尖閣沖EEZに中国調査船「東方紅2」出現したが・・・

長崎県五島・鳥島沖での中国漁船拿捕・船長逮捕の記憶も冷めやらぬ昨日、今度は尖閣諸島大正島沖の日本のEEZで中国海洋調査船が航行しているのが海保航空機によって発見された。

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日本の排他的経済水域を航行する中国海洋調査船「東方紅2号」
=15日午後1時20分ごろ、沖縄・尖閣諸島大正島の北北西約48キロ
(第11管区海上保安本部提供)

単に航行していただけではない。複数のワイヤーを曳航し何らかの調査活動を行っていることは明らかだった。事前通報制度に基づく調査海域の通知は申請されていたようだが、実際に航行していた海域は異なる海域。またもや事前通報制度が形骸でしかないことが証明されたのだ。

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日本の排他的経済水域で、ワイヤなどを引きながら航行する中国海洋調査船「東方紅2号」
=15日午後1時20分ごろ、沖縄・尖閣諸島大正島の北北西約48キロ
(第11管区海上保安本部提供)
中国海洋調査船、EEZ内を航行 沖縄・尖閣諸島

 15日午後1時20分ごろ、沖縄県・尖閣諸島の大正島北北西約48キロの排他的経済水域(EEZ)で、中国の海洋調査船「東方紅2号」が、事前通報のない海域で船尾からワイヤを引きながら航行しているのを海上保安庁の航空機が発見した。


最近は漁政(漁業監視船)や北斗(漁業調査船)が頻繁に出没していたため、この「東方紅2号」は珍しく思うかもしれない。しかし、この調査船も事前通報無視のEEZ調査では結構な「常連」だ。

尖閣諸島付近のEEZ内に中国調査船、事前通告なしで海洋調査を実施(2006/07/02 産経新聞)

 第11管区海上保安本部(那覇市)によると、2日午前5時50分ごろ、巡視船「もとぶ」が、沖縄県石垣市の魚釣島南西約24キロの日本の排他的経済水域(EEZ)内で、中国海洋調査船「東方紅2号」(3235トン、全長96メートル)を発見した。

 同保安本部によると、東方紅2号は巡視船の警告を無視し、事前通告なしの海洋調査を実施。北西方向に航行しながら2日夕までに、日本のEEZ内で海水を採取するなどの調査活動を3回行った。

 尖閣諸島付近で中国の調査船による無断調査は約2年ぶり。平成16年11月に中国海軍の原子力潜水艦が石垣島沖の領海を侵犯し、海上自衛隊の艦艇が出動する事態が発生。それ以降、中国は日本の領海周辺での調査船活動を「自粛」していたとみられるが、5月下旬から6月にかけて沖ノ鳥島周辺の海域で中国の海洋調査船が活動しているのが確認されている。

 同本部は外務省に状況を報告し、外交ルートを通じて調査の中止を申し入れるよう要請したが、2日夜現在、外務省は中国当局に抗議するなど具体的な行動をしていない。

尖閣諸島近海に中国調査船 事前通報なし

 2日午前5時50分ごろ、尖閣諸島・魚釣島南西約24キロの日本の排他的経済水域(EEZ)内で、中国の海洋調査船「東方紅2号」(3、235トン)が航行しているのを第11管区海上保安本部(那覇)の巡視船が発見、調査を中止するよう警告した。
 外務省は「事前通報がない」として、在日中国大使館に抗議。大使館側は「事実関係を確認する」と回答した。

 東方紅2号は3日午前零時半ごろ、魚釣島北北西約170キロの日中境界線から、EEZの外に出た。

 同保安本部によると、尖閣諸島付近で中国の調査船による無断調査は2年ぶり。巡視船は現場海域で「事前通報のないわが国EEZ内での調査は認められない。直ちに調査を中止せよ」と中国語と英語で警告。東方紅2号は応答せず、北西方向へ航行しながら2日夜までに4回にわたり、バケツ状の機器を海中に入れ海水を採取するなどの調査活動を行った。

2006年には、中国原潜による領海内潜行事件以降2年間「自粛」していた調査活動を再開するという形で出現。海保巡視船が監視し警告を発する中で、それを無視し嘲笑うかのように採水などの海洋調査を3回実施した。

同船は翌年2007年にも出現。

中国調査船が尖閣近海に EEZ内、警告に応じず

 4日午前9時半ごろ、尖閣諸島・魚釣島西北西約30キロの日本の排他的経済水域(EEZ)内で、中国の海洋調査船「東方紅2号」(3、235トン)が海水採取の調査活動をしているのを第11管区海上保安本部(那覇)の巡視船が発見。調査を中止するよう警告したが、調査船は応答せず4回の調査を行った。

 外務省は同日夕、相互事前通報の枠組みに反するとして中国側に強く抗議、活動中止を申し入れた。

 11管本部によると、日中間の取り決めに基づき中国側は日本政府に対し、1月18日から2月15日にかけて鹿児島県西方の日中中間線付近の海域で調査すると事前通報していた。しかし、調査船は通報域を外れた日本のEEZ内を南へ航行しながら網や筒状の器具を海中に投入し、海水採取などの科学的調査を断続的に実施。
 11管本部の巡視船は中国語で「直ちに調査を中止せよ」と再三呼び掛けたが、調査船は応答せず、4日午後4時すぎから同6時ごろまで魚釣島南南西約63キロで3回目の調査を実施。午後8時すぎには4回目の調査を開始した。  調査船は午後10時すぎ、排他的経済水域の外に出た。

このときも、海保による警告を無視する形で事前通報の無い海域での調査活動を強行した。この時の外務省の抗議についてはプレスリリースも出されている。

 調査自体は前年と同様の「態度」だったが、外務省の抗議に対する中国の反応が少し異なっていた。

外務省: 中国海洋調査船「東方紅2号」による海洋調査活動

2. 我が方として、このような行為は相互事前通報の枠組みに反するものとして遺憾であり、本4日夕刻、中国側に対して強く抗議するとともに、調査活動の即刻中止を申し入れた。

3. これに対し中国側より、至急事実関係を確認するとの反応があった。

通常であれば、調査は当然の権利であるとか海域は中国のEEZであるとかの「お決まり」の回答が即座に返ってくるはずである。そうした答えではなく「事実関係を確認する」という反応は、中国外交部の担当者も知らなかったということなのだろう。この中国の、ある意味で腰の引けた対応は、その態度とは裏腹に「強硬」さを示したといえる。

つまり、中国海洋調査機関や海軍のレベルで「勝手に」調査が行われていた可能性を示唆する。

ここまで強硬な行動、調査の強行を可能とした要因のひとつは、この船の所属だろう。

関連エントリ:中国調査船が日本EEZ内に

この船「東方紅2号」は海軍や海洋調査機関の所属ではない。中国の海洋大学所属ということになっている。調査自体は学術調査であると主張できる上、何かトラブルとなっても非武装の学術調査船であれば「被害者」であることを主張しやすいのだ。

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画像左:2007年2月の画像(毎日新聞の記事より。第11管区海上保安本部提供)
画像右:2006年7月の画像(世界の艦船2006年9月号より。第十一管区海上保安本部巡視船「もとぶ」撮影)
画像下:世界の艦船1999年9月号「注目の中国海洋調査機関」より

もっとも、中国の海洋調査船は実際には国家海洋局などの元で統一的に運用されていると考えられる。
このときの外交部の反応は、派閥間の力関係などの要素もあったのかもしれない。


そして、今回の事前通報海域外での調査である。「東方紅2号」が来るのは久しぶりだ。だが、その「態度」は今までの調査活動と異なっていた。

中国海洋調査船、EEZ内を航行 沖縄・尖閣諸島

 第11管区海上保安部(那覇)によると、無線で警告したところ、調査船から「調査を中止する」と回答があり、約3時間後にワイヤを撤収したという。

2006年2007年の調査活動では、監視や警告を無視する形で調査を強行していた。ところが今回は、警告を受けるや否や「調査を中止する」と回答して、そそくさと撤収して行ったのである。

事前通報海域を間違えた?現在の測位システムからするとそういったことは考えにくい。
事を荒立てたくないのだろうか?ならば最初から調査にこなければいい。
ばれなきゃいいと思っていたのだろうか?海保巡視船や航空機による監視体制は十分承知していたはずだ。

今後も隙あらば、また入り込んでくるかもしれない。

なんにせよ今回すぐに去って行ったのは、十一管にとっては僥倖だったろう。なにせ監視対象は中国漁船だけではないのだから。

実効支配訴え尖閣へ漁船団 田母神氏が代表の団体

 【宮古島・八重山】「頑張れ日本! 全国行動委員会」(田母神俊雄代表)の漁船団は12日、石垣島から尖閣諸島へ向け出港した。宮古島から13日出港する漁船と合わせ、十数隻の船団を組んで魚釣島周辺で操業し、領有権を主張する中国や台湾に対して日本の実効支配を訴える。
 石垣島から出港した船団は7隻で6隻の漁船が尖閣諸島へ向かう。残りの1隻は撮影団の船で、途中まで同行して船団の活動を撮影し、インターネット動画で放映する。宮古島からは5隻が出港し、魚釣島近海で合流する予定。



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tag : 海上保安庁 尖閣諸島 中国 EEZ 調査船 事前通報

2011-11-16 : 尖閣諸島問題 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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