4年前の悪夢再び、海監50が尖閣諸島領海へ侵入

海上保安庁測量船への妨害を繰り返し行ってきた海監がついに、尖閣諸島周辺にまで現れた。
そして、4年前の領海侵入事案をなぞるかのように、領海内へと入った。

中国監視船、尖閣で一時領海侵入 付近「巡視」公表

 第11管区海上保安本部(那覇)によると、16日午前6時ごろ、尖閣諸島・久場島から北東約40キロの日本の接続水域内で、中国船「海監50」「海監66」の2隻が南南西に向けて航行しているのを、同本部の巡視船が発見した。無線による警告に「中国の領土だ」と応答している。同本部によると中国船は一時、日本の領海内に侵入した。

 一方、中国国営の新華社通信によると、中国国家海洋局は16日、海洋監視船2隻が尖閣諸島近くの海域に同日早朝に到着し、巡視活動を始めたと発表した。尖閣付近での巡視をただちに公表するのは極めて異例。

96958A9C9C8197E09B9C99E2E08DE3E4E2E1E0E2E3E0E2E2E2E2E2E2-DSXBZO3963594016032012I00001-PB1-7.jpg
日本の接続水域内を航行する中国船「海監50」。奥は海保の巡視船
(16日午前、沖縄県・尖閣諸島久場島の東南東約27キロ)=第11管区海上保安本部提供・共同

その2隻は、新鋭監視船として合同パトロールでも宣伝されていた海監50および66だった。

関連エントリ:中国の尖閣「棚上げ」の裏で進む、海事機関の「尖閣海域常態化」

120116223103238811.jpg
「中国海監B-7115」ヘリコプター、「中国海監50号」、「中国海監66号」による編隊は
(2011年12月)16日、舟山から出発し、東中国海で初の海空合同巡視活動を実施しました。


4Z20120316GZ0JPG00065800100.jpg
日本の接続水域内を航行する中国船「海監50」(上)と「海監66」=
16日午前7時40分、沖縄県・尖閣諸島久場島の東南東約27キロ(第11管区海上保安本部提供)

海監66はそれだけでなく海保測量船妨害も行っている。あの時の妨害は、単に測量の妨害というだけでなく海保の行動について「慣熟訓練」を行っていたのかもしれない。

関連エントリ:東シナ海波高し、地震計設置まで妨害する中国海監
日本側海域における海監の行動が本格化?繰り返し海保測量船を妨害

前回は9時間も海保に追われつつ居座ったが、今回は25分。

014_01.gif
前回(2008年)の領海侵犯事案。この時は9時間も領海内に居座っていた。

まるで、「領海内に侵入した」という事実だけが欲しいかのような態度。
さらには、現場海域に到着すると即座に任務を公表し大々的に報じるなど明らかに「仕組まれた」ものだった。

尖閣付近の巡視を開始…中国海洋局、異例の発表

中国国家海洋局は16日、同局所属の巡視船「海監50」と「海監66」の2隻が同日早朝に沖縄・尖閣諸島(中国名・釣魚島)付近の海域に到着し、巡視活動を開始したと発表した。

 同局によると、2隻は日本の海上保安庁の巡視船の追跡を受けているという。同局が尖閣付近での巡視活動を開始直後に明らかにすることは異例だ。

 同局は巡視活動について「釣魚島の主権問題についての中国政府の一貫した姿勢を示している」と主張。今後とも定期的に巡視活動を行い、日本をけん制する考えを示唆した。



また、海保は警告表示に電光掲示板(ライトメール)を以前より使用しているが、「漁政」と同様に「海監」もそれを導入したようだ。今回はご丁寧に日本語表示を行っていたという。

尖閣沖に中国船 「魚釣島などは中国領土」と電光表示

 巡視船が所属などを明らかにしたうえで、航行目的を無線で尋ねたところ、中国船は「巡航任務を行っている。魚釣島を含む、その他の島は中国の領土である」と回答。同じ趣旨を船上の電光表示板で中国語、英語、日本語で表示している。中国船が日本語で表示するのは珍しいという。

9267802794f629c193600a.jpg


中国船「海監」2隻、尖閣周辺の接続水域外へ

 16日午前、沖縄県石垣市の尖閣諸島周辺の接続水域(日本領海の外側22キロ)内を航行していた中国国家海洋局の所属船「海監50」と「海監66」の2隻は午後2時半頃、同水域外に出た。


その後、「白樺」ガス田(中国名:春暁)に他の海監とともに集結し合同訓練も行ったという。

日本領海侵犯の巡視船、今日はガス田「白樺」周辺で合同訓練

沖縄・尖閣諸島沖の日本の領海に16日に侵入した中国国家海洋局所属の巡視船「海監50」と
「海監66」の2隻は17日、東シナ海のガス田「白樺」(中国名・春暁)と「平湖」の周辺に移動して他の巡視船4隻と
合流し、巡視ヘリも加わった海空合同訓練を実施した。

 中国国営新華社通信が伝えた。

 日中関係筋によると、巡視船6隻が集結し、東シナ海のガス田周辺で演習を行うのは異例。



今回の「侵入」作戦はかなり練られたものだったのだろう。

海監50就役以降の、合同パトロール宣伝、海監と海軍との協力発表、海保測量船への妨害、日本側の命名への対抗措置、中国版「海保」構想の発表。これらが一連の作戦の下で実行されていたことがわかる。尖閣衝突事件以降、海保への対処や海洋権益のアピールを「漁政」に任せていた中国が、再び「海監」をその、メインプレーヤーへと返り咲かせようとしているのは明らかだった。

中国、世論にらみ強硬姿勢 尖閣付近領海に監視船

 中国の海洋監視船が尖閣諸島周辺を巡航するのは2008年12月以来。中国側が強硬姿勢を示した直接的な背景には、今年に入ってからの尖閣諸島周辺の無人島命名を巡る日中間の応酬がある。中国のインターネットでは「政府は日本の勝手な振る舞いを許すな」などの書き込みが相次いだ。

 海洋局は今回、監視活動の開始をすぐにホームページで公表。異例の対応は国内世論対策の一環とみられる。国営新華社も船上の電光掲示板に「我が隊は現在、釣魚島にいる」と映した海洋監視船の写真を公開した。

 中国が派遣した海洋監視船は「海監50」「海監66」でいずれも11年に就役した最新型だ。中でも海監50はヘリコプターを搭載でき、中国保有の海洋監視船でも最大級だ。

 これまでも尖閣諸島周辺では、中国農業省漁政局に所属する漁業監視船がたびたび航行。海上保安庁の巡視船が警告を発して追い返していた。ただ、今回は中国軍の影響力が及ぶとされる海洋局所属の海洋監視船。日本政府は警戒態勢を強め、首相官邸内の危機管理センターに連絡室を設置して情報収集に当たった。

 今回、海洋監視船は尖閣諸島周辺の日本の接続水域内を航行し、一時的に領海内にも入った。接続水域とは領海の外側約22キロの範囲を指す。国連海洋法条約上は公海ではあるが、領海内への侵入や領海内での法令違反の防止を目的とした措置を取ることができると規定されている。

 日中両政府は昨年12月に海上安全保障を巡る定期協議の開始で合意。玄葉光一郎外相は海洋分野の協力により「海洋関連機関同士の信頼醸成を進めている」と強調している。

 ただ、中国では海洋進出を積極化すべきだとの声がますます強まっている。中国軍の羅援少将は6日、日本経済新聞などの取材に対し、海洋権益保護のために軽武装で領海警備に当たる「海岸警備隊」を創設すべきだとの考えを表明した。

 今回の海洋監視船派遣には、こうした海岸警備隊創設を狙う勢力によるアピールの意図もありそうだ。

中国船の領海侵入 「戦略継続の意思表示」“筋書き通り”の展開か

 海保幹部によると、「海洋調査船は国家の何らかの意図が働いて行動しているのは間違いない。侵入は偶発的ではない」と指摘する。海監は、海底地形の測量や領海警備まで行い中国の海洋権益を守る立場であるため、昨年8月に同じく領海に侵入した漁業監視船とは意味合いが異なる。中国中央テレビが昼のトップニュースで伝えるなど、中国側の反応も早く、“筋書き通り”の展開との見方もある。一方、別の海保関係者は、「中国版海上保安庁」の創設構想が中国内で浮上する中、以前からある機関が組織防衛のアピールで行動したのではないかとの声も聞かれた。


背景には「中国版海上保安庁・沿岸警備隊」(海岸警衛隊)構想があるという。その主導権を握るために海監が海洋警備組織としての存在感をアピールしたというのだ。

そして、当然このような事態を日本側も予期しておかなければならなかった。

領海一時侵入、外務次官が中国大使に抗議

 佐々江賢一郎外務次官は16日、中国政府の船が沖縄県・尖閣諸島付近の日本領海に一時侵入した問題で、中国の程永華(チョンヨンフア)駐日大使を外務省に呼び、「非常に深刻で容認できない」と抗議した。

 大使は尖閣諸島を中国領とする中国政府の立場を説明した。


佐々江外務次官、中国大使に抗議=尖閣周辺の領海侵犯

 玄葉氏は今回の領海侵犯について「どうも意図的だと思われる。二度とそういうことがないように私の立場からも厳重に伝えていかなければならない」と述べた。


「定期巡視活動」と反論=尖閣周辺の領海侵犯-中国

中国外務省の劉為民報道局参事官は16日の定例記者会見で、沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)周辺で中国の海洋調査船が日本領海内に入ったとの日本側発表について、「正しくない」との認識を示し、「正常かつ定期的な巡視活動だ」と反論した。

しかし、いつも通りの抗議に終始し、中国側に軽くあしらわれている有様。

それだけではない。その数日後には、民主党の輿石幹事長率いる訪中団と鳩山元首相が別々に中国を訪問。習近平副主席と会談した。

輿石氏ら民主党訪中団が北京へ出発 習副主席と会談へ

 民主党の輿石東幹事長を団長とする同党訪中団は23日午前、日本航空機で羽田空港を出発した。午後に北京に到着。次期最高指導者に内定している習近平国家副主席と人民大会堂で会談し、日中国交正常化40年に合わせ日中党間交流の拡大などをテーマに話し合う。

 今回の民主党訪中団派遣は、平成18年に当時の小沢一郎代表に立ち上げた両党定期交流事業「日中交流協議機構」として行われ、輿石氏や樽床伸二幹事長代行、仙谷由人政調会長代行ら計10人の党幹部が参加している。25日に帰国する。へ

今回の件に触れるかと思いきや、それどころかガス田共同開発交渉再開について「お願い」したのだという。

ガス田共同開発の交渉再開要請 中国・習氏に民主幹事長

 民主党の輿石東幹事長は23日、中国を訪問し、北京の人民大会堂で習近平(シー・チンピン)国家副主席と約50分間会談した。輿石氏は、東シナ海のガス田の共同開発をめぐる条約締結交渉の早期再開や、原発事故後の日本産食品に対する輸入規制の緩和を要請したが、習氏は明確な回答をしなかった。

 日本側出席者によると、輿石氏はガス田交渉について「中断して1年半。尽力をお願いしたい」と早期開催を求めた。習氏は「事務レベルで引き続き協議し、条件づくりをしていかなければならない」と語った。


抗議どころか、わざわざ頭を下げに行ったのだ。訪問先でわざわざ険悪なムードにする必要はないとはいえ、これが民主党外交の現実である。

彼らが、中国に媚び諂っている一方で、海保と海監は文字通りにらみ合い戦っていた。
日本では全く報じられていない「戦い」の様子を、中国メディアは記事にしている。

中国海監東海総隊責任者が語る釣魚島巡航の詳細①日本船と航空機による妨害

「海監50」「海監66」からなる中国船隊は今月16日未明5時ごろに釣魚島に近い海域に到達、黄尾嶼に入って24マイル後、「海監50」は日本保安庁の巡視船「PL62」が北東方面から高速でこちらに向かってくるのを確認。

760542044f6cccc0029c5.jpg

「海監50」が情況を尋ねたが、日本船はそれに答えず、追尾してきた。われわれは釣魚島方向に航行を続け、日本船に立場と身分を明らかにし、「釣魚島およびその付属島嶼は昔から中国固有の領土である。中国監視船隊は釣魚島近くの海域で定期巡航を行っている」と告げた。

同日5時ごろ、日本海上保安庁の巡視船「PL62」「PLH06」「PL61」の3隻が釣魚島付近の海域に到着。8時ごろ、「PL62」と「PLH06」の2隻がそれぞれ中国の「海監50」と「海監66」を追尾し、進行を妨げた。

1819960164f6cca63151d7.jpg

1332048458500219-1332048458504125.jpg

20983901964f6ccb3990680.jpg

12490188024f6ccb879f028.jpg

19528876074f6cc6ba0dd62.jpg

7701677014f6cc7a0d4b39.jpg

9時ごろ、日本海保庁は哨戒機と海上自衛隊の偵察機を飛ばし、中国の船隊を偵察。日本船もこちらに向かって叫んだ。

8131128274f6cc4f71be64.jpg

16134168954f6ccc14f301c.jpg

日本側の妨害に対し、中国の船隊も対抗し、日本船に繰り返し立場を表明、日本側の行為に警告を発し、「海監50」の両サイドにあるディスプレイでも中英日の3ヶ国語で警告を続けた。

9267802794f629c193600a.jpg

中国海監船隊は釣魚島の14から12海里の海域を巡航。当日午後2時に島を一周した後、北東方向に向きを変更し、東中国海の天然ガス田近くの海域に向けて航行した。


今回のこの行動を彼らは日本側の企み=「時効取得」を打ち砕いたと自画自賛している。

中国海監東海総隊責任者:釣魚島巡航で日本の「時効取得」の企みを阻止

中国海監船隊は釣魚島とその付属海域で巡視活動を行うことで、日本側のいわゆる「時効取得」の企みを実際の行動によって断念させ、打ち破り、「存在を顕示し、管轄を具体化し、主権を公に示す」目的を達成した。これは、今年に入って以来の釣魚島問題における日本側の頻繁な動き、わが方に一歩一歩迫ってくる行為に対する対応でもある。

だが、日本にとっては尖閣諸島は1895年に編入されて以来日本固有の領土であり、わざわざ「時効取得」などする必要などないのである。

そもそも「時効取得」という論法自体、中国自身が否定しているのにどうやってそれを打破したのだろうか。

尖閣問題:50年で時効取得の論法は無効=中国外交部

 ネットユーザーから「日本は尖閣諸島(中国名:釣魚島)をすでに30年以上も占拠しており、さらに10年あまりが過ぎれば現在の国際法に基づき中国は永遠に尖閣諸島に対する主権を失う可能性がある。中国政府に良い策はないのか?」という質問が寄せられた。

  これに対しトウ司長は「この論法は正確とはいえない。尖閣諸島および周辺の諸島は中国の領土であり、もともと『主権の存在しない土地』ではない。日本が行っている尖閣諸島周辺水域のいわゆる『管理』は中国の主権を侵犯するものであり、非合法で無効である。永遠に尖閣諸島およびその周辺諸島が中国に所属していることは変えられない事実である。」と答えた。

時効取得が成立するとしても、1895年からカウントすることになり1945年には中国の主権は及ばないということになるのだが・・・・どこから30年という数字が出てきたのだろうか

それはおいておくとして、中国海監は今後も装備や勢力を強化し「青色国土」を守るという。つまり彼らにとっては「青い海」は、人類共通の財産などではなく中国の国土でしかないのだ。

中国巡視船、悪天候以外は毎日巡航 装備能力向上へ

06年7月にまず東中国海の中国の管轄海域で定期巡航を行って以来、こうした巡航を随時行ってきた。海況や天候が許すかぎり、東中国海区管轄海域で少なくとも毎日監視船2隻と哨戒機が海上を巡航している。

「中国海監」は現在航空機9機、監視船・ボート380隻以上、専用車両500台以上を保有、うち1000トン以上の監視船は27隻。近年装備が格段に向上したが、「国連海洋法条約」の規定と中国政府が主張する300万平方キロの「青色国土」の海洋権益を守る任務を確実に実行するため、その装備能力をさらに高める必要がある。



それだけではない。国家海洋局の事実上の広報紙である「中国海洋報」に掲載された論説には驚くべきことが書かれていた。

中国「権利維持のため“拳骨”に“殺傷力”追加した」=尖閣諸島 

 国家海洋局に所属する「海監」を尖閣海域周辺を巡航させたことについては、「実際の行動で、釣魚島(尖閣諸島の中国側通称)の主権についての中国政府の一貫した立場を改めて示すもの」、「釣魚島の目下の複雑な情勢のもとで、中国政府が公務執行のパワーを計画的に出動させることは理にかない、節度あることと、事実をもって説明」と論じた。
  論説はさらに、「権利維持のためには、拳骨の組み合わせが必要だ」、「『海監』が艦隊を組み、釣魚島海域の巡航を行ったことは、権利維持の行動の鎖を形成し、並外れた“殺傷力”を持つ拳骨(げんこつ)にした」と主張した。



「殺傷力」とは通常、このような組織や任務に対して使うものではない。明らかに海洋管理・法執行組織とは思えない表現である。明確に海上保安庁に対し殺意を持っているといっても過言ではないだろう(もっとも現在の海監には海保にとって「殺傷力」となるような固定兵装はないのだが)。

一方、日本政府と民主党がやってきたことといえば中国に頭を下げ共同開発をお願いし、海保に対しては給料の削減と新規採用の抑制という仕打ちである。内憂外患どころか内患外患である。

このエントリーをはてなブックマークに追加

tag : 東シナ海 尖閣諸島 領海警備 ガス田 共同開発 海監 海上保安庁 巡視船

2012-05-04 : 未分類 : コメント : 0 : トラックバック : 0
Pagetop
コメントの投稿
非公開コメント

Pagetop
« next  ホーム  prev »

FC2カウンター

Lc.ツリータグリスト

ブログ内検索