現実感のない議員たちの領土保全活動

APEC会議が行われたホノルルで、日中首脳会談も行われ野田総理は中国側に東シナ海ガス田共同開発の条約締結交渉早期再開を求めていた。

首相、ガス田共同開発交渉の早期再開要請 日中首脳会談

野田佳彦首相は12日午前(日本時間13日午前)、中国の胡錦濤国家主席と会談した。首相は尖閣諸島沖での中国漁船衝突事故など中国の活発な海洋進出を念頭に「東シナ海を平和友好の海とするべく海の協力をしたい」と述べ、不測の事態に備えた「海上連絡体制」の整備を呼びかけた。中断しているガス田共同開発に関する条約締結交渉の早期再開も求めた。

これに胡主席は「再開に向けて準備を進める」としていたが、実際に交渉再開に向けた動きを中国側が見せているとの事。

中国、ガス田交渉再開を本格検討 月内にも最終判断

昨年9月の沖縄県・尖閣諸島付近での中国漁船衝突事件を受け中国側が中断させていた東シナ海のガス田開発の条約締結交渉について、中国政府が交渉再開に向けて本格的な検討を始めたことが分かった。早ければ今月中に最終判断する。複数の日中関係筋が16日までに明らかにした。

記事にある共産党首脳の世代交代だけでなく、TPP交渉でアメリカを中心とした経済圏に日本が組み込まれるという懸念もあるのだろう。ここでなんとか日本を引き止めるネタが欲しいわけだ。もっとも、そうすると今度は国内の強硬派からの反発も出てくる。

 ただ、中国での国内世論は、領有権争いを抱える南シナ海問題に野田政権が積極的に介入していると映っており警戒感は極めて強い。このため交渉が再開されれば、世論の反発は必至の情勢だ。

そう考えると昨日の、「東方紅2号」による通報外海域の調査はそうした強硬派への配慮だったのかもしれない。

関連エントリ:尖閣沖EEZに中国調査船「東方紅2」出現したが・・・

警告を受けるとすぐに撤収したのも「アリバイ作り」とすれば納得がいくかもしれない。ただ、今後は交渉が再開されるにつれて国内に配慮するために、さらに調査活動の活発化や漁政の航行を進めることも懸念される。

一方、政府は名前のなかった無人島に名称を与えてEEZの管理を強化する方針も打ち出している。

中国の資源囲い込みに対抗 公募で無人島に命名 沖縄・尖閣諸島周辺など

 政府の内閣官房総合海洋政策本部によると、日本のEEZの基点になる無人島は全国に99島。うち49島には正式名称がなく、国土地理院や海上保安庁が作成する地図・海図にも記載されていない。政府は、これらの島も日本の重要な「領土」と位置付けるため、命名が重要だと判断した。

 公募で名称が決まれば、自治体側が「地名確認調査表」を政府側に提出。国土地理院と海保の協議を経て正式決定し、地図・海図に記載する。

(この記事に掲載されている写真の日付は13日とされているが、今月のものではなく先月のP-3C取材のものだ)

いわば中国が昨年定めた「海島保護法」への対抗だ。もし無人島に中国名しかなければ、国際的な宣伝合戦でも日本側がかなり不利になる。併記どころか中国名単独記載となるわけだ。名前があることも領有権主張の重要な要素というわけである。

 もっとも日本名を与えるだけでは実際には何も変わらない。共同開発が問題となっている中国のガス田にも日本名が与えられている(例:中国名「春暁」→日本名「白樺」)が、交渉が進んでいないのは先にある記事の通りだ。名前を付けた後どのように管理していくかが、これから重要になってくるだろう。

 こうした離島の管理については政府与党だけでなく野党の自民党も働きかけをおこなっている。

自民特命委が長崎・男女群島を視察へ 領海侵犯など踏まえ

 自民党の領土に関する特命委員会(石破茂委員長)は15日の会合で、長崎県・五島列島沖の男女群島と肥前鳥島を年内にも視察する方針を決めた。男女群島周辺の領海内では中国籍や韓国籍の漁船が入り込んで操業しているとの情報もあるため、島の現状を確認し、領土保全のため灯台などの建築物を設置するよう政府に働きかける方針だ。

 同群島周辺では11月6日、中国漁船が領海内に侵入。長崎海上保安部の巡視船が中国人船長を漁業法違反(立ち入り検査忌避)の疑いで逮捕している。

もっとも、記事の見出しで「領海侵犯を踏まえ」としているように、彼らが漁業問題と領土問題の関係をどこまで理解しているのかは不明だ。単に灯台を設置すれば、それを目指して外国漁船がやってくるだけになるかもしれない。

 最近、自民党の領土問題に対する取り組みはどうも空回りしている印象が否めない。8月の入国拒否騒動もそうだ。今回は抗議文書の申し入れすら拒否されたという。

 また15日の会合では、日本固有の領土である竹島で韓国の国会議員がオーケストラによるコンサートを開いた問題で、特命委が事前に中止を求める抗議文書を駐日韓国大使館に渡したが、韓国側が受け取れないとして返送していたことが明らかになった。新藤義孝委員長代理が報告した。



竹島音楽会は即時中止を=自民

 自民党の「領土に関する特命委員会」(委員長・石破茂前政調会長)は9日、韓国の国会議員が竹島(韓国名・独島)で計画している音楽会について「わが国国民の心情を逆なでし、日韓関係の進展を著しく阻害する」として、即時中止を求める決議を採択した。政府は8日、在韓日本大使館を通じて韓国側に中止を申し入れているが、決議は「高いレベル」で抗議するよう求めている。

韓国の竹島音楽会、自民特命委が中止要求

 自民党の「領土に関する特命委員会」は9日、日韓両国が領有権を主張する竹島(韓国名・独島)で韓国の国会議員が音楽会を企画していることに反対する決議を採択した。決議は音楽会の即時中止と、この問題に関して日韓両政府が協議の場を設けるよう要求。政府に、竹島に関する韓国側の動きと対応を国民に説明するよう求めている。



もっともこれについては日本政府の抗議も韓国政府は相手にしていない。

竹島で韓国議員が音楽会…外務省が中止申し入れ

 外務省は9日、韓国の国会議員が出席して11日に竹島(島根県)で音楽会開催を予定しているとして、韓国政府に中止を申し入れたことを明らかにした。

 自民党領土に関する特命委員会で、同省が報告した。

竹島の音楽会中止を韓国政府に要請--玄葉外相

 玄葉光一郎外相は9日の記者会見で、韓国の国会議員が11日に竹島で開催を計画している音楽会について、韓国政府に中止を申し入れたことを明らかにした。


竹島コンサート計画に官房長官「さまざまなレベルで抗議」 外務省は2回中止申し入れ

 日本固有の領土である竹島で韓国の国会議員がオーケストラによるコンサートを計画していることが9日、明らかになった問題で、外務省は8、9両日と2回にわたり韓国政府にコンサートの中止を申し入れた。


日本の独島音楽会撤回要求…韓国政府「対応する価値なし」

今月11日に、韓国国会議員が独島(トクト、日本名・竹島)で音楽会を開催することについて、日本の外務省は撤回を要求しているが、韓国の外交通商部は「対応する価値はない」とこれを一蹴した。


きょう「美しいわが領土独島音楽会」を開催

「独島を守る国会議員の会」は11日午後、独島(トクト、日本名・竹島)の船着き場で「美しいわが領土独島音楽会」を開催する。

音楽会には会の共同代表を務める自由先進党の朴宣映(パク・ソンヨン)議員ら5~6人の議員が参加する。この日は創作歌曲の「独島アリラン」が発表される予定だ。

一方、日本外務省は9日に韓国政府に独島音楽会を中断するよう申し入れたが、韓国政府は対応する価値がないと一蹴している。

きょう独島で初の音楽会 日本政府の反対にも強行

 視覚障害者の管弦楽団がベルディの歌劇「運命の力」序曲のほか、ドボルザーク、ショスタコービッチ、ブラームスなどの曲を演奏する。ソプラノとバスによる合唱も行われ、「懐かしの金剛山」や朝鮮半島の代表的民謡「アリラン」を編曲した「独島アリラン」も披露する。

 国会議員らは音楽会の後、独島守護の任務に就いている警備隊や海洋警察隊を激励する。

 朴議員は「音楽会によって日本をはじめとする全世界に、独島は韓国の領土だということをアピールする」と話す。

韓国の視覚障害者楽団が独島で演奏会

音楽会には「独島を守る国会議員の会」の共同代表である自由先進党の朴宣映(パク・ソンヨン)議員、ハンナラ党の柳一鎬(ユ・イルホ)議員、崔敬禧(チェ・ギョンヒ)議員、民主党の李燦烈(イ・チャンヨル)議員、未来希望連帯の金乙東(キム・ウルドン)議員らが出席した

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藤村氏「政府として抗議する」 韓国議員の竹島上陸

 藤村修官房長官は11日の記者会見で、日本固有の領土である竹島に韓国の国会議員5人が同日正午ごろ上陸したことを確認したと発表し、「政府として抗議を行う」と述べた。

韓国議員、竹島で音楽会…武藤・駐韓大使が抗議

韓国の超党派の国会議員で作る「独島(トクト)(竹島の韓国名)を守る国会議員の会」は11日、竹島の船着き場で管弦楽団による音楽会を開催した。

 実効支配を強調する狙いとみられ、武藤正敏・駐韓国大使は同日、韓国政府に抗議した。

日本政府も自民党も全く相手にされなかったようだ。

それどころか韓国は国内で過剰な日本への抗議活動を淡々と検挙していた。

駐韓日本大使館に自分の指を送った男を立件

駐韓日本大使館の前で何度か自害騒ぎを起こした男が、自分の指を切って日本大使館に送っていたことが最近、確認された。

蔚山(ウルサン)中部警察署は9日、小指を刃物で切断して駐韓日本大使館に送った疑い(刑法の外国使節脅迫)でチェ容疑者(47、蔚山中区)に対する調査結果を先月上旬、検察に送検した、と明らかにした。

こうした動きを見ると鬱陵島入国拒否騒動で韓国側が安全確保を理由にしたこともあながち建前だけとはいえない。

入国拒否騒動の政治的な意味は別として、騒ぎが大きくなり注目を集めた点においてはある意味評価できる。すくなくとも今回のような梨の礫の抗議よりは。

公式の外交ルートでの抗議が無意味ならば「騒ぎ」を起こすだけでもいいのだ。実効支配を強める韓国にとっては「騒ぎ」で国際的な注目が集まり「領土問題」「係争地域」と認識されるだけでも不利になる。軍による警備の是非についてジレンマがあるのもそのせいだ。

つまり、音楽会で訪れる人たちを乗せた「独島」観光船の前に海保巡視船が現われるくらいのサプライズがあってもよかった。


定期的に行われている海保巡視船による竹島周辺海域哨戒が「たまたま」音楽会の日と重なったとしても不思議ではないのだから。




竹島で韓国の超党派議員がイベントを行ったように、日本でも自民・公明・民主の超党派議員連盟が領土に関わるイベントを開催した。ただし、竹島のような現地ではなく国会内である。

その名も「尖閣の魚を食す会」

尖閣諸島の魚味わう=超党派議員

 超党派の「日本の領土を守るため行動する議員連盟」は15日、参院議員会館で「尖閣の魚を食す会」を催し、民主、自民、国民新各党などの有志議員が尖閣諸島(沖縄県石垣市)近海で取れたカツオやマグロの料理を味わった。

この魚、実は前回のエントリでも取り上げた田母神氏率いる保守団体のアピール活動によって漁獲されたものだという。

領土議連が国会内で尖閣の魚試食会

 料理された魚は、保守系の民間団体「頑張れ日本! 全国行動委員会」(会長・田母神俊雄元航空幕僚長)のメンバーと沖縄・石垣島の漁師らが捕ったキハダマグロやカンパチ、カツオなど。すしやたたき、揚げ物などに調理し、領土議連のメンバーに加え、衆参の国会議員らが試食、「おいしい」「うまい」といった声が上がった。

おいしい魚食べて日本の領土守る!魚の“尖閣ブランド”誕生へ

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尖閣諸島沖で捕れた魚介を試食する議員ら=15日午後、参院議員会館(酒巻俊介撮影)



別に、尖閣諸島での日本の漁船の操業を主張し、避難港の建設を訴えることは悪いことではない。

しかし、尖閣諸島周辺海域では今この瞬間も海上保安庁が監視警戒活動を行っているのだ。その一方で国会内で議員たちが舌鼓を打っている姿はなんとも空虚である。

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tag : 尖閣諸島 中国 東シナ海 ガス田 共同開発 韓国 竹島

2011-11-16 : 尖閣諸島問題 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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