満表明=中国外務省

中国外務省の洪磊・副報道局長は29日の記者会見で、沖縄・久米島沖の日本の排他的経済水域(EEZ)で海洋調査をしていた海上保安庁の測量船に対し中国側が中止を要求したことについて「日本側は中国側の反対を顧みず、東シナ海の係争中の海域で再三にわたり一方的な調査活動を行っている」と述べ、不満と反対の意を表明した。 
 洪副局長は「中国側の利益を損なわず、東シナ海の平和や安定と中日関係の大局を守るべきだ」として、日本側に直ちに調査活動を停止するよう要求した。

中国はあくまで日中中間線の存在を認めず、「係争海域」であると主張。さらにその争いの原因は日本にあると表明した。

彼らは今回の調査を、海上保安庁海洋情報部による科学的な調査とは見なしていない。勝手に軍事的背景を描いているようだ。測量船による調査、海保の権限強化、無名無人島への命名、さらには防衛研究所が毎年出しているレポート(といっても中国単独のレポートは昨年から)の発表。それらがすべて中国包囲網だという被害妄想に駆られている。

日本、新たな海洋立国戦略を強化 中国に対する動的防衛構築

中国の監視船が日本の違法調査に対して警告した件について日本では様々な内容が報じられており、中国があたかも主体性を強めたかのようであるが、実際には中国は通常の権利を守る行動を取っただけで、中国の監視船と関係当局の行動はこれが最初ではない。

中国側の繰り返しの警告にもかかわらず日本が調査を停止しないのは何故か?それについて李主任は、最近日本の防衛研究所が作成した「中国安全保障レポート」を連想、その細部に注意するべきことがあると指摘する。レポートは中国の南中国海における強硬な姿勢について触れており、近い将来東中国海問題でもそうした傾向がみられる可能性があるとしているのだ。これは日本が中国の脅威を大げさに宣伝する手段といえる。

これは孤立現象ではなく、日本の新たな海洋立国戦略の具体的なステップを示している。彼らは海上保安庁の監察権と実行支配力をさらに強め、海上自衛隊と海上保安庁の協力を強化し、中国に対する動的抑制を形成しつつある。これらの行動はいずれも中国に対する動的防衛を構築するための足掛かりなのだ。

尖閣諸島などへの不法上陸者を海上保安庁が逮捕すれば、彼らにとっては中国領土内への侵略であり善良な中国人民に対する不法な行為となるわけだ。次は、海上保安庁が攻撃してきたとでも主張し「反撃」でも加える気なのだろうか。

関連エントリ:海上保安庁に陸上警察権が付与される意味

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tag : 海上保安庁 測量船 中国 海監 尖閣諸島 東シナ海 EEZ

2012-03-03 : 海上保安庁 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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