シー・シェパードが調査捕鯨船団に対しUAVを投入、捕捉に成功

11日、シー・シェパードは再び捕鯨船団に対し妨害活動を実施した。その際、警乗している海上保安官によって警告弾が投擲された。

シー・シェパード向け警告弾2発 南極海で海上保安官

 水産庁によると、妨害は日本時間11日午前11時過ぎから約1時間続いた。SSの小型ボート2隻が、第2昭南丸の船首付近から海面にロープを流すなどしたという。同庁はロープをスクリューにからませようとしたとみてやめるよう音声などで警告したが、妨害は続いた。そこで同乗の海上保安官が小型ボートの後方に向かって警告弾を相次いで手で投げたという。

 海保によると、警告弾はソフトボール大で投げると破裂して大きな音がする。今回の調査捕鯨でSSに投げたのは初めてだが、過去数回の実績があるという。音が出るだけで、密漁の取り締まりの際にも使うといい、海保は「武器にはあたらない」としている。

記事にもあるように、この警告弾は国内においても密漁取締で使用される。音響・発光・着色の3種があるが、着色は密漁船の識別に使用するためのものなので、今回使用されたのは音響・発光だと思われる。SSTも含めた特殊部隊が使用するフラッシュ・グレネードと用途は近いが、そこまでの威力はない。もっともシー・シェパードや彼らに協力的なメディアは意図的に混同し、暴力的な印象を誘導しようとしているが。

 この警告弾は以前の捕鯨船団への警乗でも使用されており、その際と同様に小銃等も持ち込まれていると思われる。

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シー・シェパードのUAVから撮影された監視船。警乗する海上保安官が確認できる。
ヘルメットの形状などから、以前確認された防弾ヘルメットではなく特別警備隊が使用する
制圧用装備(いわゆる機動隊装備)のFRP製ヘルメットを着用しているようだ。
乗り込んできた活動家を近接して制圧することを想定しているのかもしれない。

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以前の警乗において警告弾を投擲する海上保安官。SST隊員だとされている。



以下は、昨年中にアップするつもりで12月26日に作成したエントリを一部修正したものである。
シー・シェパードが今季初の妨害を実施して以降の流れは最新のエントリを参照してほしい。






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日本の調査捕鯨が再開されてシー・シェパード周辺が騒がしい。当然だ。
彼らにとっては、最高の資金源、宣伝材料なのだから。

そして、あろうことか東日本大震災までもその材料として利用した。
曰く、各国から集められた義捐金が調査捕鯨に使われていると。

煽るSS 復興こじつけ…捕鯨批判報道

 英紙ガーディアンは7日付で「日本の捕鯨船が津波災害資金を使って非難されている」と報道。これを受け、英国の日本大使館は「誤解を招くような見出し」として同紙に反論文を寄稿、「寄付金は一切、調査捕鯨費に使われていないし、今後も使わない」と強調した。

 SSは、転用が事実誤認にもかかわらず、騒動に便乗して「募金を日本に返してもらおう」というキャンペーンを展開、抗議を呼びかけている。SS代表のポール・ワトソン容疑者(国際手配)は豪州のスカイTVに対して「捕鯨費用が、まさか転用されることなど夢にも思わなかった世界中の人々からの募金であることは、誠に恥知らずなことだ」と語ったという。

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恥知らずなのは彼らのほうである。
寄付金が予算として使われることなどありえないのだ。

これに迷惑したのはなにも日本政府や鯨類研究所だけではない。
調査捕鯨に反対しているグリーンピースをはじめとしたその他の環境保護団体もシー・シェパードのやり方を非難している。

 11日付の英字紙ジャパン・タイムズに寄稿した英紙インディペンデントのデヴィッド・マクニール記者はこの騒動についてふれ、国際環境保護団体グリーンピース・ジャパンの佐藤潤一事務局長の指摘を取り上げた。佐藤氏は「事実を曲げて述べることは、環境保護活動家のためにならない。これは反捕鯨運動全体の信用性に関わる」とワトソン容疑者を批判したという。

当然だ。

グリーンピースや他の団体は出港前に「復興のための補正予算」の取扱について抗議したのであって、寄付金の流用などという虚偽の情報を流されれば、逆にその抗議の信頼性まで失われる。議論にすらならないことを危惧しているのだろう。

復興財源の一部、調査捕鯨の支援に

補正予算の配分の実態については国際環境NGOのグリーンピースが最初に取り上げ、他のグループも抗議を行っている。護衛船の出港前に補正予算の使用方法を見直すよう政府に要請するグリーンピース・ジャパンが公表した12月1日付の声明には、約18の団体組織が署名した。

水産庁は8日、復興基金を調査捕鯨船団の支援に使用することは適切だとし、捕獲分全てを持ち帰ることが3月11日に被災した商業捕鯨の町の復興支援につながると主張した。東北地方で唯一の捕鯨拠点だった宮城県石巻市の鮎川地区は大半が津波に襲われた。

壊滅した捕鯨産業の拠点を復興させるべきか、もしそうなら調査捕鯨ではなく沿岸捕鯨を重視すべきではないのか、そうした議論が「寄付金の流用」「募金返還」へと摩り替えられ、ただひたすら被災者の心を傷つけていく。

 捕鯨関係者も、(シーシェパード以外の)反捕鯨団体も誰も得をせず、シーシェパードだけが一人勝ち、というわけだ。


 ただ、鯨類研究所側も黙っていたわけではない。彼らの根拠地の一つアメリカにおいて反撃に転じた。

シー・シェパードを提訴 妨害中止求め日鯨研が米連邦地裁に

 日本政府の許可を得て南極海で調査捕鯨を行う日本鯨類研究所(東京都中央区)は9日朝(現地時間8日昼)、反捕鯨団体、シー・シェパード(SS)の妨害を阻止するため、SSの本部がある米ワシントン州の連邦地裁に、妨害の差し止めと船団への接近禁止を求める訴訟を起こしたことを明らかにした。

 鹿野道彦農相は同日、閣議後の記者会見で、差し止め訴訟についてふれ、「(裁判で)どういう判断がなされるか農水省として注視していく。差し止め訴訟を起こしたことで(SSは)妨害行動を起こさないでほしい」と述べた。

 提訴に踏み切った理由について日捕研は、「年を追うごとにエスカレートするSSの妨害活動は船団の安全を脅かしており、看過できない」と述べた。また、同訴訟のほかに仮処分申請も行ったことも明らかにした。早ければ1カ月以内にも裁判所の判断が下されるという。

もっともワトソン容疑者は、こうしたことを意に介さないコメントを発表。

「日本側の最後のあがき」 シー・シェパード代表が調査捕鯨妨害差し止め提訴に反発

 ワトソン容疑者は提訴について「捕鯨産業が衰退する中、日本側による最後のあがきだ」と挑発。「われわれを支援する弁護士らに相談するが、提訴はまったく(妨害)活動に影響しない」と断言した。

それどころか、日本側を脅迫するかのように「危険な妨害活動」を行うと声明した。

Sシェパード「最も危険な妨害活動になる」

 その後の正式声明では、日本側が水産庁の監視船を初めて同行させたことなどを受けて「これまでで最も危険な(妨害)活動になる」と指摘。拘束力を持つ裁判所の判断が出るなどしない限り、当面は妨害活動を強行するとみられる。

 現在は3隻の抗議船がオーストラリア各地で出港の準備を進めている。西部パース郊外に寄港中の高速船ブリジット・バルドー号には、攻撃用とみられる赤い塗料入りの小瓶が用意されていた。団体幹部は「今回は(攻撃用の)ボートを増やした」と話し、激しい妨害活動を示唆した。

そうした動きに頭を悩ませているのは調査捕鯨を行う日本政府だけではない。調査捕鯨に反対し、当初はシー・シェパードの運動に協力していたはずの周辺国も、そうした過激な活動を警戒する動きを見せ始めている。

12日付のニュージーランド紙プレスは、南極海で近く実施される日本の調査捕鯨に対し、反捕鯨団体「シー・シェパード」が激しい妨害活動を行う恐れがあるとして、ニュージーランド海軍の艦艇2隻が南極海へ派遣される可能性があると伝えた。

シー・シェパード捕鯨妨害想定、NZ海軍が艦艇派遣か

 ニュージーランド国防省筋の話として報じたが、詳細は不明。両者の衝突で死傷者が出る事態を防ぐため、同国政府が派遣を検討している可能性がある。ニュージーランド政府は10月、日本の調査捕鯨継続を非難する声明を出している。

捕鯨に反対している国にとってもシー・シェパードは危険な存在になりつつある。

シー・シェパードの捕鯨妨害活動、オーストラリアが捜査に着手 

 オーストラリア(豪州)のラドウィッグ農水林業大臣は12日、鹿野道彦農林水産相と農水省内で会談し、豪州の警察当局が南極海における日本の調査捕鯨の妨害活動の捜査に着手していることを明らかにした。


 一方、ラドウィッグ氏は豪州が調査捕鯨の廃止を求めていることから、「捕鯨に対して日本と豪州の立場は異なる」と説明。その上で、「法律順守は当然必要であり、すでに警察、海上保安当局が(昨年度の)妨害活動の捜査を開始している」と応じた。

国際法廷での決着を目指しているオーストラリア・NZ・オランダ各国にとって、犯罪行為となるような妨害活動は、逆に立場を悪くするのだ。また、IWC総会でシー・シェパードを非難し安全確保を目指す声明が出されたことも大きい。

関連エントリ:IWCで名指し非難されたシーシェパード、差し押さえられる

このときは、反対していたオーストラリアですら妨害が危険な行為であるということを否定できなかった。
それゆえ、今回の調査捕鯨に反対する声明でも日本を非難しつつも、妨害活動に釘を刺す形となっている。

調査捕鯨「安全最優先に」 米豪蘭NZが共同声明

 米国やオーストラリアなど4カ国は14日、共同声明を発表し、近く南極海で始まる日本の調査捕鯨と、反捕鯨団体による抗議活動をめぐり、国際的なルールに基づき人命の安全を最優先に考えるよう、双方の当事者に「責任ある行動」を求めた。

 名指しは避けながらも、反捕鯨団体「シー・シェパード」による抗議活動を念頭に置き、人命を危険にさらすような両当事者によるあらゆる行為を非難すると警告した。


そんな中、捕鯨船団を迎え撃つかのようにシー・シェパードの「艦隊」も「出撃」したのだった。


反捕鯨船が出港=南極海で対日妨害開始へ-豪

反捕鯨団体「シー・シェパード(SS)」は16日、南極海での日本の調査捕鯨に対する妨害活動を開始するため、オーストラリアで出発準備を進めていた同団体の3隻の抗議船のうち、ボブ・バーカー号が15日夜にタスマニア州から出港したことを明らかにした。
 SSのスポークスマンによると、残る2隻のスティーブ・アーウィン号は16日午後、ゴジラ号から改名したブリジット・バルドー号は17日にも西オーストラリア州から出港する。

シー・シェパードが活動しているのはオーストラリアやNZ、南極海だけではない。この日本でもこっそりと、あるいは大々的に活動している。

日新丸が広島から出港したのも「隠し撮り」していたようだ。一方、映画の舞台となったイルカ漁の盛んな太地町では目立った活動こそが資金集めのアピールとなる。そのため繰り返し関係者へ嫌がらせを行っていたが今回は「手が出て」しまったようだ。

シー・シェパード支援者を逮捕=クジラ搬入現場で暴行容疑-和歌山県警

 和歌山県太地町で、クジラの搬送現場への立ち入りを制止しようとした男性の胸を手で突いたとして、県警新宮署は16日、反捕鯨団体シー・シェパード(SS)の支援者でオランダ国籍のフェルミューレン・アーウィン容疑者(42)を暴行容疑で現行犯逮捕した。
 同署によると、同容疑者は「そういう事実はない」と否認しているという。
 逮捕容疑は16日午後0時55分ごろ、太地町森浦の海沿いの堤防道路で、男性会社員(23)の胸を1回手で突くなどした疑い。

今までは警察が動けないように、道を塞いだり、罵ったりというような行動を取っていたが、今回はそうもいかなかったのか。もっとも警察側は暴行事件としての立件よりもその捜査過程での家宅捜査を狙っていたのだろう。

反捕鯨団体暴行事件で家宅捜索 和歌山県警、滞在ホテルを

 反捕鯨団体「シー・シェパード」の関係者が和歌山県太地町で男性会社員を暴行したとされる事件で、県警が関係先として、団体のメンバーらが滞在する隣町のホテルなど数カ所を暴行容疑で家宅捜索したことが19日、分かった。捜査関係者が明らかにした。

 捜索は18日。県警は団体メンバーらが使っているパソコンや携帯電話などを押収したとみられ、太地町の捕鯨への妨害、監視の実態を調べる。

こうした検挙や家宅捜索は起訴につながらなくても彼らの動きを留めさせる効果がある。やりにくいと彼らに思わせれば、それは心理的な障壁となる。

それどころか、今回の事件は地検によって起訴された。こうした暴行事件での立件は米連邦地裁での訴訟にも少なからず影響を与えるだろう。

こうしたシー・シェパード包囲の動きは反捕鯨国であるオーストラリアでも起きていた。シー・シェパード構成員の入国拒否である。

No Sea Shepherd - ヘリパイロットの入国拒否

ところが、こうした動きに歯止めをかけた人物がいる。

その人物とはオーストラリア与党党首だ。

SSの暴力を助ける豪州与党党首 パイロットの入国ビザ発給へも動く

 ところが、この状況が一転し、8日にオールトマンのビザ発給が許可されたそうです。これで、キャンペーンの要である撮影用、哨戒用ヘリコプターはやはり、南極海の空を知るオールトマンが操縦桿を握りそうです。

 この裏で、動いたのはやはり、シー・シェパードを豪州政界で支える与党緑の党のボブ・ブラウン党首でした。

 ポール・ワトソンがFacebookで、こう報告しました

 ビザが認められた。ありがとうボブ・ブラウン上院議員!

 ブラウン党首は、ワトソンにこんなことを言ったそうです。真意のほどは定かではありませんが。

 私は入国管理担当相のクリス・ボウエン氏に、シー・シェパードのクルーの入国ビザを発給するよう要請したことに素早く反応してくれて感謝の意を伝えた。

 オーストラリア政府は、シー・シェパードの船がオーストラリアの港を出港しようとしている今、安全を確保するための計画を準備しなくてはいけない

もし、シー・シェパードによって、特に彼らのヘリによって捕鯨船団の安全が損なわれ人名に危害が及ぶ事態となれば、同国は国際的な非難にさらされ国際裁判どころではなくなるだろう。国民の人気取りのためにシー・シェパードに便宜を図っているのだろうが、最終的に彼がオーストラリア国民にもたらすのはとんでもない不利益となるかもしれない。それだけリスクを伴う行為だということを理解できているのだろうか?

自国民の人気取りのために外国を攻撃するという姿勢は、オーストラリアが警戒している中国の政治体制となんら変わりがない。


 その便宜を図ってもらったシー・シェパードだが、ヘリコプターの運用が厳しくなったとしてもある程度の「航空戦力」を確保していたようだ。

 UAVの導入である。

シー・シェパード、無人機で日本捕鯨船団を発見

 ワトソン代表によると、シー・シェパードの抗議船「スティーブ・アーウィン(Steve Irwin)」号から発進した長距離無人機が日本の船団を発見し、位置情報を送信してきた。シー・シェパード側は南緯37度、南極海域から1600キロの距離で、日本船団の位置を把握したという。

 スティーブ・アーウィン号による捕鯨船団の母船「日新丸(Nisshin Maru)」の追跡を阻止するため、3隻の監視船が現在、スティーブ・アーウィン号を尾行している。だが、ワトソン代表は、無人機があるのでシー・シェパードの方が有利だと語った。無人機は米国の港湾警備会社から寄贈された

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 今回、シー・シェパードが投入したUAVは一見すればラジコン飛行機に毛が生えた程度のものに見えるかもしれない。しかし、世界各国の軍隊で運用されている実用UAVはこのようなラジコン程度のものが多い。例えば、米海軍が海賊対策などで艦上からし、震災後に自衛隊も導入を決めたスキャンイーグルも構造的にはこれとそう大きく変わらない。

関連エントリ:海賊がZU-23を装備?・・・海保の航空武装は

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防衛省、無人機とロボット購入へ 震災教訓、有事投入も

 購入を予定しているのは、2種類の無人機各2機とロボット2台。十数億円を第3次補正予算案に要求する。

 無人機は、横浜市の開発会社「フジ・インバック」の「B2」と米ボーイング社と子会社の「スキャンイーグル」。

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 むしろ、洋上で一般漁船と海賊船を識別しなければならないスキャンイーグルに比べて、捕鯨船団だけを追えばいいシー・シェパードUAVのほうが運用の面では容易となる側面もあるだろう。

No Sea Shepherd - シーシェパードの無人機について

 機体 : Hangar 18 Osprey UAV (防水、製作者:Jimmy Prouty)
 推進力 : 電動サーボモーター(製品名不明)
 自立飛行制御装置 : AttoPilot V3.0 IMU system (輸出版)
 カメラ : ソニー CCD 540TVL ブレットカメラ(防犯用カメラ、防滴仕様、有効画素数 811 x 508)
 ビデオトランスミッター : Lawmate 1W



Hangar 18 - Osprey UAV
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Osprey II-7


 このUAVは別にシー・シェパードが潤沢な資金を使って導入したというわけではない。ある企業から寄付されたものだという。

Sea Shepherd Intercepts the Japanese Whaling Fleet with Drones

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Drone puts sting in whale war

記事にもあるように、それはアメリカの港湾警備会社であるという。近年、海上テロや海運を使っての大量破壊兵器拡散の懸念が高まるとともに、アメリカを中心としてPSIやCSI等のテロ対策の枠組みやSOLAS条約の改正などが進められてきた。そうした需要に対応するために、民間の港湾・海事セキュリティ企業も発展している。ある意味ではテロ対策で成長した民間軍事会社PMCの一形態といえるだろう。

No Sea Shepherd - Is a private maritime security organization supporting terrorism?

この無人機を開発、提供したのが MORAN OFFICE OF MARITIME AND PORT SECURITY(MOMPS)という港湾警備サービスを提供する米国の企業のようだ。どういう冗談か、海賊対策サービスまで提供している。


IMOとDHSの基準で安全サービスを提供する企業が、航行の安全を損ないエコテロリズムの代表格とされるシー・シェパードに協力し機材まで提供しているのだ。リスクを低減させるはずの企業が、海上におけるリスクを増大させている。

MORAN OFFICE OF MARITIME AND PORT SECURITY

MOMPS is committed to providing our clients with the most efficient and cost-effective solutions possible in order to meet existing, new and upcoming requirements and regulations as set forth by the International Maritime Organization (IMO) and the US Department of Homeland Security (DHS).

 MOMPSは、国際海事機関(IMO)及び米国国土安全保障省(DHS)によって定められた既存の、新しいと今後の要件や規制を満たすために、可能な限り最も効率的かつコスト効率の高いソリューションをお客様に提供することをお約束します。

 ほかの協力企業や政治家と同じように企業名のアピール、いわゆる売名行為や自然保護に対する責任CSRのつもりで提供したのだろうが、もしこのUAVによって日本側に被害が出れば、影響は日本に留まらない。

 UAVは電波による遠隔操作を受けているわけだが、不具合や機械上のトラブルでコントロールから離れたり、シー・シェパーの意図的な操作によって、捕鯨船上に墜落もしくは突入し、人命に危害を及ぼした場合、企業としてどのような責任を負うつもりなのだろうか?少なくとも海上において安全を提供する企業としては信頼されなくなるだろう。

 また、UAVなどの機材が必ずしも高度な軍事技術のみで構成されているわけでなく、さらには軍や警察機関などの公的機関でのみ運用可能というわけではないことも示した。UAVの技術の流出といえばヤマハのラジコンヘリ不正輸出問題やイランへの米ステルスUAV・RQ-170の墜落などが思い起こされるが、実はイランの革命防衛隊やイスラム系テロ組織は商用ラジコン製品から自作UAVを作成しており、そうしたもののテロへの使用が懸念されている。

 シー・シェパードの行為は単に捕鯨への妨害というだけでなく、非政府機関・・・特に反体制的な組織によるUAVの運用の実例となった。今後は海上テロ対策においてもUAVなどへの警戒が必要となるかもしれない。その、きっかけが港湾警備会社とは皮肉なものだ。

 そうした点においてこの「協力」は、パタゴニアやクイックシルバーなどの企業のそれとは意味が違うのである。

 この企業の「協力」に対してこうした危惧を抱いているのは日本だけではないようだ。

No Sea Shepherd - 豪政府が無人機使用中止勧告

連邦政府は無人機の使用が南極条約に違反する可能性があることを懸念しているようだ。
ポール・ワトソンは「東京が豪州に圧力をかけた」と根拠のないことをわめき散らしている。


南極条約では平和目的及び科学研究目的以外でのあらゆる型の兵器の運用を禁止している。条約発効に前後して、アメリカ海軍が砕氷艦をすべて沿岸警備隊に移管し、武器を非搭載にしたのも、旧ソ連の砕氷船がFCSを搭載しつつも砲座に砲を搭載していなかったのも、条約下での南極での運用を考慮してのことだ。

 南極権益の獲得、すなわち豪州南極領を目指すオーストラリアとはいえ、南極条約を無視することはできない。むしろ、UAVという軍事兵器と解釈されかねない存在が、南極条約を形骸化し、同海域での権益を狙う各国の介入の呼び水となる。そうなればオーストラリアの権益確保も困難になるというわけだ。

 オーストラリア政府から見放され、シー・シェパードが孤立化することは日本にとっても歓迎できることかもしれないが、より一般国民からの支持を集め同国政府への圧力を加えるために、彼らが一層過激な手法に出る危険性も同時に孕んでいる。

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tag : 捕鯨・反捕鯨 シー・シェパード 捕鯨船 調査捕鯨 UAV PMC テロ対策

2012-01-13 : 捕鯨・環境問題 : コメント : 0 : トラックバック : 0
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